風薫る道

Who never feels lonely at all under this endless sky...?

『ドン・キホーテ』 ボリショイ・バレエ団 @東京文化会館(12月6日夜)

2014-12-07 23:12:30 | バレエ




ボリショイ祭りもこれでラスト!

白鳥でもバヤでもなくドンキがボリショイの十八番と言われている理由が、よ~~~~~っくわかった公演でした。

巷で言われているボリショイのカラーというのはこういうことをいうのだなぁ、と初めて理解できた気がします(今までよくわからなかったのです)。
色々楽しすぎて、なにから書けばよいのやら。

ドンキって、主役だけじゃなく全員のレベルが揃うと、まったく違う作品みたいになるんですね。ドンキってこんなだったっけ?こんなにみんなが踊って踊って踊りまくる作品だったっけ?と最後まで思いながら見ていました。
もちろん振付や演出にボリショイ独特なものはありますが、その理由だけじゃなく、主役級以外も含めたダンサー達のレベルの高さに、どの場面でも「踊り」を見ている満足感があって、メインが踊る以外の場面でもこんなに楽しめたドンキは初めてでした。
パンフでアレクセイ・ファジェーチフが「《ドン・キホーテ》を好演できるバレエ団は、おそらく他のどんな作品も踊ることができるだろう」と言っていますが、その言葉を見せつけてもらえた夜だった。
本当に楽しかった!
バレエが好きでよかった!って心から思いました。

まず演奏が速い速い。
ただでさえ超絶技巧合戦な演目なのに、こんなに速くしちゃってダンサー達大丈夫か?と、ドンキは多少踊りが荒くても楽しませてくれればOK!と思ってる私でも心配になるほど。
たとえば上の動画部分。今回私が観たのと同じエカテリーナ・クリサノワのキトリですけど、これ、早回しでもなんでもないんですよ。もしかしたら昨夜の方が速かったかも、というくらい。それを演奏しちゃうオケも凄いが、それを見事に踊り切っちゃうクリサノワって・・・。しかも笑みまで浮かべて・・・!
彼女、ここだけじゃなく、三幕のグランフェッテも「今何回まわった??」って見てる方がわからなくなるくらいの速さでクルクルクルクル。ダブルだかトリプルだかガンガン入れてるのに速度が全然落ちずに超高速。で、やっぱり余裕の表情。
そして技術だけじゃなく、キトリらしさがいっぱい。フルステーほどキツさがなく、でもドヤ感、ツンデレ感満載で可愛らしかった♪そんなタイプなのに、ドゥルシネアもちゃんとドゥルシネアになっているのがスゴい。あの夢の世界のふわふわ感が出ているんです。
大満足!なキトリでした。

そんなキュートで魅力的なキトリを恋人にしているのが、ミハイル・ロブーヒンのバジル。
床屋の息子にしては品がありバジルのやんちゃ感は強くないけれど、それはもう優しそう~~~^^
最初に登場したときは「・・なんか地味?」と思いましたが(ちなみにクリサノワも最初の登場時はそう感じた)、彼の包容力のありそうなのんびりした雰囲気が、クリサノワのおきゃんなキトリととっっってもお似合い♪ 優しそうなだけじゃなく、ふとしたサポートが妙に色っぽくて(キトリを覗き込むようにふっと顔を寄せたり)、ピンではさほど色気が強いわけではないクリサノワが、バジルと踊っているととっても色っぽく見えました。
踊りも派手派手系ではないけど、ふわついていなくて、男性っぽさがあってよかったな~。長時間リフトも安定!
居酒屋で中央でエスパーダ達が派手に踊ってるとき、何気なく下手のテーブルのバジルを見たら、エスパーダの踊りを見つつキトリと話しながら(クリサノワが何か話しかけてるのを聞きながら)、パクパク何かを食べてる。ほんとに食べてる(箸で肉団子みたいなのを。箸の使い方上手すぎ笑)。可愛い♪
今回の公演、結構主役級ダンサーが舞台上で話してるのを見ることがあって、自由だなぁ~と(マーシャもバヤの婚約式のときに上手の椅子でウラドに何か話しかけてた)。ちゃんと演技はしてるので嫌な感じは全然受けず、むしろロシアのバレエ団って感じがして面白かった笑。
ロブーヒンは最後のカテコのときに、客席を見上げながら満足そうな表情でうんうんって何度も小さく頷いていて、その感じが性格が良さそうで、ファンになってしまいそうでした^^

