いい国作ろう!「怒りのぶろぐ」

オール人力狙撃システム試作機

Wikileaksを巡る戦いで現出した「Stand Alone Complex」

2010年12月13日 17時21分30秒 | 俺のそれ
世界の構造が変化してきたことを思わせる出来事だった。
Wikileaksが世界中のサーバーから追い立てられ、恐らく政府系組織の手下どもによるサイバー攻撃によってダウンしかけた時、名もなき世界中の人々―Anonymousと呼ばれる掲示板の「名無しさん」と似た人々―が立ちあがったのだ。まるで西部劇の騎兵隊よろしく、それとも『パイレーツ・ロック』の沈没後に救援に現れた多くの船のように、ぼくには感じられた。窮地に立たされたWikilealsを救ったのは、名もなき人々が作った、数百ものミラーサイトだった。

その事実を知った時、何故か思わず涙がこみ上げてきた。
Wikileaksという存在には、これまで何らの関係もなければ、大きな関心さえも持っていなかったというのに、自分にとって重大な何か、という思いがした。そういう「何か」を感じないではいられなかった。


今までのWikileaks支持派の戦いを見ていると、思い浮かぶ構図がある。それは、Wikileaksには直接的な繋がりを持たない、指揮命令系統も存在しない、バラバラの個人が世界各地で戦っている、ということなのである。そこには、強制力の存在しない、ユルくて目に見えることのない関係というのがあるだけなのである。
恐らく、唯一あるのは、人々の信念、のようなものではないか。
それはアサンジ氏の考えている・目指しているものと同一かどうかは分からない。けれども、多くの賛同者や支持者が集い、行動している、というのは事実なのである。サイバー空間―ネット住人にとって最重要な世界―の自由と言論が脅かされているという危機を感じ取って、立ち上がった人々ではないかと思うのである。理想を守ろうとする信念と、互いの共感というものが支えになっているのではないか。

そのような共感こそが、国境を越えた協調行動を可能にしたのではないかと思う。ぼくにとってAnonymousが救世主のように見えたのも、そうした共感からだろうと思う。

こうした現象は、『攻殻機動隊 S.A.C』に登場する話とよく似ているように思えるのである。まさに、「Stand Alone Complex」なのである。
Anonymousは、「Wikileaks」という本体組織には無関係であり、そのネットワークや団体などに属しているわけではない、という、まさしくstand-aloneなのである。それでいて、世界中の個人が共に支持や賛同を表明して支える、という、まるで特定の団体であるかのような「複合体を形成」しているのだ。その複合体が一斉行動を起こせば、古典的と言われて鼻で笑われてしまったけれども、DDoS攻撃などといった手段を取らせることになるわけである。これは、誰かの命令でもなければ、強制でもないのだ。「呼びかけ」という、曖昧なものがあるだけなのである。


今後にも続くであろう、国家権力との対峙ということを考えると、こうしたSACの活動が重要になってくるだろう。「笑い男」に該当するのはアサンジ氏かもしれないが、「オリジナルなきコピー」のような現象は既に始まっている。たとえアサンジ氏が斃れるようなことがあろうとも、目覚めたAnonymousはそう簡単には止められない。Openleaksのような別組織が、まるで模倣のように活動を開始するようになる。これこそが、サイバー空間における共感と共闘の持つ意義なのではないか。


重要なことは、犯罪行為を増やすことや称えることではない。サイバー攻撃なんて、対策を立てられればそう簡単には通用しない。それよりも、恥知らずな連中に、恥をかかせるということの方が、よりダメージが大きいのである。
「人々の記憶、脳裡に刻み込む」ということこそが、最大の武器なのだ。それが昇華すれば、戦いの記録・記憶が歴史となり、物語を生むだろう。
カッシウス・ロンギヌスの名が2千年も刻まれてきたように、権力に跪いて協力をしたものたちの名を永く留めておくべきなのだ。自由と言論を奪うことに協力したものたちの名を、このネット世界で知らぬ者がなきように、物語を紡ぐのである。巨大な権力を有する国家が、多くの国民や世界中の人々をどのように騙し欺いてきたのか、「真実を知らしめる武器」をネット住人は守らなければならない。



サンディエゴの「暴走プリウス」は何故放置されているか

2010年12月12日 10時50分17秒 | 社会全般
何でも捏造の国では、何らの疑問も生じないのかもしれない。

そもそも、危険な車だ、ということで、販売停止にまで追い込んだわけだよな?
トヨタ車を狙い撃ちして。

サンディエゴの暴走プリウスを運転していた男は、到底「geek」って面じゃなかったんじゃないか?(笑)

「捏造する国」の何が信頼できるのか


あの男の狂言だった、といった可能性は捜査されたのか?
車両に直接的原因を見出せないのに、異常な走行となったのであれば、運転者と車を追いかけさせて放送したテレビ局なんかの「ヤラセ」であるかもしれないんだぞ?

そういうことを検証することなしに、暴走とか危険とか言われても困るわけで。
というか、そういう国を信じることはできんな。

で、そういう主張が退けられた後には、典型的な「属性批判」「個人批判」と同じことしか言えないというのは、笑えるわけだ。


神の御加護レクサスや暴走プリウスの出鱈目を放置する限り、そういう国を信じないというのは当然だよな?

ああ、脳みそが筋肉でできてるマッチョな国では、他人を陥れたり騙したりするのが常道の国ということなのかもね。それでいて、都合の悪い場面だけは、「オレとお前は友達だったよな?」とか言われても困るわな。




ああ「バンブルビー最高ー!!」って言いたいわけね(笑)

2010年12月11日 15時06分08秒 | 俺のそれ
なんか、潰れた会社のトップが吠えてるみたい。

はてなブックマーク - 「プリウスはオタクっぽい」 GMトップが異例の批評  :日本経済新聞


確かに、プリウスのスタイルが好きかって聞かれりゃ、個人的には微妙と思うけれど、別にいいんじゃないかと思うけど。
敢えてライバル社の主力モデルを槍玉に上げんでもいいのではないのかな(笑)。

好きな動物とかでもライオンやトラやクーガーを挙げる人間ばかりとは限らず、アルパカさんとかカピバラさんとか、そういう「ユルい」のを選ぶ人もいるわけだ。それを取りたてて批判してみたところで、しょうがないわけで。

ネチョネチョしたチョコバーとか、クソ甘いだけのチョコドーナツとか、食ってる連中の脳みそは大丈夫かと個人的には感じたりするけれど(そんなに病気になりたいの?笑)、アメリカ人の多くがそういうのを食ってるからって批判したりはせんよ。そういう風習なんだな、と思うだけ。いいとか、悪いとかっていう話じゃない。食ってる側にしてみりゃ、大きなお世話だ、ってことなんじゃないの?

