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沖縄サンバカーニバル、名古屋サンバカーニバルへのオ・ペイシの情熱を語っています。世界一、心のこもったカーニバルを!

サンバの女王 5 ナニ

2009-01-06 | サンバ
 3回続けて自分のハイーニャ(サンバ・クィーン)コンテストのことを書いたので、今日は別のコルチ(王室)の人の話を書きたいと思います。
 事実、このブログを読んでくれている方には、モシダージ・アレグレのハイーニャ、ナニのファンが多く、よくご感想をいただきます。
 また彼女はオ・ペイシのサンバダンス教室の一番人気講師でもあるので、久しぶりに彼女の話の続きをお伝えします。

 カーニバルのパレードの真っ只中で、頭飾りに仕掛けた花火が誤って顔に直撃してしまい、大やけどを負ったナニ。その年、モシダージ・アレグレの順位は3位でした。審査員席の真ん前で起きた事故だっただけに、結果に影響がなかったとはいえません。

 サンパウロのカーニバルでは、上位5位までが、翌週のチャンピオン・パレードに出場します。
 ナニは、パレードのゴール、黄色い線を踏んだ途端、救急車に運ばれ、入院してしまいました。事故の3日後、テレビ局で会った彼女は、腕と額は包帯でグルグル巻きになっていました。

 チャンピオン・パレードは、1メートル前もはっきり見えないほどの大雨の中で行われました。やけどに雨は禁物です。まさかナニは来ていないだろうと思ったのですが、驚いたことに、彼女はチャンピンオン・パレードに堂々と出場していました。

 パレードの出発前でチームの会長が「ナニ! モシダージの女性戦士!」と紹介し、彼女をたたえる横断幕と共にパレードコースに入場しました。

 やけどが回復していない中、どうやってナニはパレードをしたと思いますか?

 包帯の上から透明のビニール袋を巻きつけていました。衣装は、やけどをした本番の日と当然同じです。ビニールの下の包帯が、1週間前の事故を痛々しく思い出させました。

 ハイーニャとは、こうでなければならないのです。ドシャ降りの雨の中、パレードコースで踊る彼女を見て、ジーンときました。(続く)
 
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