★ターナー展
神戸市立博物館
ターナー(1775-1851)の作品をたっぷり観た。
今までターナーに関して持っていたイメージががらりと変わった。
なんということだと自分を恥じたくらいである。
彼が辿り着こうとした彼方へのプロセスに共感できる。
ターナーという画家の執念を感じさせてくれる展覧会だった。
公の仕事とパーソナルな実験をきっちり分けているところが呆れる。
大画面絵画でしっかりノルマをこなし、
一方で密かに絵画の実験を繰り返す。
秘密めいていて(イギリスらしい)
何処か弾けている(アバンギャルド)
まず惹きつけられたのはこれ
月の光、神秘的、上手すぎる。
●月光、ミルバンクより眺めた習作(1797年 油彩)
ところが人には見せず密かに絵画の実験を繰り返していた。
彼は秘密主義者である
《なんだぁこれ〜》
《さぁこれから絵画がはじまりますよ〜》
●にわか雨(1820〜30年頃 水彩)
「カラー・ビギニング」と呼ばれる習作群の中の一つ。
水彩とグヮッシュを使って即興性を愉しんでいる。
●三つの海景(1827年頃 油彩)
・・・一瞬マーク・ロスコかと思った。
●ヴェネツィア総督と海の結婚儀式が行われているサン・マルコ広場(1835年頃 油彩)
・・・ヴェネツィアのシリーズだが、この絵だけが特別なものに見えた。
●海に沈む夕陽(1840〜45年頃 油彩)
当時は未発表だというから、彼の中でこの作品はどう位置づけられるのか?
モネみたいな、、、、。
などなど、、、、。作品をあげればきりがない。
彼にとって光とは何なのか?
永遠、無限、絶対、そして崇高。
ターナーの光への憧れに込めた絵の具の量が半端ではない。
執念を込めた絵の具の塊。
絵画とは意味を持つ絵の具の塊である。
どっかで聴いたような言葉だなぁ。