「人と人との関係じゃないんだよきっと。自分と自分以外の関係なんだよ。自分が自分以外の凡てと同じ質量を持っているような錯覚をしてるんだろうなあ、僕なんかの場合は。能く考えてみれば解ることなんだが―――要するにそれって自己が肥大してる訳だろう、無限大に。そうすると他人と云うのは自分以外の一要素に過ぎなくなる。要素なんだから人格やなんかは邪魔臭い。でもそりゃ勘違いだろう。勘違いだと解るとな、たかが一要素の筈が、自分と同じかそれ以上の質量を持っていることに気付く。その時それが重たくなるんだ、きっと」
「排除したくなる?」
「面倒になるんじゃないかなあ。解り合ったり通じ合ったりすることは不可能だと、僕のような人間は知ってるから」
(京極夏彦『邪魅の雫』p615)
関君って、肝心な部分をちゃんと心得ているんですよねぇ。
だからこそ、京極堂や榎さんは彼と長年友達でいるんだろうな。
「排除したくなる?」
「面倒になるんじゃないかなあ。解り合ったり通じ合ったりすることは不可能だと、僕のような人間は知ってるから」
(京極夏彦『邪魅の雫』p615)
関君って、肝心な部分をちゃんと心得ているんですよねぇ。
だからこそ、京極堂や榎さんは彼と長年友達でいるんだろうな。