スマートホンの画面を見ながら歩く、いわゆる「歩きスマホ」族の増殖は日々実感せざるを得ません。特に駅校内や周辺では、若者を中心に半数以上が片手スマホスタイルでやや下向きで行進しているようです。その上最近は両耳にはイヤフォン装着という完全武装も少なくないですから、同じ空間、時間には存在しても個々が別世界にいる感覚でしょうか。歩きながらドラマ、映画などの動画を見るのは論外としても、「歩きスマホ」族の皆さんはいったい移動中に何を見ているのかは気になるところです。メールマーケティングサービスを提供するLifemediaという会社が行った調査によると女性は「メールチェックと返信」「LINEなどでのチャット」男性は「マップアプリでの目的地案内」「ニュースチェック」が上位でした。目的地案内は歩行中の事とはいえ、時折の確認チェックでもよいでしょうし、その他はどうしても必要なものではなさそうですね。
周囲を見ずに歩くことは、狭い空間では当然マナー違反ではあり、不快に感じている人は少なくないと思います。しかし問題は事故、なかには死亡例まで発生しており、さらに年々増加しているということです。これは勿論日本だけではなく、世界中で起きているもので、スマホ普及率が90%近い韓国では、スマホ使用に関連する交通事故も数年で倍増しており、法的に規制すべきという声も高まっています。実際米国の幾つかの州では歩行中のメール操作に罰金を課しました。「歩きスマホ」「ながらスマホ」に対する対策として、今のところ日本や韓国では基本的にマナーに訴えるキャンペーンを展開していく方向ですが、国ごとに様々なアイデアが試みられています。「使うのは仕方ない、先ずはぶつからなくしよう」と言うのが欧米式合理性なのか、スマホ画面を見ながらも前方を確認できるミラー付きカメラを開発したベンチャー企業がありました。またワシントンDCの一部で スマホ使用可専用のレーンを試験的に準備しましたが、標識はあってもスマホ画面に夢中で誰も気づかず結果は今一つのようです。またロンドンではぶつかっても怪我をしないよう電柱にクッションを巻いたセイフティゾーンを設けたりと、もう幼稚園並みの扱いです。
結局「見るなら歩くな、歩くなら見るな」「目の前の現実を見る」私はこれに限ると考えますが、腕時計型に眼鏡型、さらに指輪、帽子、シャツ、ズボン、靴型などウェアラブル端末が目白押しの未来。人間は便利になるほど不自由な選択をしているのかも知れません。
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