辛淑玉さんが司会を務める番組「痛快!おんな組」(朝日ニュースター)で、沖縄特集が放送されますので紹介します。ケーブルテレビやスカイパーフェクトTVで見られます。
4月の放送では私も出演する予定です。今回は沖縄で教科書検定問題や基地問題、人権問題などに取り組んでいる女性たちが発言しています。ぜひご覧ください。
「痛快!おんな組」(テーマ : おんなと沖縄の今)の放送日時
初出し 3月15日(土) 22時05分~23時55分
リピート 3月16日(日) 3時05分~4時55分
3月16日(日) 18時05分~19時55分
3月17日(月) 14時05分~15時55分
3月18日(火) 2時05分~3時55分
3月21日(金) 2時05分~3時55分
昨日は東京大空襲から63年目の日ということで、TBSでやっていた「3月10日・東京大空襲語られなかった33枚の真実」という番組を見た。一晩で十万人以上が亡くなったといわれる大空襲は、軍需製品を生産する下町の工場を破壊するだけでなく、民間人を大量殺戮することで市民の厭戦気分を醸成する狙いもあっただろう。木造住宅が密集する地域を焼夷弾で焼き払うというのは、計算し尽くされたジェノサイドであり、原子爆弾投下と同じ戦争犯罪以外の何ものでもない。
先だって大岡昇平の『ながい旅』(新潮社)を読んだ。撃墜したB29の搭乗員を殺害したということでB級戦犯として裁かれた日本軍将兵の裁判記録と、絞首刑となった岡田資中将の人柄を描いた作品である。
横浜の連合軍軍事裁判所で行われた裁判で弁護側は、B29による名古屋、神戸の空襲が軍事工場のない民間の住宅地域を標的に行われ、国際法に違反していた。搭乗員は戦争犯罪を犯したのであり、それを日本の軍律で裁いたのは正当だった、という論を展開する。最終的に被告たちは有罪となったが、米軍が行った無差別爆撃の実態も法廷では明らかになった。
戦犯法廷は勝者が敗者を裁く場であり、勝者の犯した戦争犯罪は追及されない。日本各地の都市を焼き払った米軍の空襲が戦争犯罪として裁かれなかったことが、そのあとのベトナムやアフガニスタン、イラクでの米軍の軍事行動にもつながっているだろう。
米軍の無差別攻撃の実態は、沖縄戦においてももっと検証される必要がある。十・十空襲の那覇の被害を見ただけでも、港湾や飛行場などの軍事施設以外に、住宅地域も大規模に破壊されている。空爆や艦砲射撃による住民の被害にしても、米軍の戦争犯罪という視点から問題が問われるべきだろう。米軍の非をあげつらうことで、日本軍の「名誉回復」を図ろうとする藤岡信勝氏らの主張は論外だが、沖縄の住民にとって米軍も日本軍も死をもたらす暴力装置でしかなかった実態を浮き彫りにしていくことが大切である。沖縄に住む者が自らを守るためには何が必要かを考える上でも。
4月の放送では私も出演する予定です。今回は沖縄で教科書検定問題や基地問題、人権問題などに取り組んでいる女性たちが発言しています。ぜひご覧ください。
「痛快!おんな組」(テーマ : おんなと沖縄の今)の放送日時
初出し 3月15日(土) 22時05分~23時55分
リピート 3月16日(日) 3時05分~4時55分
3月16日(日) 18時05分~19時55分
3月17日(月) 14時05分~15時55分
3月18日(火) 2時05分~3時55分
3月21日(金) 2時05分~3時55分
昨日は東京大空襲から63年目の日ということで、TBSでやっていた「3月10日・東京大空襲語られなかった33枚の真実」という番組を見た。一晩で十万人以上が亡くなったといわれる大空襲は、軍需製品を生産する下町の工場を破壊するだけでなく、民間人を大量殺戮することで市民の厭戦気分を醸成する狙いもあっただろう。木造住宅が密集する地域を焼夷弾で焼き払うというのは、計算し尽くされたジェノサイドであり、原子爆弾投下と同じ戦争犯罪以外の何ものでもない。
先だって大岡昇平の『ながい旅』(新潮社)を読んだ。撃墜したB29の搭乗員を殺害したということでB級戦犯として裁かれた日本軍将兵の裁判記録と、絞首刑となった岡田資中将の人柄を描いた作品である。
横浜の連合軍軍事裁判所で行われた裁判で弁護側は、B29による名古屋、神戸の空襲が軍事工場のない民間の住宅地域を標的に行われ、国際法に違反していた。搭乗員は戦争犯罪を犯したのであり、それを日本の軍律で裁いたのは正当だった、という論を展開する。最終的に被告たちは有罪となったが、米軍が行った無差別爆撃の実態も法廷では明らかになった。
戦犯法廷は勝者が敗者を裁く場であり、勝者の犯した戦争犯罪は追及されない。日本各地の都市を焼き払った米軍の空襲が戦争犯罪として裁かれなかったことが、そのあとのベトナムやアフガニスタン、イラクでの米軍の軍事行動にもつながっているだろう。
米軍の無差別攻撃の実態は、沖縄戦においてももっと検証される必要がある。十・十空襲の那覇の被害を見ただけでも、港湾や飛行場などの軍事施設以外に、住宅地域も大規模に破壊されている。空爆や艦砲射撃による住民の被害にしても、米軍の戦争犯罪という視点から問題が問われるべきだろう。米軍の非をあげつらうことで、日本軍の「名誉回復」を図ろうとする藤岡信勝氏らの主張は論外だが、沖縄の住民にとって米軍も日本軍も死をもたらす暴力装置でしかなかった実態を浮き彫りにしていくことが大切である。沖縄に住む者が自らを守るためには何が必要かを考える上でも。