旅行の楽しみの一つがバザール。イスタンブール中心街にはこのスルタンアフメトモスクの壁つたいも含め、多くのバザールがある。エジプシャンバザールの入り口の店で、蜂の巣を買う。蜂の巣を500gとか1kg買うとイチゴのパックにふたがついたようなプラスチックに入れてくれるが、このまま日本にもって帰ったら荷物中ベタベタニなってしまう。お店の人に、必ず真空パックを頼む(「日本に持って帰る」とか言うとやってくれる)のがポイント。
日本ではこういうハチの巣が安く手に入らないのはなぜだろうと、帰りの飛行機の中で、大変気になっていた。ふと本屋に入ると、「ハチはなぜ大量死したのか」(ローワン・ジェイコブセン著)があったので、読んでみた。本の前半と後半が繋がっていないが、人間の興味のフォーカスは連続ではないので、そこが好ましい。少し中身を紹介したい。
第10章の「もし世界に花がなかったら?」が一番良い件であった。
・先進国のミツバチは25%位が謎の失踪した。
・ミツバチは蜂蜜以外に、リンゴやメロン、アーモンド、クローバ(牛のえさ)などの受粉にも携わっている。
・ミツバチに似た花粉媒介者(Pollinators)には、ある植物と1:1の関係をもつ種がいて、それらが絶滅すると果実もとれなくなる。例えば、バニラをつくる「メリポナビー」が絶滅したので、メキシコの農夫が人手で受粉している。パッションフルーツはブラジルでは「クマバチ」が絶滅し、すべて人手で受粉している。四川省の梨もすべて人手である。
なかなか驚きの内容であるが、ニホンミツバチはまだまだ元気と知って安心した。おそらく地形や針葉樹や稲(風による受粉)が多いなどの環境によって蜂蜜が高いのだろうと思う。