紙魚子の小部屋 パート1

節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物のあれこれ、家族漫才を、ほぼ毎日書いています。

万物は流転する

2006-12-13 21:26:57 | ノンジャンル
 ついに2ラウンド目に突入した。去年の12月13日にこのブログがスタートして丸一年がたった。
しかし先頃10000アクセス突破で、すでにお祭り騒ぎ!?をしてしまったので、本日は静かに哲学的論考をして、2ラウンド目の最初の夜を過ごそうと思う。

 最近の夜のお仕事(=湯たんぽのお湯を用意する~湯たんぽをお布団に入れる事)が終了して、ほっと一息つきながら、まだいくつもある今日の仕事(PTA関係)のことを呆然と考えている時、突如、遥かなる記憶が甦って来た。

「万物は流転する」

 そんな言葉、聞いた覚えがあるなあ。それが何だったのかも、だれが言った言葉なのかも思い出せなかったので、ちょこっと調べてみた。古代哲学史に登場するギリシア人の哲学者ヘラクレイトス(紀元前540≠S80?年)の言葉だった。

 そうそう、大学の哲学史の講義で聞いたんだっけ。彼以前の哲学者は「万物は○○からできている」という風に、モノの起源を追求していたが、ヘラクレイトスはすべてが変化していくと明言したのだ。

 彼の思想は、弁証法的思考を説いたヘーゲルに高く評価され、ニーチェの超人思想にまで影響をあたえた(らしい。西洋哲学史のWebの頁を丸写ししているので、書いてても全然意味がわからない~)

 しかし私が「万物は流転する」のを実感したのは、大学を卒業して随分月日が流れた後の、結婚後である。
 
 画家パウル・クレーにはまり込んだ20代半ば、「クレーの日記」を購入し、50pほど読んだ。そのまま中途退場のまま結婚し、もう読む事はないだろうと処分を決め、地元の図書室に寄贈した。他に山尾悠子の「仮面物語」や辻征夫の詩集なども差し上げている。
 ところが別の所から「クレーの日記」が舞い込んで来て、なんだかしっくりと家の本棚になじんでいるので、もうどこにも手放さない。流転して、戻って来るものもあるのだ。

 夫・H氏は、訪問者に「これ、ええな~」と言われると、すぐにあげてしまうので、手堅い子ども達の顰蹙(ひんしゅく)を買っている。レコードなんかも気前よくあげてしまうので、(そしてそれを失念することも)「あれー、あのレコードないけど・・・こないだ、あげてしもたんやろか~」とあとあと嘆き悲しむ事も、しばしばである。 
 もっとも「でも、よろこんでくれはったし・・・」と生まれたての子馬のように、よろよろと思い直し、寂しい目をしつつも、自分を一生懸命元気づけようとするのが、たいへん健気である。

 彼がいうには、「なんらかの形で戻ってくるから」。おばあちゃん(彼にとっては母親)譲りの持論である。そうだね、昔の哲学者も、きっぱり言ってるもんね。「万物は流転する」って。

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