東京で勤務する研究所で、新しい水中ロボットの試験があった。
「ほばりん」と呼ぶのだそうだ。
まだよちよち泳ぎだが、これがやがて2000mの深さまで潜水するのかと思うと、「ガンバレ」と応援したくなる。
一般にこの種の自律型水中ロボット(AUVと呼ぶ)は、ハードが完成しても、利用できるようになるまでに長い時間がかかる。
まず、オペレーターがメカに慣れる必要がある。
作るときには多くの部品を組み立てるわけだが、全てを確かめているわけではない。
部品メーカーの説明書にしたがって組み上げるのだ。
したがって、定格通りに作動するかは、実際に動かしてみないとわからない。
ましてや、2000mの深さで作業をするわけである。
予期できないことがたくさんある。
好奇心と忍耐力のない人は、操作できない。
「ほばりん」のソフトを担当しているOさんは、私たちが2000年に開発した「淡探(たんたん)」のオペレーターだったTさんによく似ている。
どちらもポッチャリ系で、何事にもゆったりとしている。
腹を立てては、ロボットの開発は無理なのだろう・
失敗と調整とを繰り返し、徐々に使える状態にしていく。
無理は禁物だ。
近道をしないという慎重な扱いが大切だ。
まるで子育てに似ている。
「ほばりん」を眺めていたら、もう一度「淡探(たんたん)」を動かしたくなった。
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