コロナ禍のマスク生活になって1年半。
それによって改めて思い出させてもらったことの一つが、この世界は豊かな匂いで溢れている、ということでした。
この春に梅の花を「綺麗だなあ」と眺めていたときに、ふとマスクの隙間から艶やかな甘い匂いが薫ってきて、梅には匂いがあるということを忘れていた自分に驚いたことがありました。
そして、雨の匂い。
雨の日に散歩しているときの、カラッと晴れた日とは違う、湿気を含んだ空気の匂い。
そして、夜の匂い。
昼とは違う、夜の空気の匂い。
これも夜の街を散歩中にふとマスクを動かしたときに感じた匂いに、ああそういえば夜はこんな匂いだった、と新鮮でした。普段マスク生活で匂いから遮断されているせいで(私は二重マスクにしているので特に)、マスクを取ったときには嗅覚が敏感になってるのかも。
あの夜の匂いって不思議ですよね。どうして昼と夜とで空気の匂いが違うのだろう?日暮れすぐでも感じられるので、交通量の違いだけが理由ではないように思う。
夜は気温が下がって湿度が上がるから?でも夜にあまり気温が下がらない日でも、夜の匂いはあるような気がする。
植物の活動も関係してるのだろうか。植物は、夜は酸素を吸い二酸化炭素を吐いて、呼吸していると(正確には、昼も呼吸しているけど同時に光合成もしているので、二酸化炭素を吸って酸素を吐く量の方が多い)。
中学の理科って結構面白いことを教えてくれていたのだな、と大人になって気付く
私はご存じのとおりの性格なので(笑)、どちらかというと昼や晴れの日の匂いよりも、夜や雨の日の匂いの中にいる方が心が落ち着きます。不安な夜の後でほっとする早朝の匂いも好きですが。
こんなにも色々な匂いに溢れているこの世界は、やっぱり美しいな、と改めて感じるのでした。
コロナ禍で気づかせてもらえたものの一つです。