大学の時の女性
大学時代の女子医学生について書こうと思う。私は中学、高校と男子校で過ごしたため、女に免疫がない。もっとも、それと関係なく、私は内気なので女性と話せないのである。私は同じクラスの女性を心の中で切なく片思いしていた。私は女と話してる男が天才のように見える。どうしたら、ああいう芸当が出来るのか。しかし私は一人ぼっちなためか、よく女に同情された。一年の時、体育で水泳の時間があった。女は全員、見学である。しかし、女の中に、一人、堂々とした子がいて、彼女は照れることなく、男と堂々と話していた。彼女は子供の頃から野原を駆け巡っていたような子なのだろう。女なのに運動神経がよく、どんな運動をやらせても上手い。
彼女は、私を孤独をかこつ、ひねくれ者と見ていたのだろう。はじめの頃は、私など眼中に無かった。しかし、四年の時、生化学のある実習の発表の時、私が訥弁ながら熱心に説明しているのを見て、それ以来、私に対する見方が変わってしまった。彼女は積極的なので私に遠慮なく、どんどん話しかけてきた。私と友達になりたいのである。しかし私は女と話が出来ないのである。嫌ってるわけじゃない。一言でいうと私は他人に女とデレデレしてる姿を見られたくないのである。それで、よく女に誤解を与えてしまった。
ある実習の時、彼女は近くの男に顔を赤くして言った。
「好きな人がいるの」
近くの男は言った。
「じゃあ、好きだ、と言えばいいじゃない」
彼女は言った。
「でも、相手の人がどう思ってるか、わからないの」
と言って困っていた。
もちろん、私の事である。私も近くにいて私に聞こえるように言っている。私は緊張して、心臓が止まるかと思ったほどである。ややこしい性格で悩ませてしまってすまない。私は嫌ってはいないが、女と話が出来ないのである。
二年の体育の授業の水泳の時も女は全員、見学だった。だが、彼女は、運動が好きで、あっけらかん、とした性格で、男に水着姿を見られる事に何の抵抗も持っていなかった。男子の水泳がおわって、女子の番になった。だが、水着に着替えてプールに立っているのは彼女一人である。一瞬、見た彼女の水着姿が忘れられない。彼女の水着姿の女のもっこりした部分は私の網膜に焼きついて、一生、とれないだろう。
素晴らしいものを見せてくれてありがとう、と言いたい。
しかし、長く観察されると私の性格はばれてしまう。三年の時の解剖学では、四人で半年、一緒に勉強した。私の後ろの女性は、やたら明るく、しかしきれいで、入った時からドキンとしていた。彼女はゴルフ部だった。ゴルフ部を選ぶということから、その性格もわかる。ゴルフ部は男も女もいて、男とつきあいたいと思ってる女が入るのである。彼女はやたら明るく、暗い性格の私が隣で彼女に申し訳ないと思っていた。彼女は呼吸器科を選び、今も明るく、ネットでも大阪のブラックジャックとして紹介されている。
6年の時のポリクリ班も5人で、一年、一緒に勉強した。紅一点で一人かわいい子がいた。彼女も私に好意を持ってくれた。私は彼女が好きだったが、それを知られたくないため、変な態度を装った。私が彼女と全く話さないので、一人が、しびれをきらして私に、
「彼女、嫌いなんですか」
と問い詰められた。
私が全く彼女と話さないので、とうとうある時、彼女は、
「いいもん。A型(私の血液型)はB型(彼女の血液型)を嫌ってるんだもん」
とまでつらそうに言った。私は吃驚した。
ポリクリの三人の男は私が彼女をどう思っているか、気にしだした。ある時、かなりカンのいい一人が、
「冷たくするのは好意の裏返し」
といきなり言った。一瞬、しんとなった。
はい。その通りです。
彼女はかわいく、私が復学して細菌学の実習の時、彼女を初めて見た時から、かわいい人だなー、と思っていた。鳴かぬ蛍が身を焦がす、のである。彼女は麻酔科を選んだ。
もう一人、憧れていた人がいた。
その人は、おとなしい人で、ホームページのエッセイで書いた、「細雪」「詩人にならなかった人」である。私は激しく彼女に憧れた。が、育ちがよく、解剖学の実習の時、「くちゃーい」などと言っていた。私は「そんな甘い根性で激務の医者になれるか」などと教師のような事を思っていた。彼女がどんな人か知りたければ、ホームページの「細雪」を読んでいただければわかります。
小説、「岡本君とサチ子」は、入学した時の同級生がモデルで、二人ともテニス部に入った。ある時、二人は手をつないで歩いていた。私には信じられない光景である。卒業後、結婚したが、理由は知らないが、離婚した。彼女はまた内科の女医にもどった。
私が女と話せないのは、知ってる人に女と親しくしている所を見られたくないからなので、二人きりなら普通に話せるのである。
また、
「女の同情をありがたく受けるようになったら男はおしまいだぜ」
という気持ちも私にはある。