それともナニか?
チョコバーなんか食ってるのは、脳みその弱い連中が脳に糖分を補給せんが為に必要なジャンクフードだ、みたいな解説を付けられて、「だからオレなら絶対に食わんな」とか宣言されてもよし、ってことなのか?
大会社のお偉いさんにしては、アレげな発言だな。


ま、映画トランスフォーマーをみれば判る通りに、「マッチョ称賛」だからな(笑)。
不発だった2作目の『トランスフォーマー リベンジ』は、駄作というか、超「お説教映画」化してしまっていて、どんだけ合衆国海兵隊称揚映画にすれば気が済むんだか、って感じ。

まさに、「出ていってくれ」と言っていた大統領補佐官の気分を味わいましたわ。


あれは、海兵隊に「もう防衛は必要ないから出ていってくれ」と求める我々のような人間がいて、本当に「ソレデイインデスカ」という説教をかませるという筋なんだよな。

海兵隊=サイバトロン軍団さ。
出て行けと要求するのは、沖縄の人々や県外移転派の人々=大統領補佐官という設定なわけでしょう?
敵のディセプティコンが中国や北朝鮮みたいな存在ってことですわな。


自らをオートボットたちに見立てているのは、正義の存在であることを強調して自己正当化を最大限まで行っています、ということなんですわ。
現実が、その通りに絶対的正義の存在であればいい。しかし、合衆国政府及び米軍の行ってきた行為は、そう断言できるのか?
それだけの自信がおありか?

何につけ、自らを正当化し正義と確信しているという傾向は、GMのトップのような人間にまで現れているわけさ。
彼の基準にあるのは、バンブルビー=カマロは正しく、プリウスはヒヨワのなよったようなオタクが乗る車だ、ということなんだよ。



脳みそが筋肉で出来ている国では、アカーソンが言うのは正しいのかもしれない(笑)。
かの国では、「傲慢」と書いて「自信」と読む、みたいなもんだ。



中国を批判できない「Wikileaks」排撃国家(笑)

2010年12月10日 20時15分12秒 | 法関係
彼らは、自らの正当性を固く信じていて、顧みるということを知らないようだ。
そのような人々にとっては、「彼らの信ずる悪の組織」を倒すのが何よりも重要ということなのであろう。
そして、彼らの決め台詞はきっと決まっている。

 「我々は正義だから、何をやっても許される」


確かにWikileaksの手法には、反対の声や疑問があるのは承知している。当事者である米国にとっても、極めて苦い薬になるだろう。けれども、そのことが言論の自由を脅かす理由にはならない。一例を挙げれば、中国にとっての違法行為というのと、米国にとっての違法行為という理屈は、何ら違いなどないのではないか?

中国、外国メディアの平和賞報道を妨害 国際ニュース : AFPBB News


この記事にあるように、
劉氏は、共産党の一党独裁体制の廃止など中国の政治改革を求める「08憲章(Charter 08)」の起草に加わったことが国家政権転覆扇動罪にあたるとして、2009年11月に懲役11年の判決を受け、現在獄中にいる。
ということだ。


中国にとっての、劉氏は「国家政権転覆扇動罪」なのだよ。
アメリカの短絡的思考しか持たない議員さんの言い草を借りれば、アサンジ氏も劉氏と同じようなものなのではないか?

だって、そうでしょう。
国の安全に関わるような煽動だかスパイ活動だかをしたようなものだ、っていうことで、「国内法で裁いてやるぜ」ということなのですからね。1918年にデブス氏を投獄したのと、変わらないでしょうよ。違いますか?

だから、あんた方には中国を批判する資格なんかない、って言ってるんだよ。
やってることは同じだからさ。考え方も一緒じゃないか。

不都合な真実を暴露されたら、泡を食って隠蔽しようとする、情報操作がバレたら誰かを投獄して誤魔化す、そういうようなやり口を使う国とはどこですか?
中国ですか?

「アメリカ合衆国」自身がやっていることなんじゃないですか?

そういう国が、偉そうに中国批判とは恐れ入る。
プーチンさんじゃないが、批判できる立場にない、ということでしょう。結局、同じなんだよ。アメリカも中国も。


カード会社とかが送金停止ということらしいが、こうしたカード会社は合衆国の「捜査」という大義名分の為に、顧客情報をいくらでも流してきたわけでしょう?
カードの使用した場所だの時間だのといった、個人の場所を特定できる情報は便利に使われてきたわけでしょう?
或いは、どんな趣味嗜好の人間なのか、探る為に有効活用されてきたんでしょう?

そういう企業が合衆国政府に協力する、というのも頷けますね。

国家の強権に対抗しようという方々にお願いしたい。
サイバー攻撃は、犯罪行為を生み出すだけなので、やらないで欲しいです。
けれど、国家権力に協力した企業一覧とか、そういう形でネット上の記念碑でも作って、永久に記録してあげるといいですよ。
汚名が永久保存される、ということです。ずっと、どこまでも不名誉を語られればいいのです。

そういう企業のカードを利用したいですか?
というような呼びかけを行えばいいんですよ。

向こうは、人々の記憶はいずれ消えてゆく、忘れてゆく、と高をくくっているんです。
ほとぼりが冷めれば、こうした活動なんかは薄れて消えてゆくってことで、甘くみているのです。

そうじゃない、ってことを思い知らせてやらねばなりません。
いつまでも、いつまでも、カード会社は政府に協力したんだ、って事実を何度も何度も喚起してやればいいんですよ。


そうだな、例えば、トヨタのレクサスの事件みたいなものですよ。

トヨタ問題で明らかになった米国の情報操作網

ギルバート教授は、後で反論する、って言ったのに、どうしたんですか?
公開実験は何故やらんの?

アメリカというのは、こういう不正を許す国だ、ってことを証明したんですよ。
映像を加工して、デマを垂れ流すのも当然なんだってことを証明したわけです。そういうマスコミを信じられますかね?
少なくとも、私は信じない。

NASAで調べると言ってたのに、結果はどうした?
止まらないプリウスの男はどうしたんだ?
偽計業務妨害じゃないのか?
あの車の調査結果は、ラフード長官の口から公表されたのか?
ん?
どうなんだよ。
神に祈ったら停車した、スミス夫人のレクサスの結果はどうなんだ?


