今年の初文楽desu。
やっぱり文楽は楽しい♪
低価格のお席がもう少し取りやすければ、もっと気軽に足を運べるのだがなあ。ふらっと午後半休をとって、1500円の席で気軽に文楽とか、歌舞伎座の一幕見のような楽しみ方ができたらいいのに。。お能も同じく。
【花競四季寿(はなくらべしきのことぶき)】
あら、楽しい♪
良いとこ詰め合わせな感じで、華やかな四季の舞台を気楽な気分で楽しめました。
床も大勢賑やかで、初めてお人形さんの舞踊を楽しいと感じることができた(*^_^*)
~春 ”万才”~
太夫(勘市さん)&才蔵(玉佳さん)。
えっと、すみません・・、これはちょっと意識が遠のいて・・しま・・・
あまり振付の意味を理解できていなかったので。。。
~夏 ”海女”~
一輔さんの娘役、若さが感じられてやっぱり好き♪
蛸に裾をめくられて頭をポカンって叩く仕草、可愛かった^^
~秋 ”関寺小町”~
文雀さんの休演により、和生さん。
背景の美しい薄野原に、1月の黒塚を思い出しました。
でも和生さんの小町からは、老女の切なさや悲しさはあんまり伝わってこなかった・・かな・・
文雀さんの小町も見てみたかった。文雀さん、お体大丈夫でしょうか・・・
~冬 ”鷺娘”~
勘彌さん。
人間じゃない鷺の化身の動きが、迫力があってかっこいい~。
ちらちら降る雪もとてもキレイで、最後の上半身ピンク色の衣装も華やかで素敵だった。
こういう明るい鷺娘もいいですね。歌舞伎でも見たい。
ていうか私はまだ歌舞伎の鷺娘を生で見たことがないのよぉぉぉ 玉さまはきっともうやってくださらないと思うので;;、菊ちゃんで見たい!ものすごく見たい!
【天網島時雨炬燵(てんのあみじましぐれのこたつ) ~紙屋内の段~】
近松門左衛門の「心中天網島」をもとに近松半二が改作した世話物、とのこと。
最初の治兵衛と太兵衛の諍い場面の語りは、咲甫大夫さん。おお、なんだかまるで文楽じゃないものを聞いているような忙しさ。この語り、疲れるだろうなあ。でも咲甫さんはノリノリ、楽しそうに見えました。
切場は嶋大夫さん。
小春を想い炬燵で涙を流す治兵衛に切々と語りかける妻おさん。
情感たっぷり系な語りをされる嶋大夫さんと、どちらかというとサッパリ系な人形遣いをされる玉女さん(治兵衛)&和生さん(おさん)の組み合わせが、今回はあまり合っておられなかったように私には感じられたのですけれど、どうなのでしょう。どちらが悪いというわけではたぶんないと思うのだけれど。この後のやっぱり情感たっぷりな簑助さんの小春ちゃんを見て、嶋大夫さんと簑助さんの組み合わせだったらまた違ったのだろうか、とも。
最後は英大夫さん。
ていうか簑助さんの小春ちゃんが・・・切ない・・・(>_<)!
簑助さんの舞台を観るのは十種香に続いて二度目ですが、本当にこの方の人形って独特ですね。舞台の上にいる間、ずーっと生きているように見える。人形から魂が抜ける瞬間が一瞬もないというか。動かずにじっとしている時でさえそうなのが、すごいと思います。
一方、動いている時は、簑助さんと他の人形遣いさんのこの違いは、テクニックの違いなのだろうか、遣い方(アプローチ)の違いなのだろうか、とそんなことを考えながら見ていました。つまり、もしかしたら、どちらが良い悪いというものでもないのだろうか、と。
簑助さんの人形はまるでリアルな人間のようで、微かな息遣いまで伝わってきますよね。あの遣い方を、他の人形遣いさんは「できない」のか、「あえてしていない」のか。そもそも文楽人形の究極の理想ってどういうものをいうのだろか、まるで人間のような人形が究極の理想なのか(もちろん人間では出来ないことも出来るというメリットはプラスするとして)、それとも違う理想形があるのだろうか。私は文楽超初心者なので、そういうことがまだよくわからないのです。芸談とか読んでみるとわかるのかしら。
でも、いずれにしても、華やかで胸が苦しくなるような魂の震えが伝わってくる簑助さんの人形が、私は大好きです。
そうそう、この演目。最後の心中場面までやるのかと思いきや、二人で網島に向かうところで幕なのですね。心中場面も観たかった。
子供の白無垢いっぱいにおさんさんとお義父さんからの手紙が書いてある光景は、なんというか、シュールだった。吉田屋は手紙を衣にしちゃうけど、こちらは衣を手紙にしたのね。
次回の東京の文楽公演は5月、玉女さんの玉男襲名ですね~。
一部も二部も観たいけど、チケットとれるかな。。