17日付読売朝刊の編集手帳には、次のように書かれていた。
独断専行で暴走しがちな同僚を諭して、麻薬捜査官が言う。「われわれはチームだぞ。チーム(TEAM)にI(私)の字はない」。同僚は内心つぶやく。「勝利(WIN)には私(I)が入っているよ」◆ドン・ウィンズロウの小説『犬の力』(角川文庫)のひとこまにある。
ふーん、そうなんだ、と思ったのだが、以前にも取り上げた『沈黙の要塞』にも、ほぼ似たようなセリフというのが登場していた。
確か悪者側の石油会社の手下に、ちょっとした「かしら」みたいなヤツがいるのだが、拷問相手に言うのである。
その石油会社には掘削職人の棟梁みたいなおっさんがいて、会社の不正な情報を知る。
BOPの欠陥があるのにも関わらず、その欠陥を知りながらリグに設置してしまい無理矢理稼働させようとする、という会社側の悪巧みがあったのである。その情報をパソコンで入手しフロッピーにデータを保存、工事現場の記録を書いた手帳と合わせて隠したのである。
このおっさんが隠したデータを取り返そうと、先の「かしら」が拷問するのだ。隠し場所を吐かせようとするものの、おっさんは口を割らずに死んでしまう。その敵討ちと会社の不正を暴く為に大活躍するのが、セガールという設定であった。
さて、問題のセリフは「かしら」がおっさんに尋ねた時に、言うのだ。おっさんは「I…」という返答をするわけだが、その言葉尻を捉えて、「かしら」が責めるのである。
ざっとの日本語でいうと、こんな感じだった。
「おれが(I)、おれが(I)、おれが(I)、って、俺たちはチームじゃないのか! TEAMはT、E、A、M、だ、I(おれ)は入ってねえ!!」
確かにそうだな、とは思ったが、悪者側が言うのが面白い。
因みに、おっさんは爆破テロの首謀者として、石油会社が発表するのであった。
発想としては、非常に判りやすい。
現実世界と何も変わらないのではないかな、と(笑)。
悪者が「誰かのせいにする」というのは、典型的な手口ということなのでは。
ま、ウィンズロウが映画のセリフを知っていたかどうかは判らないが、感覚としては、同じようなものなのかもしれない、発想は似通っているのかもしれない、と思えたのだった。
独断専行で暴走しがちな同僚を諭して、麻薬捜査官が言う。「われわれはチームだぞ。チーム(TEAM)にI(私)の字はない」。同僚は内心つぶやく。「勝利(WIN)には私(I)が入っているよ」◆ドン・ウィンズロウの小説『犬の力』(角川文庫)のひとこまにある。
ふーん、そうなんだ、と思ったのだが、以前にも取り上げた『沈黙の要塞』にも、ほぼ似たようなセリフというのが登場していた。
確か悪者側の石油会社の手下に、ちょっとした「かしら」みたいなヤツがいるのだが、拷問相手に言うのである。
その石油会社には掘削職人の棟梁みたいなおっさんがいて、会社の不正な情報を知る。
BOPの欠陥があるのにも関わらず、その欠陥を知りながらリグに設置してしまい無理矢理稼働させようとする、という会社側の悪巧みがあったのである。その情報をパソコンで入手しフロッピーにデータを保存、工事現場の記録を書いた手帳と合わせて隠したのである。
このおっさんが隠したデータを取り返そうと、先の「かしら」が拷問するのだ。隠し場所を吐かせようとするものの、おっさんは口を割らずに死んでしまう。その敵討ちと会社の不正を暴く為に大活躍するのが、セガールという設定であった。
さて、問題のセリフは「かしら」がおっさんに尋ねた時に、言うのだ。おっさんは「I…」という返答をするわけだが、その言葉尻を捉えて、「かしら」が責めるのである。
ざっとの日本語でいうと、こんな感じだった。
「おれが(I)、おれが(I)、おれが(I)、って、俺たちはチームじゃないのか! TEAMはT、E、A、M、だ、I(おれ)は入ってねえ!!」
確かにそうだな、とは思ったが、悪者側が言うのが面白い。
因みに、おっさんは爆破テロの首謀者として、石油会社が発表するのであった。
発想としては、非常に判りやすい。
現実世界と何も変わらないのではないかな、と(笑)。
悪者が「誰かのせいにする」というのは、典型的な手口ということなのでは。
ま、ウィンズロウが映画のセリフを知っていたかどうかは判らないが、感覚としては、同じようなものなのかもしれない、発想は似通っているのかもしれない、と思えたのだった。