日々雑感

読んだ本やネット記事の感想、頭に浮かんでは消える物事をつらつら綴りました(本棚7)。

「エンピツ画のすすめ」

2009-12-20 12:35:20 | エッセイ
風間 完 著、朝日新聞社(1987年発行)

もう一つ、鉛筆画の本を読んでみました。
著者は大正生まれの画家で、絵にとどまらず小説の挿絵など多数手がけた方です。
美人画の表情が素敵です。
「あ、この絵!」とたぶん、誰もが一度は目にしているのはないでしょうか。
最近もどこかで見かけたなあ・・・と思って検索したら、TVドラマ「高校教師」で有名になった森田童子のCDジャケット(ベスト盤)でした。
http://www.gogorocket.jp/doji/h/m-cd1.html

前回の永沢まことさんの本は肩の力が抜けていましたが、こちらは大正生まれの頑固親父系ですね。
絵画論にとどまらず、世間一般の文化・文明論までカバーし・・・時にお説教を聞いているような雰囲気になってきます(苦笑)。

■ 「何事もモノにするには時間がかかる」「素人の絵は自由でいい、プロになると厳しい世界」
など、ホントに勧めているの?と疑いたくなるような表現もあります。

■ 「描いたら、人の目にさらすこと」
という、永沢さんと同じことも書いています。
自分の世界だけでは独りよがりになりがちなので、他人の目にさらして批評されることにより進歩・成長するとのこと。

■ 「写真を参考にするのも可」
私は素人ですが、この意見には不賛同です。
前出の永沢さんは、
「モノを描くときは、それを初めて見た宇宙人になったつもりであんぐりと口を開けて見つめることが必要」
と書いています。ウ~ン、こちらの方が頷ける。
紙の上に絵を描くということは、三次元の空間を自分なりの方法で二次元に変換させるということ。
この翻訳作業に皆苦労し、また技術の粋を集中させるのだと思います。
既に三次元→二次元の翻訳が済んでいる写真を模写しても、その人らしさは出てこないのではないでしょうか。

まだ描いてもいないのに生意気なことを書いてしまいました。失礼。



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