風薫る道

Who never feels lonely at all under this endless sky...?

『マシュー・ボーンの白鳥の湖』 マチネ&ソワレ @東急シアターオーブ(9月13日)

2014-09-13 23:23:07 | バレエ

先日に続き、またしても行っちゃった、しかもマチソワ・・・・・・。
だってだって他のキャストも観てみたかったのー(>_<)
でもゴメススワン&マーニー王子ももう一回観たかったのー(>_<)

マチネは当日券で11列中央、ソワレはマチネの時に買ったリピーター券で7列中央。
表情をはっきり見るには7列目が、足元までしっかり見るには9列目位が見やすいですね(8列目から段差あり)。どちらも捨てがたいですが。
しかし13000円でこんな席に座れるとは、ありがたい。あぁ、すっかり日本値段に慣れきってしまった私・・・。てかロンドン値段を忘れなかったら日本で観劇なんかできない・・・泣


【マチネ】

ジョナサン・オリヴィエ(ザ・スワン)とサイモン・ウィリアムズ(王子)のペア。

ジョナサンのザ・スワンは、ゴメスよりずっとストイックで、野生のままの孤高の白鳥という感じでした。

サイモン王子は、健康的で典型的なお坊ちゃん。
アプローチの違いですが、クリス王子の方が人間性が複雑というか奥行があって、個人的には好みでした。それにクリスの方が踊りにも雰囲気にも圧倒的に色気が・・・・・・。スワンクバーの場面は、クリス王子は普通の若者くらいには遊び慣れてる感じ、サイモン王子は全く慣れない場所に来ちゃった感じ。
ちなみにサイモンは会社のイギリス人同僚にそっくりでした。。。外国人の知人なんて多くないのに、今回のキャストってどうしてこんなことになってるの・・・泣。ジョナサンに似てる知人がいなかったのが唯一の救い・・・。

こちらの二人は作品のアプローチの仕方もゴメス組と全く違い、ザ・スワンと王子の間に色っぽい空気はほぼ皆無なのですね。全体的にジョナサンのスワンはゴメスと比べると王子を“より大きな次元の愛”で包み込む感じなので、必然的に色っぽい空気は減ります。
三幕はジョナサンのストレンジャーが意外なほど大人の色気があってカッコよく「私と付き合ってくださいo(>_<)o!」とか思ったのだけど、いかにせ王子との間に艶っぽさが皆無なものだから、息を詰めて成り行きを見守るドキドキ感がなく。。最初に観たのがゴメス組だったせいか、やっぱり私はそういう感じを二人に望んでしまうのですよね。。。
女王と擦り替わる場面は、このペアの場合、どういう風に見ればいいのだろう?母の愛を求めている王子の心をズタズタに引き裂くストレンジャー、か?
でもってサイモン王子が子供のような雰囲気なので、ストレンジャーに弄ばれてショックを受ける姿が、大人の男に強引に初キッスを奪われた乙女のように見え^^;。いや、このコンビの場合はその解釈でいいのか。
ゴメス&サイモン、ジョナサン&クリスだとどうなるんだろう?とちょっと想像してみたけど、後者は結構興味あるかも。

二度目鑑賞で気付いたことは、スワンクバーのドアの看板の文字は「royal rumpus(王家の乱痴気騒ぎって感じ?)」と書いてあるんですね。パーティーの名前なのか、暗示的で面白いですね。
あと、バーの外でガールフレンドが執事にお金を返そうとする仕草を、王子はコートを被っていて見ていないのですね。だからお金を進んで受け取ったと誤解したのかな。とはいえここで王子が感じるのは「君もか」的なショックであって、もともと激しい恋愛感情はガールフレンドに持ってなさそうですが(この日のソワレのクリス王子に至ってはオペラハウスでイラってた)。
もひとつ。二幕でスワンが登場してソロに入るところ、ジョナサンはすぐに音楽が始まってて、ゴメスは9日も今日もたっぷり時間をとっていました(9日はアクシデント?と一瞬思ったのだけど、今日もそうだったので違うのだなと)。ダンサーによって色々調整してるんですね。

そしてカテコで熱い抱擁を交わすのは、ゴメス組だけなのね(今日のソワレも熱かった・・・^^;)。 
これもアプローチの違いによるのか、あるいは主役二人の性格の違いか。
カテコのサイモン、ジョナサンに対してさっぱりした男らしい感じで、王子の時とのギャップが楽しかったです笑。二人ともいい表情!

