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イタビカズラ・2~葉

 高尾山“3号路”の岩肌に蔓を伸ばしている「イタビカズラ(崖石榴)」。クワ科イチジク属のつる性常緑木本で雌雄異株。東北地方~沖縄県の林縁に生育する枝から気根を出して岩や周囲の樹をよじ登ったり地表を這う。同属のオオイタビの成葉がやや肉厚になるのに対して本種は肉厚にならない。花期は6~7月でできれば花嚢を見てみたい。
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タカオスミレ・4~奥高尾

 スミレ科スミレ属の「タカオスミレ(高尾菫)」。同属のヒカゲスミレの変種で葉がこげ茶色~黒紫色になり高尾山で最初に発見されたことから名付けられている。高尾山以外にも分布しており、沢沿いなどやや湿気が多い場所に生育している。これは奥高尾のもの。
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アンズ

 宮上中学校付近の遊歩道で見られる「アンズ(杏)」。バラ科アンズ属(←サクラ属)の落葉小高木で同属のウメに良く似ているが濃紅色の萼片が反り返るので見分け易い。アンズの種子の中にある仁(さね)を“杏仁(きょうにん)”と呼び、古くから薬膳料理として使われている。中華料理のデザートに出てくる“杏仁豆腐”は“あんにん”と発音される。
 ところでアンズの林を“杏林(きょうりん)”と呼び医者の尊称になる。これは中国の『神仙伝』の故事によるもので、名医の董奉(とうほう) が多くの病人の診療に力を尽くし治療代を受け取る代わりに杏の苗木を植えさせたところ、数年で家の周りが林になったという。三鷹市にある杏林大学の建学精神は“眞善美の探求”でこの故事に因んでいる。
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ヒナスミレ・4~開花

 高尾山“3号路”で咲き始めた「ヒナスミレ(雛菫)」。スミレ科スミレ属の多年草で北海道~九州の主に太平洋側の山地に分布する。花径は1.5~2センチで淡紅紫色になり側弁の基部にはまばらな毛がある。葉は長卵形~披針形で基部は心形になり葉裏は紫色を帯びる。
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オトメスミレ・4~生存

 大塚公園付近の道路脇の法面に生育している「オトメスミレ(乙女菫)」。スミレ科スミレ属の多年草でタチツボスミレの白花品種になる。シロバナタチツボスミレが距まで白くなるのに対して本種は距が淡紅色になる。ここでは数年前までは道端まで拡がっていたが年々その範囲が狭まっている。去年は法面に雑草除けの黒シートが張られてしまった。今年は黒シート以外の部分には枯れススキが拡がりオトメスミレは3株しか見つからなかった。来年以降が心配ではある。
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ミドリザクラ・3~野生種

 今年のソメイヨシノの開花は当初は暖冬の影響でかなり早いと予想していたが、3月になってから冬のような気温が続き蕾の成長が遅れて去年の今頃は満開だったが今年はまだ咲いていない。予想では東京は今日が開花予想日だが果たして靖国神社の標本木の様子はどうだろう。
 写真は柳沢バス停付近の斜面に植栽されている「ミドリザクラ(緑桜)」。マメザクラの紅紫色系の色素を欠いた野生種で「リョクガクザクラ(緑萼桜)」とも呼ばれている。大正5年に御殿場で山出半次郎氏などにより発見され牧野富太郎博士によって命名された。学名は山出氏に因んで“Cerasus incisa f. yamadei”とされている。花期はオオシマザクラやソメイヨシノより少し早くここでは既に満開になっていた。ミドリザクラはバラ科サクラ属の落葉小高木。
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イヌノフグリ・4〜果実

 オオバコ科(←ゴマノハグサ科)クワガタソウ属の「イヌノフグリ(犬の陰嚢)」。本州以南に分布する在来種でかつては道端で普通に見られたようだが、今は外来種のオオイヌノフグリに押されて生育地がかなり狭められている。当地では残念ながら見られず公園などで保護されているものしか見られない。写真は果実で直径2~3ミリの球形が2つあるように見えるが実際にはヒョウタンのようにくびれたひとつの蒴果になる。この姿を犬の陰嚢に見立てている。
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アズマイチゲ・4~開花

 キンポウゲ科イチリンソウ属の「アズマイチゲ(東一華)」。関東地方で多く見られるので“東”の名が付けられているが。北海道~九州の山地や山麓の陽当たりの良い場所に生育している。早春に直径3~4センチの花を茎頂に一輪咲かせる。キクザキイチゲに似ているが葉は3出複葉で先端が丸みを帯びている。
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キクザキイチゲ・5~片倉城跡公園

 片倉城跡公園で見られる「キクザキイチゲ(菊咲き一華)」。キンポウゲ科イチリンソウ属の多年草で近畿地方以北に分布している。早春に茎頂に直径3~4センチの花を一輪付ける。花弁のように見えるものは萼片で花弁は無い。アズマイチゲの葉の先端が丸みを帯びるのに対して本種の葉先は菊の葉のように裂けている。
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イヌノフグリ・3~絶滅危惧

 オオバコ科(←ゴマノハグサ科)クワガタソウ属の「イヌノフグリ(犬の陰嚢)」。この界隈では外来種のオオイヌノフグリやタチイヌノフグリに生育場所を奪われ今は山間部の限られた場所でしか見られない。花径は2~3ミリで外来種のオオイヌノフグリに比べるとはるかに小さい。オオイヌノフグリは開花中に受粉できないと雌蕊が曲がって自家受粉し確実に子孫を増やす。またオオイヌノフグリの花粉がイヌノフグリに付く(種間送粉)とイヌノフグリの果実が正常に成熟せず種子が少なくなることがわかっており、イヌノフグリにとっては厳しい環境になっている。
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