山形)大賞作品決まる 山形国際ドキュメンタリー映画祭
朝日新聞
2017年10月12日
15回目になる山形国際ドキュメンタリー映画祭は11日、表彰式があり、インターナショナル・コンペティション部門で大賞にあたるロバート&フランシス・フラハティ賞に「オラとニコデムの家」(アンナ・ザメツカ監督、ポーランド)が選ばれた。12日は大賞など受賞作8本が上映され、閉幕する。
同部門では、121の国・地域の1146作品から選ばれた15作品が上映された。「オラとニコデムの家」は自閉症の弟の面倒を見る14歳の少女を中心にした家族の物語。ザメツカ監督は「ここにいられるだけで幸せだと思っていたのに、大きな名誉」と喜んだ。
新進作家の発掘を目的としたアジア千波万波部門の最高賞の小川紳介賞に「乱世備忘――僕らの雨傘運動」(陳梓桓監督、香港)が選ばれた。2014年、香港で民主的な選挙を求めた「雨傘革命」の記録だ。
市民からの投票で選ぶ「市民賞」には、原一男監督の23年ぶりの長編「ニッポン国VS泉南石綿村」が選ばれた。原監督は「山形に来る前に市民賞はもらいたいと念じてきた。出演者の人たちにこの賞を贈りたいと思う」と話した。(桑山敏成)
■インターナショナル・コンペティション部門 ロバート&フランシス・フラハティ賞(大賞)「オラとニコデムの家」▽山形市長賞(最優秀賞)「カーキ色の記憶」(アルフォーズ・タンジュール)▽優秀賞「孤独な存在」(沙青)、「私はあなたのニグロではない」(ラウル・ペック)▽特別賞「激情の時」(ジョアン・モレイラ・サレス)
■市民賞 「ニッポン国VS泉南石綿村」
■アジア千波万波部門 小川紳介賞「乱世備忘――僕らの雨傘運動」▽奨励賞「人として暮らす」(ソン・ユニョク)、「あまねき調べ」(アヌシュカ・ミーナークシ、イーシュワル・シュリクマール)=日本映画監督協会賞も受賞▽特別賞「パムソム海賊団、ソウル・インフェルノ」(チョン・ユンソク)▽翡翠之城(趙徳胤)