人とインフルエンザ
今回の新型インフルエンザは、既に世界的流行の兆しがみられます。韓国でも感染者が確認され、今後2次感染の拡大を防ぐため、国を挙げた対策が進められていくでしょう。鳥インフルエンザが問題になったときは、東南アジア諸国で感染者が出たにもかかわらず、韓国国内での感染者があらわれず、キムチ乳酸菌パワーということで、注目されました。しかし、今回はそれだけでは、十分ではないでしょうね。実際 キムチの坑ウィルス作用はソウル大学研究チームで、証明されていますので、大いに食べることは否定しませんが・・・
インフルエンザはインフルエンザウィルスによって引き起こされる病気です。インフルエンザウィルスは、元々はカモなどの水鳥を宿主としていたものですが、突然変異で人間の呼吸器へ感染するようになったようです。人類とインフルエンザの歴史は古く、古代エジプト時代の記録にも既にインフルエンザに関する記録が残っています。そして、初めて世界的に大流行したのが1918年のいわゆる‘スペインかぜ’でこの時は世界で6億人が感染し、4000万人以上の死者をだしました。その後1957年の‘アジアカゼ’1968年の‘香港カゼ’1977年の‘ソ連カゼ’とほぼ10年間隔で大流行を繰り返し、その後は衛生状況の改善やワクチンや治療薬の開発で、季節的流行はあるものの大きな被害はありませんでした。しかし、近年、鳥インフルエンザの脅威がうたわれた様に、ウィルスは変異を続け、人が免疫を持たない新しいタイプへと進化し、人類とウィルスとの戦いは、終わろうとはしません。
そもそもウィルスとは何でしょう。まず、生物であるか、どうかもはっきりしません。ウィルスは他の生物が持っている細胞構造を持ちません。また、ウィルスは消化、呼吸、光合成といったエネルギーを取り込んで利用する代謝活動をしません。しかし、DNAやRNAは持ち、それ自体単独で増殖することはできませんが、他の生物に寄生することで増え続けられます。遺伝情報を持った構造物といえば一番近く、ある条件では結晶化します。そもそも生きてないから死ぬこともないといえるでしょう。生命とは何か、生きている定義まで考えさせられますね。
「他の生物に寄生しないと存続できない。」「どんどん増殖して宿主を破壊する。」人間も地球にとってはウィルスかも知れません。
人も同じく地球には寄生しているけれど、私たちは感情を持ち、確かに生きていて、いつかは死んでしまいます。
とある最近の映画のある台詞で、死にたくないなら生まれるな!というのを思い出しました。
ウィルスは、ある意味においては生まれてないも同然なのでしょうか?
いづれにしろ、その実態はまるで生きているかのごとく私たちを脅威にさらし、猛威をふるうのです。
ウィルスが人に寄生して人間を死に至らしめることもあること、それは人が地球に依存し、まるで寄生し地球を破壊してしまうことに似ているのですね。
けれど、私は、そもそも生とは何か?ということについてしばし考えさせられたことでした。