要するに、やろうと思えば、どんなことだってできるってことさ。
そういう国家を信じられるわけないだろ。

そして、これに協力するマスコミも企業も出てくる、ってことさ。

そういう国家が、中国や諸外国を批判できる立場なのかね?


汚名は末代まで続けばよいのだ。



Wikileaksに諜報活動防止法適用を画策する米国の愚

2010年12月09日 21時30分59秒 | 法関係
参考>IT / 【オピニオン】米国はアサンジ氏を裁けるか / The Wall Street Journal, Japan Online Edition - WSJ.com


世界には笑える取締法というのがあるものだ。日本でもお馴染みの、5代将軍綱吉が制定したとされる「生類憐みの令」があった(参考記事)。アメリカでは、悪評高き「禁酒法」というのがあった。経済学徒たちから散々扱き下ろされた、「おバカな法律の典型例」として、未だに君臨している。
この禁酒法を制定したのは、先日取り上げたウィルソン大統領時代だった。彼は、歴代大統領の中でも折り紙つきの学者大統領でして、確か初の博士号持ちだった。超エリート校であるプリンストン大の学長まで歴任した、とても聡明な学者肌の進歩的大統領だったのだ。それなのに、ああ、それなのに、と。

かなりの道徳家だったのだろうか。穢れを許せないといった、潔癖症のような人だったのだろうか。それとも世間知らずの利用されやすい人だったのだろうか。良く判らないけれども、そんなに賢い人が、後世でここまで酷評される法律をどうして制定したのか、不思議ではある。単にマフィアを儲けさせたかっただけなのかもしれない(笑)。


禁酒法くらいならまだ笑って済む話かもしれないが、1917年制定の諜報活動防止法は現存する法律で、笑い話にはならないものだ。これも当然ながら、元プリンストン大学長のウィルソン大統領が制定したものである。ひょっとすると英国に米国の公電を傍受されていたので、腹を立てたのだろうか。そういうわけではないだろうと思うが、宣戦布告後に制定されたのだった。

実はこの法律によって、大統領選挙に立候補した人物が、第一次世界大戦への反戦内容を含む演説を行ったという理由によって、有罪判決となって投獄されたことがあるのだ。
ユージン・V・デブス - Wikipedia

連邦最高裁は、なんと10年の禁固刑を言い渡したのだ。そして、実際に逮捕され投獄された。21年に恩赦で釈放されるまで、獄中生活を強いられた、ということである。デブスの反戦演説が、そんなに危険なものだったのか?国家安全保障に関わるようなものだったのか?
自由の国を標榜するアメリカにおいて、その中でも進歩的と目されていた大統領の施政下であってでさえ、この法律は政治活動を行っていただけの人物を投獄させたのである。これが、自由の国、アメリカの真実だ。

そのウィルソン大統領は、1918年に煽動防止法も制定(確か23年に廃止された)しているのである。戦争参加に反対した新聞は、郵便での配達を禁止されたらしい。これは本当に報道の自由なのか?


このような法律を持ち、適用してきた国は、アメリカという自由を標榜する国なのだぞ?
そして、その用い方というのは、上記例の如く、どのような形をとってくるのか分からないのだ。いつ何どき、政府が狂ってしまい、法律を悪用して言論統制に用いるのか分からない、ということだ。拡大解釈とか、拡大適用というのを認めてしまうことこそ、報道を追い詰めることになるだろう。言論の自由を奪う口実を与えることになるだろう。

そのような危険性を顧みないのが、今の「自由の国、アメリカ」ということなのだろう。ならば、スローガンを変えてみてはどうだろうか。


自由を守ろうとしない報道機関が信じられない。
ましてや、諜報活動防止法適用を願うとは、どこの強権国家ですか、ということだ。
中国と変わらないではないのか?(笑)
君たちには、中国を批判する資格はない。


何故日本は元寇を撃退できたのか~2.日本の幸運

2010年12月09日 00時05分09秒 | 俺のそれ
日本の受けた元寇は、イングランドの条件と違っていた。

前の記事で触れたが、国内的に敵対勢力が外国勢力と通じているとか、敵軍中に自国民が混ざっているというのがなかった。言ってみれば「オールジャパン」体制を組むことができた、というのがまず大きい。国内勢力の内紛とか分裂を抱えていたイギリスでは、不利だった。戦力整備という面でも、精神的な面でも(いくつも用心するのは困難なので)、影響を与えたであろう。

1066年のイングランド軍がギヨームに敗北したのは、いわば「2正面作戦」を強いられたということがあった。国王の弟であったトスティが敵側にいた上、ハロルド2世は南にギヨーム、北にハーラル3世、という難敵を迎えることになった。日本の場合には、侵略戦力との直接対決に全力を注ぐことができた。

イングランド軍の戦力としては、職業軍人というような戦争のプロが多くはなく、地元の在郷戦力を主力にしなければならなかったが、デンマーク王クヌートに攻撃された時のエドマンド2世が抵抗戦力集めに苦労したくらいで、あまり戦力の拡大が望める状況ではなかったかもしれない。
日本の場合では、諸国武士が参加できる体制だった上、文永・弘安の役の2度とも九州の地元武士達でほぼ対応できていた。数的には、それほど遜色なく戦うことができたのだ。

船(建造、操船)の技術と言う点でも、ヴァイキングたちのような「海上戦に強い」戦力に比べて、元寇の船の技術はかなり劣っていたであろうと思われる。もし、もっと水上戦に強いヴァイキングのような戦力が相手であった場合には、もうちょっと違う部分があったかもしれない。
また、元軍は大陸での戦闘には馴れていたであろうけれども、水上戦ではそれほどでもなかったかもしれない。世界の大半を支配できた精鋭部隊は、日本侵攻の戦力中ではそう多かったわけではなかったようだ。せいぜい1万程度であり、残りは高麗軍とか、弘安の役の時の江南軍といった、元々の蒙古軍ではなかった。地形としても、大きな川がないことが、日本には幸いしたであろう。ヴァイキングは川を遡って侵攻したし、アヘン戦争の時の英国海軍も南京まで川を遡って攻撃した。日本の地形は、そうした攻撃には適さないものであったのと、相手側が地理・地形について情報が少なすぎて無知だった、ということに助けられただろう。地形に熟知している、というのは、戦略や戦術に大きく影響するからだ。映画の『300』にも出てきたエフィアルテスみたいに、敵側に地形情報をもたらす裏切り者がいる場合には、戦闘結果に大きく影響する、ということだ。イングランドはヴァイキングに何度も侵略を受けていた上に、トスティがいたことで情報が得られていたはずだ。元寇の場合だと、こうした情報源がなかったか、あってもほとんど役に立たない程度のものだったはずだ(大雑把にしかわからない、ということ)。

