DALAI_KUMA

いかに楽しく人生を過ごすか、これが生きるうえで、もっとも大切なことです。ただし、人に迷惑をかけないこと。

生きる(74)

2015-07-26 05:57:12 | ButsuButsu


夏の日、琵琶湖の湖上学習会を開いた。

子供たちはみんな元気だ。

年々、参加者が増えて楽しい催しとなってきた。

この取り組みをできる限り続けたいと思っている。

この子供たちは、明日の日本を支える梵天の民だから。

1860年、万延元年の訪米使節が乗った咸臨丸がアメリカに着いた。

サンフランシスコから、パナマ鉄道で東海岸へ着いた一行が、ニューヨークでパレードに参加した。

そのときの様子を見ていた一人の詩人がいた。

ウォルト・ホイットマン(1819年~1892年)だ。

彼は、"The Errand-Bearers (使命を帯びた者たち)"という詩を、同年6月27日付の 「ニューヨーク・タイムズ」新聞に投稿した。

その詩はのちに構成を変えられ、"A Broadway Pageant"と改題された。

「西の洋をわたって、ニフォン国より此方へとやってきた、礼儀ただしい、頬の浅黒い、二刀差の使節たち(W・ホイットマン詩集『草の葉』より)」

で始まる詩の中に、

「The race of Brahma comes」

とある。

小説家、香川宣子は、これを梵天(ぼんてん)の民と訳した。

君臣が互いに親しみ合うことを意味する咸臨丸には、勝海舟、木村摂津守、福澤諭吉、通訳の中浜万次郎(ジョン万次郎)などが乗船していた。

彼らの堂々とした行進が、ホイットマンの心に響いたのだろう。

「この何世紀ものあいだは、そんなふうに着実に歩んでこられたのか?

知らざれるままずっと?

それは君のためにか、理由のゆえにか?

かれらは正義にのっとった人らである。

かれらは業績をほこる。

かれらはいまより他方に向かって君たちの方へ旅立つだろう」

梵天の民の子孫である今の子供たちが、傷つくことなく、平和に、そして信念と誇りをもって育ってほしいと思う。