「あんたは、自分で思っているより、はるかに強い。それが、わたしにはよくわかる。死ぬ気なら……ほんとうにすべてを捨てる気なら、別の人生を生きられるだろうよ。この夢の中のようにほんわりと幸せじゃあないが、思いがけぬよろこびもある人生をね。この世には、あんたの知らないことが、まだまだたくさんあるんだから!」
……
「おれにはね、人がみんな、〈好きな自分〉の姿を心に大事にもっているような気がする。なかなかそのとおりにはなれないし、他人にはてれくさくていえないような姿だけどね。
少なくとも、おれはその姿をもって生きてきた。そして、どうしたらいいかわからない分かれ道にやってきたら、どっちに歩んでいくほうが〈好きな自分〉かを考えるんだ。…最後の決断は、おまえのものだよ」
(上橋菜穂子 『夢の守り人』)
守り人シリーズ3作目。
1作目から連続してこんなに面白いと、残りの4作は大丈夫なのかしらと逆に心配になってしまうほどです。。
しかしタンダは実にいい男ですね。
バルサがうらやましい。
※写真:北鎌倉東慶寺の紅梅。梅は桜にないあの噎せ返るような甘い香りがすきです。どこか色っぽくて^^