実数では、イングランド攻略の時の戦力だと、8千~1万程度の少数であったものが、日本侵攻軍では文永の役で約3万人、弘安の役では約14万2千人というほどの大部隊であったので、これを迎え撃った鎌倉武士たちは驚嘆に値するだろう。逆に言えば、大部隊過ぎて、上陸が困難になりやすい、ということはあるかもしれない。3500隻もの船(弘安の役の江南軍の数)から上陸させるのは容易ではない、ということだ。

ただ、2度とも上陸した後の陸上での戦闘が数日~1ヶ月程度続けられていたようなので、あまりに少ない数ということではなかったであろう。恐らく1万とか2万人の上陸戦力に対しては、地元武士たちが奮戦して追い返せたということなのであろう。


多分伝説になるくらいにヴァイキングたちは恐れられていたであろう、と思う。そのような風評は、戦いの際には怖気づかせるだろう。蒙古軍も同じく、ヨーロッパ侵攻までに恐れられるようになっていた。各地で残虐行為を実行してきていたからである。ロシアは勿論攻め込まれたし、ポーランド侵攻戦では、ポーランド軍、神聖ローマ帝国軍、ドイツ騎士団、テンプル騎士団、聖ヨハネ騎士団など、当時のヨーロッパでの主要戦力は惨敗した。1241年のワールシュタットの戦いで、蒙古軍の強さを知らしめた。僅か2万程度の軍勢で、当時のオールヨーロッパとも呼ぶべき戦力を完膚なきまでに叩きのめしたのだった。

ヴァイキングもそうであるが、蒙古軍にも噂が付きまとうことになるが、そうすると対峙した相手は戦う前から恐怖するだろう。そのことが、戦闘を有利に進めることに役立つだろう。しかし、日本には元寇の怖さというのは、それほど伝わっていなかったはずだ。よく分からない相手、ということだけだったろう。これが「鬼神の如き強さ」とかだと違ったかもしれないが、鎌倉武士にとっては、そう恐れるほどの相手ではなかった。開けた土地では強かったかもしれないが、日本はロシアや中央アジアや欧州のような、大陸国とは全く違ったのだ。蒙古軍の戦い方と騎馬戦力というのは、まさしくぴったりだったものが、日本という土地ではまるで違った、ということだ。


蒙古軍の弓は、当時の世界最強の飛び道具と考えてよく、イングランド長弓よりも威力が高かったと言われる。張りの強さが強力で、よほど腕力が強くなければ引けないような強さ、ということだ。初速が速く鏃が鋭かったので、欧州諸国の兵士が身につけていた鎖帷子が貫通される、というものだったらしい。射程によっては、板金鎧の金属さえ貫通されたらしい。なので、蒙古軍には欧州騎士たちは歯が立たなかった、という結果だったのだろう。

因みに、マムルーク朝のムスリム軍団10万人が蒙古軍を破ったとされるアイン・ジャールートの戦いでは、モンケ・ハーンが急死して殆どの蒙古軍が引き返してしまい、残ったのはほとんどがキリスト教徒軍団(ムスリムと長年対決してきた勢力―グルジア軍、アルメニア軍、ドイツ騎士団長アンノ・フォン・ザンガーハウゼン率いる騎士軍団など)だった。数的にも、主力の蒙古軍が抜けたので、約3万程度しかおらず、ムスリムの3分の1程度だったので、負けても当然という数だったろう(キリスト教徒たちは、蒙古軍を救世主として迎えたのだ。侵攻軍の司令官フレグの妻はネストリウス派だった)。

これほどの戦力を誇った蒙古軍をもってしても、日本攻略は極めて困難だった、ということだろう。それは、蒙古軍が得意としていた戦術が通用しなかった、ということに尽きるのではないかと思う。鎌倉武士たちにとっては、日本の土地そのものが自然の要害だっただろう。開けた土地が少なく、騎馬と弓の組み合わせ攻撃が、威力を発揮することができなかったのだろう。起伏に富んだ地形、雑木林などの遮蔽物が多数存在、欧州ほど都市化しておらず掠奪で補給というのが難しかった、などがあるかもしれない。


鎌倉武士たちからすると、戦闘の殆どを近接戦闘で戦って、相手の得意な形にさせなかったのではないか。日本側は地元武士ということもあるし、地形に熟知している面があって有利。大陸に比べて地形が複雑でゲリラ戦術に有利だったので、騎馬の弓戦で威力を発揮する蒙古軍には難しい戦闘だったはず。高麗軍などの歩兵戦力は、数的にはそこそこ揃っていたかもしれないが、日本側の騎馬武者が突撃で蹂躙して撃破、後は近接戦で練度の高い武士たちが圧倒したのではないか。欧州などでもそうだが、職業軍人と金目当ての「俄か兵士」たちとでは、戦闘時の働きに大きな開きがあるだろう。日本の武士たちの場合だと、地元武士たちは農業もやったりしていたかもしれないが、割と戦闘訓練を積んだ人間が戦闘に参加しており、平均的な武士たちの戦闘能力は俄か戦力に比べて高かったはずだ。

あとは、日本の武士たちが恐らく小柄だっただろう、というのがあるかもしれない。欧州などの戦士たちは、体格が大きいことで弓攻撃には恰好の的となってしまいやすいが、日本の武士たちは小柄でスピード重視の戦い方なので、弓攻撃が難しいということなのではないか。そうした鎌倉武士たちの威力が発揮されたであろう戦闘は、海上に逃げていった元寇の船の上での戦いだったろう。狭い場所、敵味方が入り乱れての密集体勢という中で、果敢に乗り移って切り込みに行った武士たちは戦果を挙げていたようだ。ゲリラ戦なので相手が混乱に陥り易いというのがあるとしても、近接戦闘での鎌倉武士たちの能力は如何なく発揮された、ということであろう。小柄、スピード、体のこなし、体術、そういうのに蒙古軍は殆ど遭遇したことがなかったはずだ。どれほど騎馬能力や弓の能力に優れていたとしても、密集した船の上で接近戦を挑まれたら、鎌倉武士には歯が立たなかったということだろうと思う。


