カープ君の部屋

カープファンですが、カープの記事はありません。目指せ!現代版「算額」

【当たり前のようだが難しい(転換法)】

2019-12-14 07:46:43 | 日記
2次方程式の判別式について、
D>0⇒2つの実数解を持つ
D=0⇒1つの実数解を持つ
D<0⇒2つの虚数解を持つ
は簡単に確認できる。
逆向きを考えてみよう。

2つの実数解を持つ⇒D>0
偽だとすると、
2つの実数解を持つが、D≦0となる2次方程式が存在する。
D=0のとき、1つの実数解を持つ
D<0のとき、2つの虚数解を持つ
いずれも矛盾する。
したがって、
2つの実数解を持つ⇒D>0が真である。
背理法を利用して証明することができる。
他の2つも同様に証明できる。
この論法が意識化されることは少ない。

このような論法を一般化したものが、
【転換法(てんかんほう)】
である。

【転換法】てんかんほう
一群の定理があって、それらの仮定は起こりうるすべての場合を尽くし、その結論がすべて独立であるとき、これらの定理の逆はすべて真である、ということを使う証明法。

【転換法の証明】
集合Aに対し、A[i] (i=1,…n)はAの部分集合とする。
A=∪《i=1,…,n》A[i]とする。
A[i]⇒B[i] (i=1,…,n)が真とする。
B[i]∩B[j]=φ(空集合)のとき
B[i]⇒A[i] (i=1,…,n)が真である。

B[k]⇒A[k]が偽であるとする。
b∈B[k]であるが、A[k]の元でないbが存在する。
A=∪《i=1,…,n》A[i]だから、
b∈A[j]となるj≠kであるjが存在する。
A[j]⇒B[j]は真だから、b∈B[j]
よって、b∈B[j]∩B[k] (j≠k)
仮定に矛盾する。
したがって、
B[i]⇒A[i] (i=1,…,n)は真である。
【証明終】

【例1】
nは奇数⇔n^2は奇数
nは偶数⇔n^2は偶数

【例2】
a^2+b^2>c^2 ⇔ C<90°
a^2+b^2=c^2 ⇔ C=90°
a^2+b^2<c^2 ⇔ C>90°

【例3】
直線:y=mx+nをlとする。
点P(x,y)はlの上側 ⇔ y>mx+n
点P(x,y)はl上 ⇔ y=mx+n
点P(x,y)はlの下側 ⇔ y<mx+n

平面の領域と不等式の関係も転換法で考えることができる。

【例4】
円周角の定理の逆
2点P、Qが直線ABについて同じ側にある時、∠APB = ∠AQBならば、4点A、B、P、Qは同じ円周上にある。

【例5】
ある小学校は各学年3クラスある。運動会は1組は赤組、2組は白組、3組は青組に分けてやる。運動会が終わったら、グラウンドに「5と書かれた青の鉢巻」が落ちていた。どこのクラスに持っていけばよいか。

(2019/12/14)


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