まずは京都のデイリー杯2歳S。勝ったのは、パレスマリス産駒ジャンダルマンタル。好スタートから3番手追走へ。逃げたメイショウサチダケの前半3ハロンのラップは35秒0と、稍重としては平均ペースの流れに。直線に入ると、逃げ馬の内側を通って、ジャンダルマンタルが早め先頭に立ちます。そのまま後続を突き放して2馬身差で完勝。稍重の勝ちタイムは1分34秒5。2着には、6番手から差してきたエイシンヒカリ産駒エンヤラヴフェイス、1馬身1/4差の3着には、最後方から大外を追い込んできたスワーヴリチャード産駒ナムラフッカー。
勝ったジャンダルマンタルは、デビューから2連勝で重賞初勝利。道中は口を開けたまま、力んで走る様子を見せていましたが、それでも直線は馬場の内側から鋭く伸びて、強い内容での勝利でした。これで、暮れの朝日杯FSの最有力候補に名乗りを挙げました。
2着エンヤラヴフェイスも、デビュー戦は逃げ切り勝ち、今回は中団からの差し、という柔軟なレース運びが出来るところを見せてくれました。今後も楽しみです。3着のナムラフッカーも同様にレースの上手さを見せてくれましたので、この馬も次が楽しみ。
次は府中の武蔵野S。勝ったのは、シニスターミニスター産駒の4歳牡馬ドライスタウト。5番手追走で脚を溜めます。逃げたメイショウウズマサの前半3ハロンのラップは34秒5で、ほぼ平均ペースに。直線に入ると、逃げ粘る先行馬を追いかけて、ドライスタウトが残り200mのところで抜け出して先頭に立ちます。後方からヘニーヒューズ産駒タガノビューティーが追い込んできますが、これに1馬身3/4差をつけて完勝。ダート良の勝ちタイムは1分35秒2。2着タガノビューティーから1馬身3/4差の3着には、後方から追い込んできたロードカナロア産駒レッドルゼル、クビ差の4着には2番手から粘ったケイアイシェルビー。
勝ったドライスタウトは、2歳時の全日本2歳優駿、前走のオーバルスプリントに続いて重賞3勝目。JRAダート重賞は初勝利。さすが、春のGⅠフェブラリーS4着の実績馬。チャンピオンCというよりも、来春のフェブラリーSに向けて良い勝利だったと思います。
2着タガノビューティー、3着レッドルゼルともに、こちらも流石に府中ダート巧者という内容。勝ち馬は好位から、2着3着馬は後方からの追込みではありましたが、持ち味をよく出せた感じ。どちらも、来年のフェブラリーSでの活躍が期待できる内容でありました。
そして福島記念。勝ったのは、ロードカナロア産駒の6歳牝馬ホウオウエミーズ。中団後方待機で脚を溜めます。逃げたテーオーシリウスの前半1000mのラップは59秒5と、今の福島の馬場としてはハイペースで流れる展開に。4コーナー手前からマクリ気味にホウオウエミーズが前に進出、直線に入ると早め先頭に立ちます。外からマンハッタンカフェ産駒ダンディズムが並びかけてきて競り合いになりますが、ゴール前ではホウオウエミーズがハナ差だけ前に出て勝利。良の勝ちタイムは2分0秒9。2着ダンディズムから1馬身差の3着には、後方から追い込んできたハービンジャー産駒カレンルシェルブル、3/4馬身差の4着には、4番手から粘り切ったゴールドシップ産駒ウインピクシス。
勝ったホウオウエミーズは、嬉しい重賞初勝利。重賞では惜しいレースが続いていましたが、ようやく勝ち切りました。前が流れていたので、中団後方の位置取りが功を奏した形ですが、地力の高さが活きるレースだったとも言えると思います。
1番人気の3歳牡馬シルトホルンは、2番手追走でしたから、今回のレース展開は厳しい形となりました。それでも差のない6着ですから、敗れてなお強しの内容だったと思います。次走もまた狙えます。
最後はGⅠエリザベス女王杯。勝ったのは、ロードカナロア産駒の3歳牝馬ブレイディヴェーグ。好スタートから5番手追走へ。逃げたアートハウスの前半1000mのラップは1分1秒1とスローペースに。直線に入ると、馬場の中央を通って、ブレイディヴェーグが堂々と抜け出します。その内からジャスタウェイ産駒ルージュエヴァイユが迫ってきますが、これに3/4馬身差をつけて快勝。良の勝ちタイムは2分12秒6。2着ルージュエヴァイユからクビ差の3着には、3番手からハーツクライ産駒ハーパー、さらに1/2馬身差の4着には、10番手から差してきたライラック、クビ差5着がジュラルディーナ。
勝ったブレイディヴェーグは、キャリア5戦目でGⅠを制覇。三冠牝馬リバティアイランド世代に、もう1頭のGⅠ馬が誕生しました。ローズSを勝ったマスクトディーヴァも含めて、3歳牝馬の層の厚さを見せつけてくれました。この3頭が集うレースをぜひ実現してほしいと思います。
2着ルージュエヴァイユは、これで3連続で重賞2着。ここでも地力の高さを証明しました。3着ハーパーも、牝馬三冠レースに続いて、ここでも入着ですから、安定感は抜群と言えます。
なお今回のレースは、ペースを考えると、内枠で好位置が取れた馬が有利でしたので、後方から4着に差してきたライラック、そして最後方の大外から6着まで追い込んできたサリエラの2頭は評価できる内容だったと思います。次も無視は禁物です。