カープ君の部屋

カープファンですが、カープの記事はありません。目指せ!現代版「算額」

【ベクトルの内積】

2019-12-10 07:45:56 | 日記
高校の数学では、ベクトルの内積
(a→)・(b→)は、なぜ|a→|×|b→|×cosθと定義されるのか?

少し唐突な形で定義されている感じがするがなぜこのような定義なのか考えてみよう。
実は、ベクトルは(物理の)力学と密接な関係がある。
力学において、力が物体を加えられたとき、力がした仕事を考える。
その仕事量は、力と移動距離の積で表される。力の向きと移動方向が異なるときは、力を移動方向とその垂直方向にわけ、移動方向の力と移動距離の積で考える。
すなわち、力(a→)、移動(b→)、なす角をθとすると、
移動方向の力の大きさは、|a→|×cosθ
移動距離は、|b→|
よって、
仕事量は|a→|×|b→|×cosθとなる。
これを内積と呼んでのだ。
力学からきた定義なのだ。

(a→)=(p,q,r)、(b→)=(s,t,u)のとき、
余弦定理より、
|b→-a→|^2
=|a→|^2+|b→|^2-2|a→|×|b→|×cosθ

2|a→|×|b→|×cosθ
=|a→|^2+|b→|^2-|b→-a→|^2
=(p^2+q^2+r^2)+(s^2+t^2+u^2)
-{(s-p)^2+(t-q)^2+(u-r)^2}
=2(ps+qt+ru)

|a→|×|b→|×cosθ=ps+qt+ru

x,y,z座標の積の和になっている。
n次元のベクトルの内積に拡張して、
数学では、
(a→)=(a[1],…a[n])
(b→)=(b[1],…,b[n])のとき、
(a→)・(b→)=Σ《i=1,…,n》(a[i]×b[i])
(各座標の積の和)
と定義する。

物理(力学)を学ぶ機会が減った昨今、内積の定義が唐突に感じるのは仕方ないことかもしれない。数学の中だけで考えるのなら、座標による定義を優先させ、
|a→|×|b→|×cosθ
を性質と考えることもできる。しかし科学史の面から考えると唐突ではあるが今のままがいいのかも知れない。

(2019/12/1)
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時事川柳【2019/12/10】

2019-12-10 07:27:48 | 時事川柳
「もり」と「かけ」
「さくら」も残る 令和一 (鯉正)
(2019/12/10)
令和1年(元年)の国会閉幕
「加計問題」「森友問題」「桜を見る会」どれも解決せずに令和1年も暮れる。

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