goo blog サービス終了のお知らせ 

海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

テニアン/アギーガン島

2009-08-28 14:57:57 | 2009年 南洋群島慰霊墓参団
 翌日は午前中自由行動だったので、ホテル近くのタガビーチを散歩した。少し離れた浜辺で泳いでいる観光客は4、5名で、散歩をしている人も少なく、いたって静かな海岸で海を眺め、木麻黄の木陰で旅の間にとったメモを整理した。
 沖に見えるアギーガン(アグイガン)島は現在は無人島で、ウチナンチューが持ち込んだヤギが繁殖し、ゴートアイランドと呼ばれているという。テニアンの人たちもピージャージョーグー(ヤギ料理好き)らしく、島に渡って捕ってきて食べているとのこと。刺身にして食べるのかどうかは聞いてない。
 戦前は仕事を終えたウチナンチューたちが、泡盛を飲みながらピージャーを食べ、サンシンを弾いていたのだろう。暑さにまいったときはクンチグスイ(精力剤)にもなる。そういえばかつて沖縄では、選挙になるとピージャーは受難の時を迎えたのだが、今では公職選挙法も厳しくなり、もう昔話になってしまったようだ(シマの隅っこではやっているのかもしれないが)。
 集落の様子や山の眺めと同じように、浜辺から見る島の姿も原風景となる。『記念誌 はるかなるテニアン』にもアギーガン島の写真が載っている。島に住んでいた人はもとより、島を眺めて暮らした人たちにも、島の姿は懐かしい風景だろう。
 海岸段丘のある平たい島を見ていて、私は今帰仁のピージャーガーやウッパマから眺めた古宇利島を思い出した。

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 資料:環境アセス「準備書」... | トップ | 久辺3区下水処理施設問題 »
最新の画像もっと見る

2009年 南洋群島慰霊墓参団」カテゴリの最新記事