こうして、日本にはいくつかの幸運などがあり、元寇を撃退できたのではないかな、と。



何故日本は元寇を撃退できたのか~1.イングランドと比較する

2010年12月08日 12時59分12秒 | 俺のそれ
唐突に始まりましたが(笑)、最近ネット上で元寇についての言及を幾度か目にしたので、以前から気になっていたことを書いてみようかな、と思いました。

日本は偶然か神仏の加護か分かりませんが、運良く撃退できたわけです。
世界の他の例と比べてみれば、何か分かることがあるかもしれない、と思いまして、全くの個人的素人見解を書いてみようと思います。


イギリスは日本の置かれた立場と似た部分があるかなと思うわけですが、大陸側からの侵攻・侵略を度々受けていました。元寇は13世紀ですので、日本の状況と単純比較はできないでしょうけれども、ノルマンディー公ギヨームの征服から考えてみようと思います。


1)イングランドの当時の状況

スコットランドとの内部的な紛争を抱えたままだった。日本のように諸国の統一的行動というのは難しかった、ということがあるだろう。
もっと大きな要因としては、既に幾度も侵略を受けていた、という歴史がある。古くはローマ帝国の征服があったし、デンマーク王の支配下にあった時期もあった。

デンマーク王クヌートはデンマークだけでなくノルウェー王でもあった。そのクヌートが1015年頃にイングランドに侵攻、数十隻~100隻程度の大船団がサンドウィッチに上陸した。ロンドンはクヌートと共に侵攻してきていたエイリークの軍勢などに包囲され、イングランド王に就位したばかりのエドマンド2世が必死の抵抗を試みた。

それでも優位な軍勢を有するデンマーク軍にはかなわず、和平交渉が行われた。テムズ川で支配地域を二分し、どちらか一方が死んだら相手側に譲り渡すという取り決めとなった。その後、エドマンド2世が死亡し、クヌートがイングランド王に就いたのである。

この後も、デンマーク王の支配下に置かれ続けたが、ノルマンディーに追放されていたエドワード懺悔王が呼び戻され、1042年以降はハーデクヌート王から引き継いでイングランド王に返り咲くことができた。それまでは、北欧の王がイングランド王を兼務していた、ということなのである。

つまり、当時のイングランドの歴史とは、外敵からの侵略の歴史、と言っても過言ではなかった、ということである。日本のように、侵略を受けていなかった地域とはまるで違った環境だった、ということだ。


2)イングランドは侵略され易い地形だったのか?

日本と違う部分というのは、まず地形があるだろう。これが最大の要因なのではないかと思う。
日本は、山が多い。そして、森や雑木林などが多い。
イギリスの山は、日本と比べて、決定的に「低い」ということが言える。

イングランドにはほぼ高い山はない。せいぜいが数百m以下でしかない。スコットランドの1344mが最も高いが、他には1000m級の山はウェールズにあるだけである。どちらかといえば、低地が多く、大陸国のいくさのやり方がまるまる通用してしまう、ということだろう。

それと、川の問題がある。
日本の山が高い、ということは、川は多くが急峻になりやすく、大河が出来にくい、ということなのだ。これは決定的な地形要因となるだろう。


3)強力な海軍国が近くにあった

これは、言わずと知れたヴァイキングのことである。クヌートの時代より更に100年ほど前に遡る頃から、ヨーロッパ世界でほぼ最強の部類に入る軍事的組織(集団)といえば、ヴァイキングだったであろう。非常に恐れられていたはずである。寓話的に登場する「巨大な手斧を持つ巨人」の戦士のイメージというのは、彼らがモデルだっただろうから。
大陸にいる騎士の類と比べて、圧倒的な戦力という風評があったのではないかな。

まず、デカい。
平均身長がとてつもなくデカい。これだけでも、泣かせるには十分だ。相手はびびるぞ。
それと、主要な武器が斧、というのも超コワイ。普通の騎士とか歩兵のイメージしかない人間からすると、見たこともない武器の使い方をされたら、そりゃあ怯むってもんだ。

そういうこともあってか、ヴァイキング軍団はヨーロッパ各地で強かった。掠奪なんかをやりまくった。それが生きる方法だったからだ。地中海まで船で遠征していった。黒海にも当然ながら到達していた。
それと、大きな川のある所には、ほぼ行った。驚くべきことに、何とヴォルガ川を伝って、カスピ海くんだりまで到達していたのである!
途中の陸地の部分は、船ごと運んで行ったそうだ。
恐るべし、ヴァイキング。
セーヌ川流域も当然攻撃対象であった。その侵略に手を焼いた為に、ヴァイキングの中の頭目だったロロに地位と土地を与えて防御させるようにしたのが、「ノルマンディー公」の由来ということである。ヴァイキングを倒せるのはヴァイキングだけ、というようなことかな、と。

このように、ヨーロッパ世界ではその名を轟かせていたヴァイキング軍団は、200年も前から幾度となくイギリスや周辺を襲撃してきたわけで、地形などについてもほぼ熟知していたであろう、と思われるのだ。フェロー諸島、シェトランド諸島、オークニー諸島などの占拠を許し、その後にはアイルランド島と大ブリテン島にも度々侵攻してきていた。

デンマーク王クヌートが侵攻してきた頃には、彼らの船と操船技術は最高水準に近く、周辺地理・地形についてもよく知るようになっていた、ということがあるのではないか。


4)スタンフォード・ブリッジの戦い

エドワード懺悔王の死後、ハロルド2世がイングランド王に就いた。彼には追放した弟のトスティがおり、イングランド王の地位を狙っていた。トスティはノルウェー王ハーラル3世の臣下となり、彼と共にイングランド攻略を企てたのである。

ハーラル3世は2mを超える巨人と言われており、そのような男が2丁斧を振り回して戦えば、そりゃあ、戦慄するのも無理はない。

さて、ノルウェー軍とトスティは船団を組んで、スカボローを襲った。
当時、イングランドを防衛せねばならないハロルド2世は、フランスから侵攻に備えて、ドーバー側に主力を集めていた。北側はがら空きだった、ということだ。その機をついて、トスティらはハンバー川を遡って、ヨーク付近に上陸作戦を敢行したのである。

これを最初に迎え撃ったのは、マーシア伯とノーサンバーランド伯であるエドウィンとモルカール兄弟だった。が、300隻、1万の大軍団の前に、潰走することとなった。やはりヴァイキングは強かった。ノルウェー軍は圧勝に気を良くし、周辺地域を次々と襲っていった。高額な身代金を要求する為の人質も集めた。

