山頭火献詠
トンネルいくつ
おりたところが木の芽の雨
ここからお山のさくらまんかい
たたずめば山氣しんしんせまる
春雨の石仏みんな濡れたまふ
石だんのぼりつくして
ほつと水をいただく
人聲もなく散りしいて白椿(薬師院)
霧雨のお山は濡れてのぼる
お山しづくする真実不虚(ふこ)
山の青さ大いなる御佛おわす
水があふれて水が音たててしづか
山霧のふかくも苔の花
ずんぶりぬれてならんで石佛たちは
水が龍となる頂ちかくも
水音の千年万年ながるる
石だん一だん一だんの水の音
霽れるよりお山のてふてふ
漂泊の俳頭陀山頭火昭和十四年
四月廿ニ日当山に拝登して賦吟をだいせり
今慈五十年忌辰に値いえを録して奉納す
昭和六十三年十月十一日
三河知多山頭火の会
鳳来寺からの景色
御朱印をいただきました。