韓国では昔から「女性が嫌いな男たちの話題」のワースト3は第三位がサッカーの話、第二位が軍隊の話、そして第一位が軍隊でサッカーをした話というジョークがありますが、2002年ワールドカップ以降は少なくともサッカーに関しては女性の指示も増えてきているようです。(我が家では変わらずですが・・・)今回 厳しし最終予選を突破し、晴れて韓日共に来年のワールドカップブラジル大会本戦出場を決めたことは喜ばしいことですが、特に韓国チームは最後まで予断を許さないぎりぎりの戦いの末の出場権獲得でした。当初からの約束ではありましたが、本戦は予選を指揮した崔康熙(チェ・ガンヒ)監督に代わり洪明甫(ホン・ ミョンボ)監督が引き継ぐことになりました。
洪明甫(ホン・ ミョンボ)といえば、現役時代は「永遠のリベロ(サッカーでは時に攻撃にも参加する自由な守備手を意味)」と呼ばれ2002年ワールドカップでは韓国の主将として活躍した韓国サッカーを代表する人物です。引退後は指導者として確実に実績を積み、最近ではロンドンオリンピックで韓国チームを率い、初の銅メダルを獲得するなどカリスマ的人気を得ています。今回は、韓国サッカー界の窮状を救う‘切り札’という期待を一身に背負っての登板であり、かなりのプレッシャーがあるのではと察します。そんな中、洪明甫監督が自分と一緒に代表チームを指揮すスタッフには、以前から彼の戦術、ポリシー、性格を熟知した最も信頼できるコーチ陣を招聘するのは当然ですが、選手の健康管理から体調面の指導を一任する重要なフィジカルコーチとして再び参加するのが池田誠剛氏です。洪明甫監督とは、Jリーグ時代からの知り合いですが、彼が監督となり若手代表チームを率いることとなり、コーチを依頼された当時は日本のライバルでもあり、韓日の独特の関係を知る池田氏は招聘に応じるかどうか迷ったようです。しかし、韓国内でも日本人スタッフを正式コーチとして招くことへの批判がある中、情熱的に説得する洪明甫監督の熱意に参加を決意しました。ロンドン五輪の三位決定戦では、独島プラカードの問題も起こり日本で「売国奴」「非国民」の批判まで受けた彼ですが、結果的には韓日両国のサッカーの発展のためという池田氏の信念は揺るぎませんでした。
人間同士の強い信頼関係や、結びつきの前では、政治的意味や形だけの‘愛国’は小さいものに感じます。