紙魚子の小部屋 パート1

節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物のあれこれ、家族漫才を、ほぼ毎日書いています。

詩に開眼

2006-02-23 21:24:14 | 読書

 国語の教科書以外で詩を読む様になったのは、大学の英文講読の時間からだった。
 
 T・S・エリオットやワーズワースを訳しながら、うっとりと詩の中の世界に没入するロマンティストな先生につられて、初めて詩の魅力に触れることができた。その授業の夏休みの宿題は「茨木のり子の『詩のこころを読む』(岩波ジュニア新書)を読んできなさい」というものだった。ふつうなら読んだ感想なりのレポート提出となるのに、ただ「読んで来なさい」。それだけだった。

 レポートの課題がなくても、私は『詩のこころを読む』をゆっくりと、じっくりと読んだ。そしてその中にある気に入った詩の作者の詩集も探して読んだ。詩の入門書として、掛け値無しに素晴らしい本だった。

 それでどんどん詩を読んだかというと、そんな訳でもなかった。が、先生の影響でエリオット詩集を買い、先輩に教えってもらった吉原幸子さんにのめり込み、金子光晴さんや谷川俊太郎さんを僅かにかじり、卒業後に永瀬清子さんと工藤直子さんの詩集を買った。って、どんどん読んでるやん!

 数年前には石垣りんさんの彼女が好きな詩を集めたアンソロジー『詩の中の風景』(婦人之友社)を読んで久々に詩を味わった。彼女の感想やその詩に対する想いも綴ってある。意外に「笑える」詩もあって、ますます彼女が好きになった。

 しかし永瀬清子さんも吉原幸子さんも石垣りんさんも、そしてつい先日、茨木のり子さんも亡くなってしまった。ナンシー関さんから始まり、まるで、とても今の日本には生きていられない、とでも云う風な人達が最近お亡くなりになっているような気がしてならない。思い過ごしだと判りつつも。好きな人たちと、例え会う事はなくても、同じ空気を呼吸しているというだけで、心強いものだということを今また再確認した。

 昨日、ご冥福をお祈りしつつ『茨木のり子コーナー』を図書室の一角につくってみた。月曜日から毎日、各新聞紙上には、心から彼女の死を悼み悲しむ人達の文章が載っています。


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