海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

ヤンバルの将来のために

2025-01-19 15:03:40 | 生活

 18日(土)は午前中、今帰仁村社会福祉協議会で「新春 ふれあいもちつき大会」が行われ、賑わっていた。

 フードバンクに1品持ち寄り運動というのが行われていたので、お歳暮でもらった飲み物を持っていった。

 私が中学校に通っていた50年前、今帰仁村には今帰仁中学校、兼次中学校、湧川中学校、古宇利中学校の4校の中学校があった。

 生徒数の減少により、現在は1校に統合され、別の場所に新しい今帰仁中学校が作られている。

 50年前の風景を残しているのは、ナンキンハゼと体育館くらいになった。

 体育館は以前、近くの酒造所が倉庫に使っていたが、老朽化が進んでいて入口はシャッターが下りていた。

 敷地内は古い校舎が社会福祉協議会の施設となり、村営住宅や保育園、図書館などが新しく造られている。

 変わらないのは乙羽岳の眺めくらいだ。

 沖縄の人口が増えたといっても、沖縄島の中南部に集中し、北部地域(ヤンバル)や離島では過疎化が進んでいる。

 辺野古新基地建設は人口が少ない北部地域、その中でもさらに過疎化が進む東海岸に海兵隊基地を集中させるものだ。

 ヤンバル地域にとってそれは基地被害の拡大をもたらし、過疎化の進行を進めることになる。

 基地が利益をもたらすなら、全国の過疎地域が誘致の声をあげるだろう。しかし、そんな声はどこにもない。

 被害をもたらす嫌なものは、人口が少ない弱い地域に押しつけておけ。その上でそこを無関心領域にすればいい。

 それが自公政権がやっていることであり、日本人の大多数もそれに同調してきた。

 敗戦から80年、そういう差別と欺瞞を積み重ねてきたのだ、日本という国は。

 ヤンバルの将来を考え、子どもたちの将来を考えるなら、沖縄に犠牲を強要し続ける国策を許してはならない。

 


この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« チェコの雑誌が沖縄の文学を紹介 | トップ | 海上行動/大浦湾のサンドコ... »
最新の画像もっと見る

生活」カテゴリの最新記事