小説家、精神科医、空手家、浅野浩二のブログ

小説家、精神科医、空手家の浅野浩二が小説、医療、病気、文学論、日常の雑感について書きます。

ひさしぶりにバイクに乗った

2009-01-12 02:31:05 | 武道・スポーツ
ひさしぶりにバイクに乗った。

平成19年の夏にレンタルバイクを借りて乗っていたら六会コンクリートのミキサー車にはねられた。それは去年の10月4日に書いた。もちろん、過失割合は相手100%である。原因は、バイクに乗るのは久しぶりなので、慎重になってゆっくり走りすぎていた事が、相手に追い越したい気持ちを起こしてしまったからである。ゆっくり走れば安全というものではない。バイクは、それなりのスピードを出して走らなければ、危険だと知った。腕に傷跡はできてしまったが、それほど目立つものではない。しかし、せっかくの夏を棒に振ってしまった。肥厚性瘢痕になって、治療に一年近くかかった。ケナコルト(ステロイド)の注射が非常に効いて、肥厚もひいた。機能的な後遺症は全くなかったことに神に感謝すべきだろう。だが、もうバイクは、こりごりだ、と思った。一瞬の事故で一年近く、わずらわしい思いはもうしたくない。
しかし、またバイクに乗りたくなってきた。幸い、近くにもう一軒、レンタルバイク屋が出来たので、ついに電話して乗った。バイクに乗りたい気持ちが抑えられなくなってしまった。注意一秒、怪我一生、である。事故を起こしたり、あるいは、はねられたりしたら治療は一生である。そのため、店の周りの近くを用心深く乗ろうと思った。ともかく、事故だけは絶対、起こさないように、と思った。私にとって、バイクはスポーツの一つである。車と自転車があれば生活できるので、わざわざバイクを買う気にはなれない。買っても使う事がないのだ。なので私はバイクはペーパードライバーである。ふだん乗りなれている人間なら問題ないが、たまに乗ると、バイクのテクニックは、簡単ではない。今回は400ccに乗るつもりだったが、やっぱりやめて、250ccにした。ホンダのエスティーマである。店は私の元、実家なので、地理は十分、知っている。私は人の少ない所に行って、練習し、運転のカンをとり戻した。バイクはオートマ車と違って、テクニックが必要で、操作もカチャカチャやらなきゃならない。クラッチとギアチェンジ、ブレーキも前輪と後輪の使い分け。カーブやブレーキのテクニックなど。しかし、それが面白いのである。簡単な事ならやっても面白くないのである。そもそも車はハンドルを切れば安全にまがれるが、バイクのカーブは、失敗すると転倒する。練習してるうちに、だんだんカンをとり戻してきた。カーブの原則は、スローイン・ファーストアウトである。つまり十分減速してカーブに入り、徐々にスピードを出していくのである。なにより寒かった。寒いと体が硬直して、ゆとりを持った操作が出来にくくなる。全ての事に気を使わなくてはならない。登山家が山に登る時の面白さも、自然との闘いにおける用意、準備の面白さがある。
そして、カーブでは、はじめ、リーン・インで回っていた。リーン・インとはロードレースのように体を内側に倒すのである。なぜ、リーン・インにしたかというと、リーン・インにすると、バイクを傾ける度合いを少なく出来るからである。スロットルの操作に自信がなければ、時々、クラッチをきって半クラッチをうまく使えばいい。最も、ハーフクラッチを使い過ぎると、クラッチを痛めるとか聞いた事もあるので、バイクのためには、あまりいいことでもないのだろうが。ブレーキは後輪ブレーキをメインに使った。はじめのうちは何回かエンストしたが、だんだん慣れてきた。路上の運転も全く問題なく出来るようになった。はじめは、近い所で練習するだけにしようと思っていたが、これなら大丈夫と思い、鎌倉に出て、由比ガ浜から134号線を走り、江ノ島まで行って、自分の家まで戻り、さんざんバイクを堪能した。一日の練習で十分、バイクのカンはとりもどせた。だが一日、乗れば、もう十分である。家の近くをバイクで走ったが、やはりバイクを買う必要は感じられなかった。

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