石造利修仙人像
こがらしに 岩吹きとがる杉間かな
松尾芭蕉
日本観光地百選 鳳来寺山
天竜奥三河国定公園 鳳来寺山
鳳来寺山
5月には、仏法僧の鳴き声で全国に知られるコノハズクが飛来し、木の上ではモリアオガエルが産卵をはじめます。その他、ムササビなどのほ乳類をはじめ、陸貝や昆虫類など多種多様な生物が生息しています。
また、スギやヒノキの老樹が茂り、モミ・ツガを主とした温帯樹種とカシ類や、ヤブツバキなどの暖帯樹種が生息し、シダ類やコケ植物も豊富で全山が岩石、動植物の貴重な宝庫となっています。
千三百年の歴史と深い緑の静寂・・・
鳳来寺山ガイドマップ
たたずめば 山氣しんしんせまる
種田山頭火
芭蕉来鳳三百年
こがらしに 岩吹きとがる杉間かな
夜着ひとつ 祈出して旅寝かな
芭蕉は元禄4年(1691)閏10月23日新城在住の太田白雪に案内され、鳳来寺山に登山した。天野桃隣・各務支考、白雪の子桃先・桃後等がこれに従った。木枯らしの句は芭蕉がセバイシという所を通った時、即座に詠ぜられたという。
仁王門にさしかかった頃、芭蕉の持病が激しく痛み出した。一行はやむなく下山、麓の家根屋という宿屋に無理に頼んで泊めてもらった。この日は鳳来寺山の秋祭りで、どの家も満員だった。あたえられたその部屋は風が吹き抜け布団もお粗末だった。弟子供は夜道を奔走し、やっと山中の一寺から、夜着(掛け布団の一種)を一枚借りることが出来た。その時に作られたのが、夜着の句であった。
松尾芭蕉像