大学時代の女子医学生について書こうと思う。私は中学、高校と男子校で過ごしたため、女に免疫がない。もっとも、それと関係なく、私は内気なので女性と話せないのである。私は同じクラスの女性を心の中で切なく片思いしていた。私は女と話してる男が天才のように見える。どうしたら、ああいう芸当が出来るのか。しかし私は一人ぼっちなためか、よく女に同情された。一年の時、体育で水泳の時間があった。女は全員、見学である。しかし、女の中に、一人、堂々とした子がいて、彼女は照れることなく、男と堂々と話していた。彼女は子供の頃から野原を駆け巡っていたような子なのだろう。女なのに運動神経がよく、どんな運動をやらせても上手い。
彼女は、私を孤独をかこつ、ひねくれ者と見ていたのだろう。はじめの頃は、私など眼中に無かった。しかし、四年の時、生化学のある実習の発表の時、私が訥弁ながら熱心に説明しているのを見て、それ以来、私に対する見方が変わってしまった。彼女は積極的なので私に遠慮なく、どんどん話しかけてきた。私と友達になりたいのである。しかし私は女と話が出来ないのである。嫌ってるわけじゃない。一言でいうと私は他人に女とデレデレしてる姿を見られたくないのである。それで、よく女に誤解を与えてしまった。
ある実習の時、彼女は近くの男に顔を赤くして言った。
「好きな人がいるの」
近くの男は言った。
「じゃあ、好きだ、と言えばいいじゃない」
彼女は言った。
「でも、相手の人がどう思ってるか、わからないの」
と言って困っていた。
もちろん、私の事である。私も近くにいて私に聞こえるように言っている。私は緊張して、心臓が止まるかと思ったほどである。ややこしい性格で悩ませてしまってすまない。私は嫌ってはいないが、女と話が出来ないのである。
二年の体育の授業の水泳の時も女は全員、見学だった。だが、彼女は、運動が好きで、あっけらかん、とした性格で、男に水着姿を見られる事に何の抵抗も持っていなかった。男子の水泳がおわって、女子の番になった。だが、水着に着替えてプールに立っているのは彼女一人である。一瞬、見た彼女の水着姿が忘れられない。彼女の水着姿の女のもっこりした部分は私の網膜に焼きついて、一生、とれないだろう。
素晴らしいものを見せてくれてありがとう、と言いたい。
しかし、長く観察されると私の性格はばれてしまう。三年の時の解剖学では、四人で半年、一緒に勉強した。私の後ろの女性は、やたら明るく、しかしきれいで、入った時からドキンとしていた。彼女はゴルフ部だった。ゴルフ部を選ぶということから、その性格もわかる。ゴルフ部は男も女もいて、男とつきあいたいと思ってる女が入るのである。彼女はやたら明るく、暗い性格の私が隣で彼女に申し訳ないと思っていた。彼女は呼吸器科を選び、今も明るく、ネットでも大阪のブラックジャックとして紹介されている。
6年の時のポリクリ班も5人で、一年、一緒に勉強した。紅一点で一人かわいい子がいた。彼女も私に好意を持ってくれた。私は彼女が好きだったが、それを知られたくないため、変な態度を装った。私が彼女と全く話さないので、一人が、しびれをきらして私に、
「彼女、嫌いなんですか」
と問い詰められた。
私が全く彼女と話さないので、とうとうある時、彼女は、
「いいもん。A型(私の血液型)はB型(彼女の血液型)を嫌ってるんだもん」
とまでつらそうに言った。私は吃驚した。
ポリクリの三人の男は私が彼女をどう思っているか、気にしだした。ある時、かなりカンのいい一人が、
「冷たくするのは好意の裏返し」
といきなり言った。一瞬、しんとなった。
はい。その通りです。
彼女はかわいく、私が復学して細菌学の実習の時、彼女を初めて見た時から、かわいい人だなー、と思っていた。鳴かぬ蛍が身を焦がす、のである。彼女は麻酔科を選んだ。
もう一人、憧れていた人がいた。
その人は、おとなしい人で、ホームページのエッセイで書いた、「細雪」「詩人にならなかった人」である。私は激しく彼女に憧れた。が、育ちがよく、解剖学の実習の時、「くちゃーい」などと言っていた。私は「そんな甘い根性で激務の医者になれるか」などと教師のような事を思っていた。彼女がどんな人か知りたければ、ホームページの「細雪」を読んでいただければわかります。
小説、「岡本君とサチ子」は、入学した時の同級生がモデルで、二人ともテニス部に入った。ある時、二人は手をつないで歩いていた。私には信じられない光景である。卒業後、結婚したが、理由は知らないが、離婚した。彼女はまた内科の女医にもどった。
私が女と話せないのは、知ってる人に女と親しくしている所を見られたくないからなので、二人きりなら普通に話せるのである。
また、
「女の同情をありがたく受けるようになったら男はおしまいだぜ」
という気持ちも私にはある。