昨日の反住基ネット沖縄による沖縄市長と市議会への要請文を紹介したい。
被害者が連れ去られたミュージックタウンは沖縄市の胡屋十字路にあり、そこから嘉手納基地のゲートに向かう通りには横文字の店が並んでいる。90年代半ばにコザに住んでいた頃よく通りを歩いたが、夜になると米兵で賑わうのは今も変わりない。事件が起こってから米兵が外出禁止になったり、客足が遠のいているということで商工会からは「防犯(監視)カメラ」の設置が要請されているという。しかし、そんな弥縫策で米兵による事件が防げるわけがない。カメラが抑止効果を果たしたとしても、事件の発生場所がカメラのない場所に移るだけのことだ。
今でもコザと呼ばれる街が持つアメリカナイズされた猥雑さを「魅力」としてとらえることもできるのだろう。ただ、別の視点から見れば、それは悲しい植民地の風景ではないか。戦後63年も目の前にあることで米軍基地の存在になれきってしまい、精神まで植民地化されてはならない。自分たちの街・島をどうして米兵を恐れて監視カメラで守ってもらわないといけないのか。沖縄の平和と安全を守るためにいると言い、「よき隣人」を自称する米軍にどうしてウチナンチューがそこまで気を遣い、卑屈にならないといけないのだ。
2008年3月17日
沖縄市長 東門美津子殿
住基ネットに反対する市民ネットワーク沖縄
代表世話人 上江洲由美子
[ 米兵による性暴力事件の再発防止策についての要請 ]
貴職におかれましては、日々13万市民の安全と人権を守るため奮闘されていることに敬意を表します。
2月10日、在沖米海兵隊所属の二等軍曹が、被害者を連れ去り暴行するという痛ましい事件に対する怒りの声が、全県、全国に広がりつつあります。しかしながら、告訴取り下げによって加害者の米兵は釈放されてしまいました。
被害者は、心ない一部マスメディアの「自己責任」を問う報道などにより耐え難い苦痛を強いられ、告訴取り下げに追い込まれたに違いありません。社会が被害者を支えていく態勢を十分つくることができなかったことが悔やまれてなりません。心から憤りを覚えます。1995年の米兵による性暴力事件は、今なお私たち沖縄県民の脳裏から消え去ることはありません。事件が起こるたびに米軍司令官や関係者は何度となく「綱紀粛正」を表明しました。しかしながら米兵による事件事故は後を絶ちません。アフガニスタンやイラクへの出撃、訓練基地として日々戦闘訓練が行なわれている沖縄の米軍基地。人殺しの訓練をしている米兵に「綱紀粛正」「教育の徹底」といっても何の意味も持ちません。
日本政府は、再発防止策として主要な場所への「防犯カメラ」の設置や米軍と警察の合同パトロールの実施を挙げています。これまでも沖縄市中の町の公園や通りに「スーパー防犯灯」が設置され、また被害者が連れ去られた建物には「防犯カメラ」が48基も設置されています。カメラは必ずしも犯罪防止に効果を上げているとはいえません。さらに基地周辺や市民の憩いの場所に「防犯カメラ」(監視カメラ)を設置することになれば、市民のプライバシー侵害だけでなく、息苦しい街になるのではないでしょうか。また、反戦、反基地運動を取り組む人々をも監視することになると識者は懸念しています。監視社会に反対してきた「住基ネットに反対する市民ネットワーク沖縄」は、人権と市民の活動の自由を犯す恐れがある「防犯カメラ」の設置には強い疑念を抱かざるを得ません。犯罪の温床となっている軍事基地そのものをなくさない限り、事件事故はなくならないと考えるからです。
貴市におかれましては、市民のプライバシーを侵害し、監視社会を招くおそれのある「防犯カメラ」の設置を受け容れないよう要請いたします。
2008年3月17日
沖縄市議会議長 喜友名 朝清殿
住基ネットに反対する市民ネットワーク沖縄
代表世話人 上江洲由美子
[ 「防犯(監視)カメラ」問題についての要請 ]