この敗戦を聞いたハロルド2世は、兵を動かすかどうか迷ったが、「ハロルドの大返し」とも呼ぶべき、大移動を敢行した。300kmの距離を僅か6日間で移動し、スタンフォード・ブリッジ付近に駐留していたノルウェー軍を急襲した。在郷軍数千人と共にノルウェー軍に立ち向かい、撃破したのだ。自らの弟であるトスティと、最強ヴァイキングとも言うべきハーラル3世を討ち取って、事実上ヴァイキング黄金時代を終結させたのである。
生き残った者たちは船に逃げ帰った。地上では敗れたとはいえ、水の上での戦いでは依然としてヴァイキングが最強だったからだろう。ノルウェー軍は引き揚げていったのだ。

だが、戦いはここでは終わらなかった。


5)ヘイスティングズの戦い

ヴァイキングによる上陸戦に勝利したハロルド2世だったが、再び南で戦わねばならなかった。

ノルマンディー公ギヨーム(ウィリアム)がぺヴェンシーの海岸に上陸したからである。ギヨームはハロルド2世領で掠奪の限りを尽くして、ハロルド2世をおびき寄せたのだ。ハーラル3世を破った後の回復には時間がなさすぎた。数の補充も不十分な上に、精鋭の兵士たちも失った直後であった為、不利な状況で戦うことになったのである。もっと戦いの時期を遅らせていれば、北部の部隊も合流でき、数的戦力では圧倒できた可能性があった。

ハロルド2世率いるイングランド軍は、親衛隊(ほぼ専業の戦士、歴戦の傭兵たち?)約2千と在郷軍約5千。ギヨームのノルマン軍はブルターニュ伯アランとブーローニュ伯ウスタスを両翼とする約7~8千。両軍はヘイスティングズで激突した。

イングランド軍は防御陣地の好条件と親衛隊の強力な攻撃で、ノルマン軍をはね返した。親衛隊の手斧は、ヴァイキング譲りの攻撃で、騎兵の馬の首を一撃で切り落とすことさえできたらしい。これには兵士だけではなく、馬も怯えたであろう。
いずれにせよ、ハロルド2世の弟ギルスがまず戦死し、厳しい消耗戦の中から僅かなチャンスをものにしたギヨームがハロルド2世を討ち取ったのである。ハロルドの目に矢が刺さったかどうかは、定かではないらしい。が、フランス騎士軍団が無謀な突撃を繰り返して、その一部がハロルド2世を倒すことに成功したということである。


こうして、イングランドはノルマンディー公の支配となったのである。
イングランドは上陸作戦とその後の攻撃を受け、結果的に破れ去った。


Wikileaksのアサンジ氏逮捕~「sex by surprise」容疑?

2010年12月07日 19時59分58秒 | 社会全般
んー、英国警察としては、そうせざるを得なかったということなんだろうけど。
ただ、スウェーデンの方がどんな容疑で追いかけていたのか、というのは問題かもね。


サウンドバイトにご用心。国際指名手配のWikiLeaks創始者ジュリアン・アサンジ、「性犯罪」容疑の中身とは? : ギズモード・ジャパン

(一部引用)

スウェーデン法では、女性がコンドームをつけるよう男性に求めてもつけない場合、たとえセックスが完全に両者合意の上であっても、女性は男性を訴えることができます。まさにこれが今回のケース。この犯罪行為をあちらでは「sex by surprise」と呼び、有罪が確定すると罰金最大5000スウェーデン・クローナ(6万円)の刑となります。懲役刑にはなりません。

Daily Mailが入手した警察の調書によると、アサンジ氏は今年8月11日、ストックホルムで開かれた社会民主党主催のイベントで原告の女性2人と知り合った模様です。

最初の女性は「アサンジのアパートで性交渉の最中、コンドームが破れた」として彼を訴えました。でも翌朝ふたりとも普通に振舞う姿が目撃されているので、何日か経ってから不意に女性の気が変わって破れたコンドームの件で彼を訴える気になった、ということになります。

2番目の女性(27歳のフォトグラファー)の警察への供述も妙なんですよね...。女性がイベントに出席したのはアサンジの大ファンだったからで、その日は他の人と同席だけど氏と一緒にランチまで漕ぎ着けた、と。それから2日後、電話で話し、ストックホルムから64km離れた自分のアパートに彼女の方から彼を招待した。切符代は彼女もちで。太っ腹ですね。彼女曰く、アサンジ氏には現金の持ち合わせもクレジットカードもなかったそうですよ?

そこまではいいんだけど、列車で移動中も「彼は私より自分のコンピュータの方に気を取られていた」ので、自宅アパートに着く頃には「情熱も興奮もすっかり消え失せていた感じだった」。でもまあその夜はコンドームを使って性交渉はした、と。

翌朝再び性交渉したのですが、今度はコンドーム使わなかったって言うんですね。この点についてニューヨーク・タイムズは女性の友人たちから、コンドームを付けるまで嫌だと彼女が訴えても彼は聞く耳を持たなかったのだ、という談話を取っています(取材ご苦労様...)。でもまあその朝も性交渉はした、ということです。

アサンジ氏は無理強いなんか全然してない、と主張してます。女性側も警察への最初の供述ではレイプされたとは訴えてなくて、あの朝コンドームを使わなかったのが問題だと言ってたんです。


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全然知らなかったんですが、そういう「罪」があるんですね。
ま、いずれにせよ、陰謀論的なものが感じられるわけで、そういうのを正当だとする国々や機関があれば、今後の見方としては「ああ、そうなのね、強権には負けるのね」というふうになりますよね。


ロンドンで拘束というのは、むしろ「身の安全」を考えてとか?
そうなら、それはそれで意味はないわけではないでしょうけど。英国紳士を信じてますけど、期待を裏切らないでね。


ウィルソン大統領は『ツィンメルマン電報』を公開した

2010年12月06日 17時00分34秒 | 外交問題
1917年の有名な事件がこれだ。

ツィンメルマン電報 - Wikipedia


英海軍諜報部の「ルーム40」が、米国大使館の公電傍受をしており、そこから得られた情報だった。
様々な策謀を駆使して、結果的には米国にもたらされた。そして、この電報は、ウィルソン大統領から米国マスコミへと公開されるに至ったのである。

第一次世界大戦参戦の理由は様々あろうが、この電報公開はその一部をなしていたかもしれない。

このように、他国の公電を傍受したりしていたわけで、これが「正しい」とか言う話などではなく、国家が行えば正当化されるが別な人間が行えばただの犯罪者扱い、というのは、どうしてなのだろうかと思うわけである。

別にスパイ行為を称揚するわけでもなく、正しいとか正義だとか言うつもりもないが、ただ「ジェームス・ボンドが行うのはいいテロ」とか「ウィキリークスが行えば悪のテロ」みたいな言い草になるとでも言うのでしょうか?


