続き
【第3章 因数定理】
①除法の原理
Aを、Bで割ったときの商をQ、余りをRとすると、
A=BQ+R (R<B)
(例)13÷4=3…1だから、13=4×3+1
これを整式に当てはめると、
A(x)を、B(x)で割ったときの商をQ(x)、余りをR(x)とすると、
A(x)=B(x)Q(x)+R(x)
R(x)の次数<B(x)の次数
②剰余の定理
整式f(x)をx-αで割る。
余りは1次より次数が小さいから、
余りは定数になる。
商をQ(x), 余りをR (定数)とすると、
f(x)=(x-α)Q(x)+R
xにαを代入すると、
f(α)=(α-α)Q(α)+R=0×Q(α)+R=R
剰余の定理
整式f(x)を、x-αで割ったときの余りはf(α)
③因数定理
f(α)=0のとき、R=f(α)=0
f(x)=(x-α)Q(α)
逆に、
f(x)=(x-α)Q(x)のとき、f(α)=0
因数定理
f(α)=0 ⇔ f(x)はx-αで割り切れる
【剰余の定理・因数定理を手に入れた】
【第4章 有理根定理】
f(x)をn次式で、f(x)=Ax^n+…+Bとする。
n次の係数がA、定数項がB
f(x)=(px-q)Q(x) ⇔ f(q/p)=0
Q(x)=sx^(n-1)+…+tとする。
f(x)=(px-q){sx^(n-1)+…+t}
=psx^n+…-qt
(※n次の項と定数項に着目する)
A=ps, B=-qtだから
pは±(Aの約数)、qは±(Bの約数)
有理根定理
f(x)=0が有理数根q/pを持つならば、
pは±(Aの約数)、qは±(Bの約数)
f(x)に±(Bの約数)/(Aの約数)を代入して0になるか調べ、有理数根を見つける。
すべて調べて0にならなければ、有理数根を持たない。
【第5章 ボスへの挑戦】
①攻略の道筋(相手の特性を見極める)
相手を3次方程式である。(3次式)=0の形をしている。左辺を因数分解して、
(1次式)(2次式)=0
の形にできたら、
(1次式)=0または(2次式)=0となり、
1次方程式と2次方程式になる。
有理根定理より、(1次式)を見つける。
②攻略
f(x)=x^3-2x^2+3x-2とする。
f(1)=1^3-2×1^2+3×1-2=1-2+3-2=0
因数定理より、
f(x)はx-1で割り切れる。
f(x)=(x-1)(x^2-x+2)
よって、
(x-1)(x^2-x+2)=0
x-1=0またはx^2-x+2=0
x=1またはx={1±√(1-8)}/2
x=1またはx=(1±√7i)/2
したがって、
x=1, (1±√7i)/2
3次方程式というボスを倒すことができた。
有理数の範囲で因数分解できない最強の敵もいる。高校では、因数分解できる敵しか相手しないことになっている。
ちなみに、すべての3次方程式を解くための最強の呪文「3次方程式の解の公式」もある。
興味ある人は、他のもので確認してみてください。
旅はどうでした?
たくさんの武器とたくさんの呪文を覚えて、数学のいろいろな冒険をしてみよう。
(2019/12/3~4)