風薫る道

Who never feels lonely at all under this endless sky...?

映画 『パディントン』

2016-02-06 01:24:57 | 映画



思っていたよりずっと面白かったです
何度かホロリとしちゃったよ。
映像や効果も美しかった。やっぱりロンドンは雪が似合う 私はロンドンという街は冬>春・秋>夏の順で好きなのです。英吉利人は逆なのでしょうけど。
ペルーの場面もすごく楽しかった。エンドクレジットによると、撮影はペルーではなくコスタリカで行われたのね。

昔ロンドンで最初に住んだフラットがbakerloo line沿線だったので、慣れない頃はいつもこのパディントン駅を頼りに行動していたものでした。とりあえずここに出ることができれば安心&最悪歩いて帰れる、と。
そして当然のごとくパディントン熊も持っているのですが(駅構内で売っている)、どんな内容の話なのか今日映画を観るまで知りませんでした。こんな話だったのか。ちょっとアメリカ物語に似てますね。こっちの方がストーリーが温かいですけど。

そして本日一番の吃驚。
レミゼラブル25周年のテナルディエ旦那役のマット・ルーカスって、リトルブリテンの人だったんですね
今回の映画に出演しているのですが(wikipediaによるとパディントン地区出身なのですって)、映画を観ながら「リトルブリテンの人だ~。なつかし~」と思っていたら、帰宅して調べたら名前がマット・ルーカスじゃないの。テナルディエ旦那じゃないの。
リトルブリテン、結構好きで観ていたのに、レミゼ25周年を観ても同一人物だなんて全然気づかなかったですよ。。
でも、これと↓


これが↓


同じ人だなんて思わなくない??
・・・いや、思うか。思いますね。。

この『リトルブリテン』という英国コメディ、WOWOWでも放映されていたようなのでご存じの方も多いと思いますが、かなりドギツイというか辛辣な笑いで、例えばアジア人を笑いものにするようなものも多いのです。私的には「ギリギリ・・てかアウト」なものも割とあったのですが、同じく日本人の友人は「でも彼らは自分達のことも笑ってるからいいんだよ」と。まあ確かにそのとおりで、アジア人もアメリカ人もイギリス人も、障害者も健常者も、大統領もゲイもノンケも、彼らは全部笑い飛ばしているのです。
私などは自分を笑えば他人を笑うことも許されるのか?分別のない視聴者はかえってこのネタを差別のきっかけにするのでは?結局はそれでも自分達の国が一番という高みから彼らは降りてきていないのでは?とか今でもちょっと思ったりしてるのですけど、だとしても、こういうことを敢えてやるということ自体が実はなかなかできることではないのでは、とも日本にいる今は思うのです。
その国に現に存在している暗部や差別を全て公の場に曝して、皮肉にして笑う。ここまでできるのは、もしかしたら世界中でイギリスという国だけかもしれん、と。それを全部私が笑えるかどうかはさておき。

ところで今回のパディントン、とてもいい映画だったのですけど、終わり方が「色んな国の人達が集まるロンドン♪違った人も受け入れる、住みやすい街ロンドン♪」てな感じなのです。全く悪いことは言っていないのですけど、こうもストレートに自己肯定されてしまうと、自分達の国を真っ先に皮肉っていたあのリトルブリテンが懐かしくなってしまうのですから、私も勝手なものです。
それともあの曲も彼ら一流の皮肉だったり・・・はないか、さすがに。いや、意外と・・・?じゃあpretty japaneseも皮肉か?(ありそう) 考え出したらキリがない(^_^;) ここはやっぱり素直に観ましょう、素直に。


little britain usa opening


リトルブリテン米国編のオープニング。これかなり好き笑。
Little Britainというタイトルは、もちろんGreat Britainのもじりです。