あと、このペアの舞台でちらりと思ったのは、「最初と最後のベッドの上の王子だけが現実で、あとは全て王子が見た夢なのかな」とか。そういう意味ではアダムの白鳥を見たときの印象に近いです。怖くて美しくて、だけどやっぱり、あのラストは私には羨ましく思えてしまうのでありました。


【ソワレ】

二度目のマルセロ・ゴメス&クリストファー・マーニーのペア。
さあゴメス、一度滑ったんだからもう怖いものはないでしょ(前回の11日に二幕で転倒しかけたと聞き)、思いっきりはじけちゃいなさい!
と観劇に臨んだら。
百倍返しでぶっとばされた。

すごかった。。。。。。
あれがゴメスの本気ってやつですか。。。。。
ものすごい熱量の舞台だった。
ゴメスの熱量がマーニーに伝染して、それが他の全てのダンサーを巻き込んで途方もない熱量になるのを目の前で観ちゃった感じ。
9日の舞台とほぼ同じキャストなのに(執事は別)、こうも変わるものなのか。
その中心にいるのはもちろんゴメス。
すごいダンサーですね。。。

今夜はNAのダンサーとゴメスの間に、9日に見られた遠慮のようなものが一切見られませんでした。
ゴメスは最初から最後まで自信にあふれていて、まさに王者。
それに化学反応を起こしてクリスがまた、もの凄い役への入り込みよう。
9日のクリスは緊張気味のゴメスを見守っているようなフォローしているようなところがあったけれど、今夜はゴメスのようなダンサーと躍れることが楽しくて仕方がないって感じで踊ってた。そんなクリスをゴメスが受けて、高まり合って、途中から二人ともトランス状態に入ってるようにさえ見えました。
インタビューでゴメスがマーニーのことを「舞台は生ものですから同じ作品を同じ相手役と踊っても、日々新しい発見があったりして毎日違ってくるものですが、彼は僕のその時々の変化にとても敏感で、僕の変貌に呼応して演じ踊ってくれるダンサー」と言っていた意味がよくわかった。
二幕の二人の濃密、三幕の官能、どちらも9日と桁違い(9日の初日ならではな二人も唯一無二の貴重さでしたが)。ストレンジャーはセクシーさが10倍増しでございました。
ていうかお二人さま、気持ちが高ぶりすぎて顔、近すぎです・・・。唇、5mmくらいしか離れてないです・・・。マルセロさん、御手が王子のジャケットの中に入っております・・・。
四幕なんてもう言葉にならない。。。。。。。。。言葉にすると消えてしまいそうで言葉にできない。。。。。。。。王子が動かなくなってしまったとき、ゴメス泣いてた。。。

そしてそして、ゴメス上手すぎ!!!
ソロも上手ければ、サポートも上手くて(三幕の女性達との絡みも最高)、瞬きする間も惜しかった。
上手いだけじゃなく踊りに華があるから見ていて楽しい。
でもってこれだけはじけてても、品があってエレガント。

こんな舞台が観られるなんて、生きててよかった。。。(としょっちゅう言ってる気がするが、いつも本気です)

しかしこれほどの舞台に空席があるなんて、もったいなすぎる・・・。
ゴメス&ヴィシニョーワのマノンも空席が目立ったと聞いたけど、どうしてなんだろう。
かくいう私もマノンは公演が終了した数日後にその存在を知ってショックだったのだが。特に今となっては悔やんでも悔やみきれない 
そしてクリスのドリアングレイも・・・

今回は、カメラは持って行きませんでした。
やっぱり少しでも多く拍手したかったからなのだけど、正解だった。
だってカテコのゴメス、心から満足しているとってもいい表情をしていたもの。デジカメのディスプレイ越しで見るなんてもったいない!


残る今年のバレエ鑑賞予定は、Kバレエカルメンとボリショイ来日。楽しみです♪

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