歴史ということで、事後的に明かされるのはいいが、最近のものはダメということかな?
けれど、今更カワイ子ぶって、「あ~ん、まさかそんな酷いことを言っていたり、していたなんて」とか言うつもりなのか?
どうせ、多かれ少なかれやっていたんでしょう?
汚い策略とか、権謀術策なんて、当然ということでやってきたわけでしょう?
それを、この期に及んで、いい子ぶるんじゃないよ、偽善者ぶるのもいい加減にしろよ、ということなのではないですか?


国家がどんなことをやり、どんな汚い手を使っているかということくらいは知っておいてもいいのではないか、という話である。
ああ、合衆国大使館員の小説家としての能力も、若干楽しみではあるかもしれない。


泣けた

2010年12月06日 12時18分39秒 | 俺のそれ
ネットからの排除に反撃=同一内容サイト続々出現―ウィキリークス (時事通信) - Yahoo!ニュース

世界のどこかに、熱い心を持った人たちがいてくれるのだな、と、改めて感じた。

ぼくには、そんな勇気もなければ、実力もないから、これといって何もできないのだけれど、
ただ、あるのは、信じることだけ。

ああ、誰かを、何かを信じるって、こういうことなのか。
ぼくにできるのは応援することくらいしかないのだけれど、「世界が見ている」ということを、向こうに思い知らせなければならないんだ。


世界が見ているぞ、とみんなが大声で言ってやることが、命を守る唯一の方法かもしれない。



sengoku38が偽計業務妨害で強制捜査されない不思議(笑)

2010年12月05日 18時07分29秒 | 社会全般
例の公安機密文書流出事件の続報らしいですが、記事からすると、何だかよく判らないのですよね。

asahi.com(朝日新聞社):「公安情報」流出、通信記録を押収 警視庁が強制捜査 - 社会

(以下に一部引用)

人事1課によると、令状の容疑は10月下旬ごろ、ファイル交換ソフト・ウィニーのネットワーク上に文書を出して不特定多数が閲覧できる状態にし、11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を控えてテロ情報の収集などにあたっていた外事3課員らの業務を妨害したという内容。
 捜査関係者などによると、流出文書はルクセンブルクのレンタルサーバー経由でウィニー上に公開され、拡散した。
 警視庁は、このうち早い段階でウィニー上に公開したパソコンのIPアドレスを割り出し、プロバイダー数十社に、契約者に関する情報や通信記録の任意提出を求めてきた。しかし、個人情報保護の面から応じない業者もあり、強制捜査に切り替えたという。今後必要があれば2社以外からも令状で押収する。
 ルクセンブルクのサーバーをはじめ海外のプロバイダーなどについては直接の捜査ができないため、国際捜査共助の形をとったり日本支社に協力を求めたりするという。


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文書の中身が真実ではない、という建前(笑)であっても、刑法に基づく捜査ってことなのですよね?
なのに、どうして「尖閣ビデオ」の流出は任意捜査なんですか?あれには、何故偽計業務妨害を適用しなかったのですか?変ですよね?
だって、海保職員に「流出元」の調査をさせるなどして、海保職員の業務を妨害したんじゃないですかね?
それとも、検察職員をして「検察内部からの流出はなかった」という内部調査をさせたわけですから、他の検察業務を抱えていた職員等に流出の有無の調査をさせるなどして業務を妨害した、という論が成り立つのではありませんかね?(笑)

なのに、どういうわけか、偽計業務妨害罪での強制捜査は行わず。
どうしてなのかな?
海保の航海士にこそ、それを適用したらいいのではないか?
で、違法性の有無は、「裁判で決着をつけよ」ということにすればいいんだよね?それをしない理由というものが、全く分からない。sengoku38の捜査を担当したのは、東京地検と警視庁だったんでしょう?

おかしな話だな。


上の朝日新聞の記事からすると、ちょっと疑問があるのだよね。
ルクセンブルクのサーバにはアクセスログが残ってないか、提出を受けてないってことですよね?それなのに、IPアドレスだけは、先に分かっていた、ということですか?それもヘンな感じですよね?それは本当なんですか?

喩えがヘンかもしれないが、一応、IT無知のオイラの理解で書いてみるから。
まず、犯罪の行われた場所がシアトルだったとする。
犯人は、シアトルに到着する前に、どこかの空港を経由している。それはどこなのかは不明。で、出発地が日本のどこかだってことは判っているとしよう(それも本当かどうかは分からないけどね)。そうすると、東京からの国際便の全てを調べなけりゃならない。
地方空港のどこからか東京やって来て、もしくは元々東京にいて、東京からの便に乗ったわけだ。行き先は、パリ、ロンドン、ニューヨーク、香港、シンガポール…、という具合に、何処だったのか不明なのだ。そして、そこから更にいくつかの空港を経由して、最終的にはシアトルに辿り着いて犯行が行われた、と。

これで犯人を探そうというのが無理だよね。記録が残っていれば、シアトルに来た乗客の中から、どの便でやってきたか(どこからアクセスしたか)というような情報か手掛かりがあるはずなのだ。だけど、それが不明で、中継地点も不明なのに、IPアドレスだけは特定できていた、というのは、不思議なのですよね。当初の報道でも、セキュリティー会社の人たちはアドレスを解明できていなかったはずでしょう?
サーバの場所がルクセンブルクという情報だけだった。


もしIPアドレスが判明しているのであれば、どこのプロバイダを使ったのか、というようなことが分かるのでは?
sengoku38の場合だって、ごく普通の自宅からのアクセスがあった(5日に削除したのは自宅からだった)ので、そのIPアドレスを特定できていたのだから、プロバイダ情報が確認できていたはずで、そうすると、プロバイダに照会してその時刻にアクセスしていた人物は特定できたはずなのだ。
なのに、どういうわけか、漫画喫茶の方を大騒ぎして、削除した際の個人の特定をできたにも関わらず、しなかったというのは解せないのである。大体、ユーチューブからアクセスログを取るのに、裁判所令状で証拠を押さえたのだから、削除した際のログを差し押さえないわけがないのだ。そちらのIPアドレス情報から、一般的に利用されているプロバイダは判明するはずであろう。プロバイダが分かるなら、何十社もの記録提出を求める必要などなく、特定の1社だけでもいいはずだ。
警察は「何か特定の情報」を狙って、2社に令状を取って情報を取ったものと思うけどね(まさか、オレのパソコンとか?笑)


まあ、いずれにせよ、奇妙な事件ではある。
隠そうともしない、というのと、事実を認めない、というのからして、釣り情報とかトラップの可能性があると思うが、どうなんだろうね。

それと、尖閣ビデオ流出も同じく偽計業務妨害で捜査やるんだろうな?
流出した中身には無関係にできるんだよな?
秘密に該当するかどうか、なんて関係ないんだってよ。ラッキー!

