NHKに「ふだん着の温泉」という番組がある。
オープニングとエンディングを飾る主題歌を歌う吉幾三さんの歌声がなんともいえない。歌声とナレーション、そして何より登場する温泉が、番組タイトル通りで一気にその場所に引き込まれるのだ。
佐久平にもその番組に取り上げられた温泉がある。
御代田町にある大谷地鉱泉だ。
数ある全国の温泉の中、番組に取り上げられるだけにその佇まいは他に引けをとらない。PPつながり信州5号さんの所では何度か登場していて、最近新しくなった写真を見ていた。あのわらぶき屋根は健在だろうか、そして何よりスバル360はあるだろうかと心配しながら、久しぶりに訪れると写真に収めたように変わりなく健在だった。
真新しい玄関、今度は番台がある。おばちゃんに挨拶してお金を払う。ここは温泉銭湯だ。浴槽には先客がいた。常連と思しきおじいさんに、こんにちはと挨拶をする。これが日帰り温泉との違いだ。ゆっくりと湯船に足を入れ、大きく深呼吸して深いため息をつく。
あ゛~~ 思わず出てしまう。
次々に常連客が入ってきた。その地元ならではの話題を聞きながら長湯をした。風呂から上がってもいつまでも足先まで温かい。
おばちゃんにお別れを言って、外へ出ると西へ傾いたお日様が赤みを帯びた光を放ち始めた。その中を心地よい秋の風が吹く。少しのぼせた頭を冷やした。
ふだん着の温泉 その名前がまさにぴったりな温泉だ。
番組HPより引用
「ふだん着の温泉」主題歌
「旅の途中で・・・」 吉 幾三
作詞、作曲、歌は、東北出身の吉幾三さんで、東北の温もりを伝える「出会い」がテーマとなっています。
作詞、作曲、歌は、東北出身の吉幾三さんで、東北の温もりを伝える「出会い」がテーマとなっています。
この番組を見てこの歌が流れると、数十年前によく行った一人旅を思い出す。そしてまた一人旅の自分を妄想するのです。
PP月例TBフォト企画(14) 『歌に寄せて』 にTB