京都楽蜂庵日記

ミニ里山の観察記録

オランダでCOVID-19のミンクからヒトへの感染

2020年07月01日 | 環境と健康

 オランダで20年4月以降、毛皮用のミンクを飼育する17の農場で、ミンクが新型コロナウイルスに感染し、さらにミンク農場の従業員がミンクから感染した可能性が問題になっている。このために、いままでに50万匹以上が殺処分されている(資料参照)。

COVID-19感染に関しては、人が飼育している動物からの最初の例ではないだろうか。おそらく、どこかでヒトからミンクに感染し、それがゲージの中で一挙に拡大したものが、飼育員に感染した可能性が高い。ミンク間で感染している間に、強毒性の別種のウィルスに変異する可能性があり、危険な状態である。

デンマークでも、2つのミンク農場で新型コロナウイルス感染が発覚した。1つの農場では、1万1000匹が殺処分され、他の農場でも感染の有無を確かめるべく、検体を採取する予定である。ヨーロッパでは以前から、ミンク農場の飼育環境は“非人間的”であるという非難があり、毛皮産業は、段階的に廃止へされる方向にあったが、COVID-19の感染拡大が、これに拍車をかけている。

ファー( fur)・ヨーロッパ (ヨーロッパ毛皮組合)の広報担当者ミック・マドセン氏は、ミンクが新型コロナウイルスを広めているわけではないと主張し、「オランダとデンマーク以外ではバイオセキュリティー対策が機能している。ミンク農場に新型コロナウイルス拡大の責任はない。ウイルスを広めているのは人間だ」と述べているそうだ。

これは確かに、そのとうりで、立場が逆ならヒトが殺処分される運命にある。ミンクに我々が殺される道理はないように、ミンクもヒトに殺される道理は本来ないはずだ。大量にミンクを飼育し、毛皮をとって楽しもうという“非人間的”な根性がそもそもよくない。

 

参考資料ナショナルジオグラフフィツク(新型コロナウイルスが廃止早める-オランダのミンク産業)https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/20/062600384/?n_cid=nbpnng_mled_html&xadid=10005

追記1)ペットの犬や猫が感染することは、昨年3月段階で中国(香港)で報告されている。猫では実験的に感染を確かめている。陰性化は早いらし。ペットで増殖した変異ウィルスがまたヒトに伝染する可能性がある。このサイクルを遮断しないと伝播が防止できない可能性があるので、注意が必要である。日本では犬も猫もそれぞれ1000万匹がペットとして飼われ、ほとんどが屋内でヒトと濃厚接触してくらしている。 (水谷哲也「新型コロナ越入門」東京化学同人 2020)

 

追記(2020/01/16)national geo.『ゴリラが新型コロナに感染、人間以外の動物で7番目—霊長類は特に感染のリスクが高い』(2021.01.14)https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/21/011400018/?P=1霊長類にもCovid-19は感染しており、危惧されている。

 

 

 

 


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