さよならを繰り返し
君は大人になる
ときめきと とまどいを
その胸に しのばせて
さよならが言えただけ
君は大人だったね
ときめきと とまどいを
その胸に しのばせて
鈴木雅之さんソロ名義第一弾の
シングル曲。
バブル期真っ只中。
世の中 身なりも、
仕事の仕方も遊びも
それなりに
スマートに、スタイリッシュに
なっていったころ
それこそ
根性や、お涙頂戴的な
暑苦しい人情ものは
対極へ追いやられ、
ドライでクールな
生き方がかっこいい流れだった。
ガラス越しに消えた夏…
と
稲垣潤一さんの
夏のクラクション
と、
杉山清貴さんの
二人の夏物語
辺りが
それまでの夏のイメージソングの定番アーティスト
山下達郎、大瀧詠一、サザンオールスターズあたりを追随してきた
より、オシャレに、聞きやすく、
感情移入せずに
心に真っ直ぐに
入り込んでくるような
歌が増えてきた。
いちいち自分に置き換えたり
変換作業せずに
聞き流せる歌を歌ってくれる
アーティストが増えてきた。
音楽もひとつのBGM、
ひとつのファッション。
何を聴くかで
その人の趣味の良し悪しを
図られたりする。
♪サヨナラを繰り返し
君は大人になる
恋を多く経験する事で大人になる
色々と失敗にまみれなければ
簡単には大人にはなれない
恋の経験値は
別れの数だけ必要だと
また、それが勲章のような
そんな錯覚さえ覚えさせた
バブルの頃。
あの頃だから
こんな歌の歌詞が
出てきたのかもしれないし、
サヨナラを繰り返すことは
恥ずかしいことじゃなく
むしろ、大人への
ステップアップの為の手段として
歓迎されるべき事になっていた。
ときめきと、とまどいを
その胸にしのばせて
と
なかなか渋いフレーズで
好きだ!
恋することって
ときめき と とまどいが
同居する
それは
いつの時代も変わらない。
その恋の入り口の扉は閉じないで
いる
その生き方。
多分この先も
これからも
大人になってからも
そうやって恋するときめきと
とまどいをわすれずに
生きていくことは
少し素敵な事だと思える
立秋も過ぎると、このお盆の期間が
過ぎると
夏も終わりへと
空気感が変わる。
まだまだ残暑厳しい日が続いては
行くけれど…
ガラス越しに消えた…
手の届かない、手の届かなかった
夏に
思いを馳せて…