昨日、今日と沖縄のメディアは米海兵隊員による20代の女性に対する性暴力事件について報じている。
事件は昨年の11月に沖縄島中部の観光地の建物内で起こったという。米兵が書類送検されてやっと県警から情報が提供され、メディアで報じられた。
昨年12月22日に沖縄市民会館で、米兵の性暴力事件に対する県民大会が開かれたが、その前にすでに新たな事件が発生していたわけだ。
沖縄になぜ米軍基地が集中しているか。もし米軍基地が全国各地にあると、事件や事故に対する反発が全国に拡大し、米軍基地に対する反対運動も全国的なものになる。
そうさせないために、米軍基地を沖縄に集中させ、沖縄の住民が米軍の犯罪・事故にどれだけ苦しみ、声をあげようと、沖縄内に封じ込めて、全国的な関心を呼ばないようにしているのだ。
日本(ヤマトゥ)のマスメディアも「沖縄問題」として扱い、他人事のように小さく報じるだけだ。
既存メディアを「オールドメディア」呼ばわりするネット住民も似たようなもので、やれ兵庫県知事選挙だ、中居正広問題だと、再生回数を稼げる話題に飛びつくだけで、米軍基地問題を自分事として取り上げようとはしない。
沖縄戦の渦中から今に至るまでの80年間、どれだけの沖縄住民が米兵に殺され、強姦され、傷つけられてきたか。
日米安保条約が大事だと言いながら、自らは米軍基地の負担を担おうとせず、危険な米軍基地は沖縄に押しつけ、その上でネットでは反対運動にヘイトデマをまき散らす。
そうやって自分たちの虫のいい欺瞞から目をそらす日本人(ヤマトゥンチュー)もいる。
だが、戦争は軍隊だけではできない。住民が戦時下で軍隊に協力し、多様な形で支えて初めて米軍や自衛隊も戦えるのだ。
これだけ軍事基地がもたらす犯罪と事故に苦しめられ、犠牲にさらされてきた沖縄の住民が、米軍や自衛隊に協力して、日本「本土」を守るために力を尽くすと思うか?バカバカしい。「南西シフト」など砂上の楼閣にすぎない。
沖縄の住民は日本「本土」の平和と安全を守るために米軍に捧げられた生贄か?