
スピッツのコンサートに10万人を超える人が来て、私の講演会に100人足らずの人しか集まらないのはなぜだろうか。
しかも、スピッツは有料で、私のほうは無料だというのに。
ずっとこのことを不思議に思っていた。
お金の問題ではないのだろう。
あるとき気が付いたことがある。
そうだ、身代わりなのだ。
人は自分にできないことを、誰かに求める。
誰かが自分の代わりに相手を打ち負かしてくれるのなら、その人のためにいくばくかのお金を払う。
きっとそうなのだ。
スピッツは、ファンに音楽という熱狂を与える。
その対価として、お客は入場料を払うしCDを買う。
スポーツでもそうだ。
走りの遅い人は、走りの早い人を応援する。
野球の強打者は、ここぞと思う時に登場して、ファンの心を魅了する。
宗教でも、犠牲は多くの信者を獲得してきた。
与える人と、与えられる人。
両者が共鳴すれば、時として巨大なアイドルが誕生する。
一般に得難い身代わりであればあるほど、この共鳴の度合いは大きくなる。
これを逆手に取れば、より多くのお客さんを呼ぶことができるのだろうか。
ひとつ問題がある。
それは身代わりをする人の素材なり能力の問題だ。
60過ぎのおじさんでは無理なのだろうな。
私に唯一できることは、多くの人の代わりに琵琶湖を見守ることだけだ。
くじけずに頑張ろう。