貴職におかれましては、日々13万市民の安全と人権を守るために奮闘されていることに敬意を表します。
2月10日に発生した在沖米海兵隊員による性暴力事件、その後も後を絶たない米兵の不祥事件に、心から憤りを覚えるとともに、このような事件の再発を許してはならないと強く思います。
私たち「住基ネットに反対する市民ネットワーク沖縄」(以下「反住基ネット沖縄」)は、1999年成立した「改正住基ネット台帳法」に基づいてすべての国民に11桁の番号をつけた住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)が「国民総背番号」として機能し、国によって国民の個人情報が一元管理され、国民管理・監視に使われることに反対するとともに、戦前・戦中のような監視社会を招来させないよう運動を展開しています。
さて、今回の米兵による性暴力事件の再発防止策として、町村官房長官は、市内の主要な道路、場所に「防犯カメラ」の設置を表明しています。マスコミによると、市民の間に賛否の意見があると報道されています。「防犯カメラ」は、米兵だけでなく、県民、市民の区別なく画像を撮影し、記録保存するものであり、「監視カメラ」としての役割も持っています。
専門家や学者は「防犯カメラ」は犯罪防止ではなく事件事故の捜査につかわれ、関係のない市民の基本的人権、プライバシー権を侵害する恐れが大きいと指摘しています。今回の米兵事件で被害者が連れ去られた施設には、48基の「防犯カメラ」が設置されています。私たちは、市民がのびのびと憩える街づくりのためには、「防犯カメラ」の設置は、ふさわしくないと考えます。反住基ネット沖縄は、市民のプライバシーを侵害し、監視社会を招くおそれのある「防犯カメラ」の設置には賛成できません。
市民の間に賛否の意見があるなか、貴議会におかれましては、公開で多くの市民が参加し議論する場を設けるなど慎重に対応していただくよう要請いたします。
被害者が連れ去られたミュージックタウンは沖縄市の胡屋十字路にあり、そこから嘉手納基地のゲートに向かう通りには横文字の店が並んでいる。90年代半ばにコザに住んでいた頃よく通りを歩いたが、夜になると米兵で賑わうのは今も変わりない。事件が起こってから米兵が外出禁止になったり、客足が遠のいているということで商工会からは「防犯(監視)カメラ」の設置が要請されているという。しかし、そんな弥縫策で米兵による事件が防げるわけがない。カメラが抑止効果を果たしたとしても、事件の発生場所がカメラのない場所に移るだけのことだ。
今でもコザと呼ばれる街が持つアメリカナイズされた猥雑さを「魅力」としてとらえることもできるのだろう。ただ、別の視点から見れば、それは悲しい植民地の風景ではないか。戦後63年も目の前にあることで米軍基地の存在になれきってしまい、精神まで植民地化されてはならない。自分たちの街・島をどうして米兵を恐れて監視カメラで守ってもらわないといけないのか。沖縄の平和と安全を守るためにいると言い、「よき隣人」を自称する米軍にどうしてウチナンチューがそこまで気を遣い、卑屈にならないといけないのだ。
2008年3月17日
沖縄市長 東門美津子殿
住基ネットに反対する市民ネットワーク沖縄
代表世話人 上江洲由美子
[ 米兵による性暴力事件の再発防止策についての要請 ]
貴職におかれましては、日々13万市民の安全と人権を守るため奮闘されていることに敬意を表します。
2月10日、在沖米海兵隊所属の二等軍曹が、被害者を連れ去り暴行するという痛ましい事件に対する怒りの声が、全県、全国に広がりつつあります。しかしながら、告訴取り下げによって加害者の米兵は釈放されてしまいました。
