日々是好舌

青柳新太郎のブログです。
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母の日も知らず飯場を流れけり

2011年09月06日 13時09分04秒 | 日記
私も20代の頃には工事現場から工事現場へと転々として飯場生活を送ったことがある。

◆母の日も知らず飯場を流れけり

しかし、私の場合、勤めていた会社は中堅ゼネコンであって、どこにいようと社員としての身分は一応保証されていた。

先日、ホームレスから会社の寮に入って働くことになったワダちゃんは現場で二日間働いて日曜日になった。
9月4日の日曜日にワダちゃんは布団一枚とDVDプレーヤー1台2980円を買ってきた。手持ち資金1万円あまりの中で生活必需品の布団はともかくとしてDVDプレーヤー2980円は思い切った出費ではなかったろうか。この段階ではワダちゃんは引き続き会社で働く心算でいたのであろう。で、なければ野外生活には不要の電気製品などを買うことはないだろう。

驚いたことに5年間に及ぶホームレス生活のなかでも後生大事に持っていたというアダルトのDVDが大きなボストンバック一杯分もあったのである。その数100枚以上。41歳の独身ホームレスと大量のアダルトDVDの組み合わせは何となく薄気味悪い話だが、何にしても個人の趣味の問題だから他人がとやかく干渉するようなことではない。

彼は寮の中にあった他人のテレビにDVDプレーヤーを接続して久しぶりにアダルトDVDを堪能したようだ。さて、一夜が明けようとしていた5日の早朝4時ごろ、むっくり起き上がったワダちゃんは突然「こんな会社は辞めてやるっ!!」と大声で叫ぶと着の身着のままでおんぼろ自転車に乗って寮を飛び出して行ったそうだ。

それから一昼夜、何処で何をしていたのかは全く不明だが、本日、9月6日の10時ごろ寮を管理する女性が掃除をしていると、突然ワダちゃんが背後からやってきたので、女性は驚いて建物の外へ退避して、私のところへ連絡してきた。
ワダちゃんは荷物一つを持って直ぐに寮をでたが、残りの荷物を今日の午後3時に取りに戻ると言い残して行ったそうである。

ワダちゃんは新しい住処を国道150号線の橋の下に決めたとかで、新しい仕事も既に決まっていると女性に話していたそうである。

人間の生き方考え方にはそれぞれの個性があって当たり前だし、個人の考え方は尊重されなければならない。一度、乞食をやると止められないというが、ホームレスも同じことなのかもしれない。

だから、私は辞めてゆくワダちゃんにエールこそ送るが決して批難はしない。自分の生きたいように生きてゆけばそれが一番良いのである。