夢と現実
家内が棚の奥にあった昔の古い写真の束を出し、にやにやしながら見ていました。そこには、いかにもいたずら好きで、腕白そうな子供が写っていました。私の小学生時代の写真です。自分にもこんな時があったのかと思う反面、当時はどんな将来を夢見ていたのか思い出しました。当時夢中に読んでいたSFや冒険小説の影響か、アフリカ探検隊の隊長になりたいと考えていました。その後、夢や目標も少しずつ現実的?なものに変わっていきましたが、いまだに、何にでも好奇心旺盛なところは変わらないようです。
日本の男子小学生が将来就きたい職業はと言うと、ダントツの30%以上が野球、サッカーなどのスポーツ選手で、2位、3位が3~4%で、‘医師、薬剤師’そして‘学校の先生’と続きます。女子の場合は、‘獣医、ペット屋さん’、‘幼稚園や保育園の先生’、‘パンやケーキ屋などの食べ物屋さん’の順で人気のようです。一方 韓国の小学生は大分様子が異なります。男子なら、医師、裁判官、弁護士、政治家(大統領?)科学者、女子ならば学校の先生、医師、芸術や芸能関係と答える子供が多いようです。子供の職業観は、やはりその社会の価値観を反映するものと考えると、日本では一般的な職業とみなされない政治家や裁判官が、韓国ではより身近で、やりがいのあるものという意識があるのでしょうか。あるいは、政治好き?と言われる韓国人・社会を証明する結果でしょうか・・・
しかし、数か月前の韓国のネットによる調査結果では、さらに変動する韓国社会の一面をみせています。韓国子供向けポータルサイト「ダウム・キッズ」のアンケートでは、将来希望する職業で、実に41.6%が歌手、8.5%がタレントを選びました。このサイトを利用する子供が特別に芸能界に関心がある母集団でないとしたら、半数以上の子供が芸能人を目指す社会ということになります。世界に向け韓流芸能を国のソフトパワーとして推進する韓国を反映した結果なのか、最も華やかな夢と感じる子供が多いのか、夢と現実のどちらからの選択なのか考えさせられます。