被害者は、心ない一部マスメディアの「自己責任」を問う報道などにより耐え難い苦痛を強いられ、告訴取り下げに追い込まれたに違いありません。社会が被害者を支えていく態勢を十分つくることができなかったことが悔やまれてなりません。心から憤りを覚えます。1995年の米兵による性暴力事件は、今なお私たち沖縄県民の脳裏から消え去ることはありません。事件が起こるたびに米軍司令官や関係者は何度となく「綱紀粛正」を表明しました。しかしながら米兵による事件事故は後を絶ちません。アフガニスタンやイラクへの出撃、訓練基地として日々戦闘訓練が行なわれている沖縄の米軍基地。人殺しの訓練をしている米兵に「綱紀粛正」「教育の徹底」といっても何の意味も持ちません。
日本政府は、再発防止策として主要な場所への「防犯カメラ」の設置や米軍と警察の合同パトロールの実施を挙げています。これまでも沖縄市中の町の公園や通りに「スーパー防犯灯」が設置され、また被害者が連れ去られた建物には「防犯カメラ」が48基も設置されています。カメラは必ずしも犯罪防止に効果を上げているとはいえません。さらに基地周辺や市民の憩いの場所に「防犯カメラ」(監視カメラ)を設置することになれば、市民のプライバシー侵害だけでなく、息苦しい街になるのではないでしょうか。また、反戦、反基地運動を取り組む人々をも監視することになると識者は懸念しています。監視社会に反対してきた「住基ネットに反対する市民ネットワーク沖縄」は、人権と市民の活動の自由を犯す恐れがある「防犯カメラ」の設置には強い疑念を抱かざるを得ません。犯罪の温床となっている軍事基地そのものをなくさない限り、事件事故はなくならないと考えるからです。
貴市におかれましては、市民のプライバシーを侵害し、監視社会を招くおそれのある「防犯カメラ」の設置を受け容れないよう要請いたします。
2008年3月17日
沖縄市議会議長 喜友名 朝清殿
住基ネットに反対する市民ネットワーク沖縄
代表世話人 上江洲由美子
[ 「防犯(監視)カメラ」問題についての要請 ]
貴職におかれましては、日々13万市民の安全と人権を守るために奮闘されていることに敬意を表します。
2月10日に発生した在沖米海兵隊員による性暴力事件、その後も後を絶たない米兵の不祥事件に、心から憤りを覚えるとともに、このような事件の再発を許してはならないと強く思います。
私たち「住基ネットに反対する市民ネットワーク沖縄」(以下「反住基ネット沖縄」)は、1999年成立した「改正住基ネット台帳法」に基づいてすべての国民に11桁の番号をつけた住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)が「国民総背番号」として機能し、国によって国民の個人情報が一元管理され、国民管理・監視に使われることに反対するとともに、戦前・戦中のような監視社会を招来させないよう運動を展開しています。
さて、今回の米兵による性暴力事件の再発防止策として、町村官房長官は、市内の主要な道路、場所に「防犯カメラ」の設置を表明しています。マスコミによると、市民の間に賛否の意見があると報道されています。「防犯カメラ」は、米兵だけでなく、県民、市民の区別なく画像を撮影し、記録保存するものであり、「監視カメラ」としての役割も持っています。
専門家や学者は「防犯カメラ」は犯罪防止ではなく事件事故の捜査につかわれ、関係のない市民の基本的人権、プライバシー権を侵害する恐れが大きいと指摘しています。今回の米兵事件で被害者が連れ去られた施設には、48基の「防犯カメラ」が設置されています。私たちは、市民がのびのびと憩える街づくりのためには、「防犯カメラ」の設置は、ふさわしくないと考えます。反住基ネット沖縄は、市民のプライバシーを侵害し、監視社会を招くおそれのある「防犯カメラ」の設置には賛成できません。
市民の間に賛否の意見があるなか、貴議会におかれましては、公開で多くの市民が参加し議論する場を設けるなど慎重に対応していただくよう要請いたします。