ⅩⅩⅩⅩⅩⅩⅩⅩⅩⅤ「ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ」を見る聴く、 『エイガニッキ』 SASHI-ハラダ 2021/1/6
部屋の中、カメラは遊泳する,そして,ベッドの主人公の頭を頭の真上から捕らえる,ベッドに仰向けで横たわっている主人公、女はシャワーを浴びて,下着姿で現れて,娼婦の娘、何処か,収まりの悪い二人、タイトル、語り、夢、幻想、危ういままに、何が真実なのだろうか、何処に,実際があるのだろうか,総べては曖昧に,夢とも現実とも、男、女、私、何処の何時の私、娼婦の見た緑色の本、勝手に手を出すなと主人公、白猫と言う友人の死、父親の死、死に捕らわれて,在る、両親の残した店、母の名の店、姉だろうか,主人公にはトラック、自分は店を手にして,これで解決と、直ぐに店を改装する,看板も外す,主人公は看板は残したい,母の名なのだから、しかし,この死は,何時の事なのだろうか,壁の時計、止まっている時計、父の遺影を飾り,時計の裏を明けると,電池が入っていない、写真が一枚、誰の写真だろうか,裏には何かが書かれている,懐に入れる主人公、友人の死、りんごを運ぶ約束、怠って,腐らせて,そのりんごの中から銃が、白猫の狙いは、トンネルの中の死体、殺された、こうして探偵の如く、調査の始まりだ、時計の写真を調べて,監獄に、父の世代もまた,犯罪の最中に、いろんな事をしたと監獄の女、だが,写真の人は知らないと、いや、そう答えるしかないのでは、父達の世代の,恋、裏切り、絶望、叫び、聞こえないか、写真と文字の中に,監獄の女の顔に,見いだせないか、友人の死、関わりのある女、美貌の女、緑の衣装、余りに美しい女、何を知って居る,だが,主人公は既に,この娘に恋してしまっている、追い掛け,追い詰め,もはや,離せない,事件を追い掛けているのか,娘を追い掛けているのか,判らない,己とはだから,そもそもに於いて何、写真の人の関わりの男、犬を連れた男、役人か,やくざ者か、何が在ったのだろうか,子供の声、誰の子供だ、写真の女、父、恋敵の男、判らない、そしてまた,緑の娘もまた妊娠して居るのだと、何時の事だ、誰の子だ、探偵ごっこの最中、ボスに捕らえられる主人公、両手を挙げて縛られて,カラオケに興じるボス、見守る子分たち、緑の娘もまた,詰られている、雨の街、パンするカメラは,部屋の中の水面を捕らえる,水中だろうか,そして、ガラス、奥行きを曇らす,乱反射のガラス、見通すガラス、水もまた,写し出すとも、水底に消失するのだとも、見る事の多様な叛乱、写真の女には辿り着けない、いや、誰も真実を語っていない、総べては夢の中、ならば,主人公は幻を彷徨っているばかりなのか、答えなど,ないのだ、緑の娘との恋、だが,芝居かも知れない,恋ごっこ、キス、招かれた,迷宮、抜けるのには,部屋が回転、現実が展開、動かすのは,何だ,誰だ、知らず,動かされている,蠢かされている、自由など無い,不自由の現実、夢こそが,言葉こそが,縛られて,演じられて、存在が,表情が,想いが,恋が,既に,縛られている、父達の世代の,犯罪も,白猫と主人公の私の仕業も、そして、妊娠、子供、迷宮の中に,反復されて,在るばかり、現れる子供たちも,黒子として、見事に,演じているのだ、かくて,途切れることのない,迷宮に、歌と踊りの巡業団、トラックを走らせて,娘たち、音楽、歌、誘う娘、始まるまで時間があるから,映画でもと、古びた映画館に、見詰める主人公、タイトル、目覚めた後、一人、トンネルの中、白猫が死して運ばれた,トロッコの場に,入り込む,既に,填まり込んで,彷徨って,廃墟の中、だれも居ない,ライトを付けて,探る,出口を,扉から現れる角を匍わせた牛の面の少年、互いにびっくり、滑稽、そして,卓球試合、勝ったら出口を教えると,傲慢な少年だが,卓球はどうやら下手で,直ぐに負けて,出口まで連れて行くと,上着を着せる,バイクに乗るからと、バイクを走らせる少年、後ろには主人公を乗せたままに,行き止まりと,ここからは,ケーブルが、方向が違うと主人公、ならば,己で決めろと少年、滑車に乗るしかない主人公、こうして,村の高見から,遊泳するのだ,崖下の村、灯り、やって来た村、何故に戻ったと娘、だが,この娘は緑の娘だろうか、着替えて,全く違った娘だろうか,何も判らない、誰とも判らない、共に彷徨う二人、舞台、巡業団、カラオケ、歌、音楽、見詰める客、村人、遊びの子供たち、出店の人々、小さな村祭り、惹かれるままに娘のあとを追う,舞台の前に一人の女が,娘と同じ髪型の女、松明を灯して,練り歩く、皆は離れて,逃れて,この女の後を追い掛ける主人公、惹かれた娘のことは、どうした、女を追う,階段下、鍵の掛かった門扉の向こうのトラック、男がいる,若く無い男が,父では無いか,ならば,松明の女は,写真の女、明けろと女、主人公は銃を構えて,男を脅し,明けさせる,女の希望を聴いて、車のキーを男に出させて,主人公に怯える二人、トラックを走らせる,この迷宮の前には,ボスを背中から銃で狙うシーンが,カメラは縦に回転して、父の世代に関わり,己の友人に関わり、主人公はまた舞台に戻ってくる,女は何処だと,楽屋だと,楽屋を訪れる,紅付けて,美しい娘、出番を待つ娘、煙草、松明の女から,貰った、奪った、時計をプレゼントする主人公、時計は永遠だから不吉だと,娘は線香花火を、儚いから、不吉だと主人公、火をつけ,火花が散る,娘は,屋敷を見るかと,焼けた屋敷、松明の女、全てを焼き放つ女、何時の事だろうか,悲しみのりんご囓りも、若い主人公か,父親か,友人か、焼かれたのは,父、友人、母、己自身、主人公もまた,死した存在では無かったか、キスし抱き合う二人、回転する二人、実った恋、抱擁、巡る二人、カメラは,この回転を捉え,部屋の隙を見て外に,降りてきた階段を上がる、戻ってきた,辿りついた楽屋、だれも居ない楽屋、だが,先ほど付けた花火が未だに火花を散らしている,儚いか,永遠か、恋が、幻故に,実った、火花に,何を見る、可能性、絶望、生きるとは、何処までも続く,空回りの中に、それでも,求めて止まない、蠢く巡り、何処までも,何時までも、