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タマツノホコリ・2~小仏城山

 奥高尾“小仏城山”付近の林内の朽ち木に発生している「タマツノホコリ(玉角埃)」。ツノホコリ科ツノホコリ属の変形菌で球体の担子体の直径は2~3ミリ。表面はハチの巣状になり周りの担子体と結合している。
 変形菌は落ち葉や倒木に発生する微生物で一生のうちに様々な形に変化する。粘菌とも呼ばれるが、粘菌は変形菌以外に細胞性粘菌、原生粘菌と呼ばれるグループを含めた総称になる。粘菌は18世紀にリンネによって菌類と共に植物に分類されたが、19世紀にはヘッケルが唱えた三界説で、植物界でも動物界でもない原生生物界に位置付けられた。近年になってDNA解析によってアメーバ動物(Amoebozoa)という新たなグループに分類されている。
 NHK朝ドラ『らんまん』で東京大学植物学教室で学ぶ藤丸次郎君が“変形菌”についての論文を発表するシーンがあったが、実は藤丸次郎君のモデルは実在した菌類学者の田中延次郎氏(旧姓:市川延次郎氏)になる。田中氏は在学中に牧野富太郎と共に『植物学雑誌』発刊を提唱し自らハツタケなどのキノコの論文を記載している。その後、変形菌の名前を使った日本最初の論文を発表した。
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レンゲショウマ・1~御岳山

 キンポウゲ科レンゲショウマ属の「レンゲショウマ(蓮華升麻)」。日本固有の1属1種で花がハスに似て葉がサラシナショウマに似ていることから名付けられている。東北地方南部から関東地方の山地の半日陰に生育しており草丈は60~80センチ。7~9月に茎の先に円錐花序を出して直径3~4センチの淡紫色の花を下向きに咲かせる。花弁のように見えるものは萼片で7~10枚あり、花弁は内側にあり蕊を取り囲み先端が紫色になっている。これは奥多摩“御岳山”のもの。
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