そしてそして。
そんな主役二人と同じくらい大満足だったのが、一幕のエスパーダ(ルスラン・スクヴォルツォフ)&街の踊り子(アンナ・チホミロワ)のカップル!
先程も書きましたように、一幕の最初の出のときは「今回の主役は二人とも地味だなぁ」と感じてしまっていたので(次の出でそんな気持ちは吹っ飛びましたが。ロブーヒンの二度目の登場の仕方めちゃくちゃカッコよかった!)、エスパーダ&街の踊り子がそれはもう魅せてくれて、もうずーっと三幕までこの二人を観ていたい!って思ってしまったほど。
特にチホミロワ。白鳥のスペイン王女も素晴らしかったですが、今回の街の踊り子も本当に素敵だった。表現力に加えて、踊り自体に魅力があるんですよね。彼女の踊りをもっと観たいって感じました。
エスパーダも格好良かったです~。今まで見たエスパーダの中では一番満足(ラテン系ではなかったけど)。この二人の絡み、本当に色っぽくて華やかでよかったなぁ。。エスパーダは二幕のメルセデスとの絡みより、こちらの方が断然見ていて楽しかったです。

そしてエスパーダといえば、闘牛士達!
やっと、やっと、やっと・・・・・ピンクブーツ(K)でも虫(ペ)でもない理想的な衣装の闘牛士達に出会えました~~~
感涙。
といっても単なる赤と黒のスタンダードな闘牛士の衣装なんですけど^^; これに出会うのになんと長い道のりだったことか。。。闘牛士といったらこれでしょ!情熱的な
同じく赤と黒の布が床にさっと広がる様がそれは素敵で(><)!
ああ、幸せ。。。。。。。。踊りもみんなキレッキレでかっこよかったよぉ~~~~。

メドヴェージェフのガマーシュは、意外におとなしめでした。笑いをとる系は得意じゃないのかも?

また今回改めて思いましたが、ドンキって男性ダンサーと女性ダンサーのそれぞれが最大限に魅力的に見える作品ですよね。思いっきりはじけて踊る女性達と、彼女達を優しくエスコートしながらも自分の見せ場は思いきり派手に見せる男性ダンサー達。
ああ、本当にドンキ大好き!!

ただこのボリショイ版ドンキ、ラストの終わり方がアッサリというか、フシギな感じですね^^;
キトリの超高速グランフェッテ→バジルの超高速回転→キトリの超高速ピケターン&シェネで会場を最高に沸かせて、その後にオマケのようにドンキ&サンチョがさっさと退場→幕。たった今キトリ達に大拍手したばかりだし、このドンキ&サンチョに拍手するのも変な感じだし、となんか妙な気分に^^; ここはパリオペのみんなで踊っちゃうお祭り気分なラストの方が好きでした。

次回のボリショイ来日は2017年だとか。
バレエは最近観始めたばかりなのでよくわからないのですが、ボリショイとマリインスキーって、ボリ来日→マリ来日→来日なしのサイクルを繰り返してるんですかね?
しかし3年後かぁ。。。遠いなぁ。。。
それまで頑張って、いっぱい貯金しておこう。
今回はチュージンを観られなかったのが残念でした。評判がよかったので、ぜひ観たかった。次回も来てね(*^_^*)


ボリショイの皆さん、夢のような二週間をありがとう
 

【動画】
クリサノワのキトリ。ロブーヒンとの動画がなかったので、ワシリーエフとのものを。ワシリーエフ、踊りは素晴らしいんですけど(床屋の息子っぽいし笑)、あの、シャツが肌蹴すぎでございます・・・^^;。俺の肉体美を見ろってか?

Ekaterina Krysanova / Ivan Vasiliev - Don Quixote


Ekaterina Krysanova / Ivan Vasiliev - Don Quixote


Ekaterina Krysanova / Ivan Vasiliev - "Don Quixote"



最後にこんなのもどうぞ。10代?の頃のベリャコフ君。動画の評価に彼の人気の高さが覗えます笑。しかし美しいですね。。。 そしてクズネトフせんせい、動画作りがお上手すぎ^^;

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