さっさとやってくんな。
もし、これができない、或いは裁判にもならない、ということなら、やっぱり壮大な陰謀か裏がある、ということの証拠だろうね。

検察は、何かを隠している、ということかな?
東京地検には、何があるのかな、と。



『Wikileaks』から学ぶ”国家権力によるlockout”

2010年12月05日 12時49分06秒 | 社会全般
ネット世界の自由は、サイバー空間にこそ存在すると信じられてきた。しかし、その自由は奪われようとしている。サイバー空間に存在しているものでさえ、実体への攻撃からは逃れられない、ということなのである。そうした攻撃は決して仮想などではなく、まさしく「リアル」なのだ。サイバー空間という「自由な逃避先」が権力によって支配され奪い取られるという危機が、目の前に現れてきたのである。

今回のwikileaks事件が教えてくれることは、、”超リアルな”力への屈服である。民衆が手にできたであろう「国家の犯罪」への対抗力が今まさに失われんとす、という絶望の淵にいるのだ。国家権力という現実に作用する強大な力には誰も敵わない、という事実を思い知らされるのである。ここには、映画やアニメに出てくるようなヒーローは、いない。超人的活躍を見せる「正義の味方」なんか、現実にはどこにもいない。悪の組織の方が勝利してしまう、というのが、本当の世界なのである。力がある者が、勝つ、これこそがリアルなのだ。


一般大衆が新たに手にしたかに見えた”力”は、あくまで幻想に過ぎなかった、ということであろう。言論統制や検閲、そうした力に対抗してきた歴史は、ここに潰えてしまうのかもしれない。

Wikileaksを世界中のサーバーから締め出してしまうと、サイバー空間には存在できなくなってしまう。どこかには必ず本体が存在しなければならない。その本体を直接攻撃できてしまうと、存在できなくなってしまう。次々と乗り移る「箱」があればいいのかもしれないが、アメリカをはじめとする強大な国家権力が圧力をかけることで、公的機関として対応せざるを得なくなる国は多いだろう。それに、どこまでも追跡されてしまうから、乗り換えるのも中々難しい。普通のサーバー提供会社が怖気づいてしまうのは致し方のないことだ。

これに対抗できる存在など、世界中の先進国にはあまりないだろう。
かつて国家の対抗策は非常に遅れていたのかもしれないが、今では随分と向上しただろう。おまけに、ネット世界には権力機構から放たれた猟犬たちがうようよいるから、それら猟犬の追跡を振り切るのも困難になっているだろう。

こうして、「ネット八分」のような事態が発生することになる。どこか辺境な場所に追いやられて、遂には排除されるということになってしまうのである。実体を置けるサーバーから締め出してしまいさえすれば、サイバー空間そのものから駆逐できる。
(ちょっと追加:
以前に書いた『パイレーツ・ロック』の映画を思いだした。彼らの放送は政府の権力に追い詰められてゆく。放送電波や番組に手を出すのが困難であっても、実体を伴う「船」にアタックされると対抗できないのだ。)


確かに国の情報が何でもかんでも漏れてしまえば、危機的状況に陥るということはあるかもしれない。そういう意味では、全部を公開すべきということにはならないかもしれない。だが、国家が隠している重大犯罪は、隠蔽されたままでよいのだろうか?
これがマスコミならば正当化される、というのも、疑問なのだ。マスコミだって、カネや権力に支配されてしまっているではないか。特定のイデオロギーに染まって、それに沿った行動をしているマスコミ企業だって、いくつも存在しているじゃないか。そうした企業群が、本当に良識や正義に基づいて行動するなどと信じることができるだろうか?

既に国家や権力機構の一部に組み込まれたマスコミでしかないのに、それを信じろと?そうではない、と言い切れるマスコミ企業がどれほどあるのだろうか?

Wikilaeksの信憑性についての疑問などが出されていることは、知っている。この存在そのものが、国家の情報操作の一環ではないかという疑いが向けられていることも理解できる。たとえそういう可能性があるとしても、国家権力がネット空間での言論や情報を完全に支配・統制できるということになると、一般大衆は対抗手段を失うことになるだろう。

別の、第2、第3のWikileaksが誕生し、世界各地で活動をするかもしれない。
悪逆非道の国家に対抗する方法として、それが役立つことがあるかもしれない。そういう時にも、同じく「取り締まり」をするというのだろうか?当該国家の要請があれば、サイバー空間からの締め出しをすると?
例えばアメリカには従うが、当該国家には従わない、というのもヘンな話ではないのか?


この問題は、彼らだけの問題なのではない。

一般ネットユーザーの、自治とか、自律的なルールとか、そういう問題なのではないかと思う。権力の介入を許せば、今後に禍根を残すことになるのではないかと恐れる。どんな理由を付けてでも、潰しにやってくるだろう。それは、アメリカだけとは限らない、ということだ。その時、ぼくらに対抗できる手段は果たして残されているだろうか?



sengoku時代の終わり?(笑)

2010年12月03日 16時16分29秒 | 政治って?
まだよく判らないみたいですが。

官房長官を引っ込めて、内閣の「マイナーチェンジ」でも目指そうって腹でしょうか?

そんなことをしたって、菅総理が変わるわけではないので、所詮は付け焼刃に過ぎない。しかも、これまでの登板してた閣僚というのが、言ってみれば「先発ローテーション」を元々期待されていたと目される有力人物が優先的に割当られてきたわけで、それでもこのあり様、体たらくということですから、「お前ら2軍行きだ」と外してみたところで実績も実力もない「2線級」が登場してくるだけなのでは。

結局は、誰がなってみても大差なし、ということになってしまうのではないのかな。