琵琶湖には自然にできた島が4つある。
大きな順に、沖島、竹生島、多景島、沖の白石と呼ばれている。
花崗岩からなる竹生島や多景島とは異なり、沖島と沖の白石は湖東流紋岩から成り立っている。
ご承知のように、花崗岩は深成岩で深い場所でマグマがゆっくりと固まったものだ。
一方、流紋岩は火山岩で、地表付近で急速に冷えて固まったものだ。
どのような構造を考えれば、同じ湖の中の4つの島の成因が異なることを説明できるのだろうか。
今から300万年前に、古琵琶湖と呼ばれる大山田湖を埋め尽くしたのが、この湖東流紋岩だ。
従って、現在の琵琶湖がある場所は、昔は急峻な山岳地帯だったということになる。
単純に考えてみよう。
琵琶湖の沈降速度を年に1mmとしよう。
1000年で1m沈み込むということになる。
ということは300万年前には、3000mの高さだったことになる。
まさに、日本アルプス並みの山々があったことになる。
4つの島の中で、一番小さいのが沖の白石である。
この島を構成している流紋岩は、写真で見るように白っぽい岩である。
だからこそ、沖の白石と呼ばれるようになったのだろう。
ところが、現在の沖の白石は、決して白くはない。
むしろ遠目には黒っぽく見える。
鳥の糞のせいで黒くなったのだという説もある。
ということは、沖の黒石か?
この島の周囲は、とても深い。
少し離れると、水深が60m~70mに達する。
まるで、針が立っているような島だ。
300万年前には、おそらく槍ヶ岳(3180m)のような姿をしていたのだろう。
いろいろ想像することは楽しいことだ。
琵琶湖の湖底地形は、興味深いことを私たちに教えてくれる。
実は、私たちの測量では、湖底に小さな突起を見つけている。
これは昭和30年代に行われた国土地理院の地図には載っていない。
彼らが指摘する湖底のふくらみは、場所がずれている。
単なる測量誤差なのか、実際に琵琶湖の底が盛り上がりつつあるのかは、謎である。
はっきりさせるためには、もう一度正確な測量を行う必要がある。
そのためには、はっけん号を使わなければならない。
何とかしてこの船を手に入れたいものだ。
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