午後の授業はかなり退屈だ。
もう朝から、5時間も・・・
窓側の席。何故か席替えがあっても窓側の席になることが多い。
片肘をついて、日よけ用のクリーム色のカーテンの隙間から
窓の外の景色に目をやる。
学校は、埋め立ての進んだ土地開発の中の計画と伴に出来た学園。
校門の向こうに新しい鉄道の高架が見える。その先が海だ。
たっぷりの土地に建てた学校は敷地が広い。
野球のグランド、サッカーグランド、陸上トラック、テニスコート3面。
第二体育館に剣道場、その脇は弓道の道場だ。
私はバスケット部に所属していた。
担任は体育の専任教諭。!!入学したての頃は、これから学園ドラマでも始まる??
なんて思いもしたが・・・そんなはずもなく。担任はつつがなく、爽やかに
毎日を副担の女性教師と1年のそのクラスを進めていった。
冬にもなれば、その広い敷地の外周1.2キロをマラソンだ。
タイムなど計ったりして。「よし!!みんな5分で帰ってこいよ」「え~!」
そういいつつも、ここは素直な1年生。みんな結構、頑張る。
味を占めた担任は、今度の全校マラソン大会で、
「体育部に所属の者は50番以内に入ること!」と、体育教師の意地で賜った。
そして、オレのために頑張れと!そこだけ青春ドラマ!
いざ、大会が来ると、クラブ活動で、コートを占領して練習する先輩をシリ目?!に?
ひたすら、コートの回りをランニグが多い1年生は強かった。
担任の望み通り、ほぼ体育系のクラブの子達は50位以内に入った。
担任はかなり誇らしげ。私はと言えば、48位で辛うじてひかかった。
!!でもさ。全校だよ、すごくない?女子だけでも600人以上いる。
ふう。まったく。望みが高い。クラスの女子2人は1、2位を争っていた。
1人は私の中学からの友達。まったく、なんで?全員の中で一番になりたいって・・・
私には思いもよらない。志が高いのか?極度の負けず嫌いか?
二人とも、普段はそんな雰囲気ではない子なので、志が高いんだ。
!!そういえば、1位の子は担任が好きだと公言してた。そっか!納得。
愛の力??私にはやっぱりわからない。
この担任とは。2年生になっても自分の担任だった。
1年の始め抱いた、理想の高校生活は勿論、担任などは関係なく。静かに進んだ。
後日談で卒業後。かなりしてから、その担任は1年の時のクラスの1番かわいい女子と
結婚していたから驚きである。風のうわさでは、彼女の弟がその担任が顧問の
バレー部だったとか。卒業後付き合いはじめ結婚に至ったとのことだった。
本当に人の縁はわからないものだ。
あの日、教室の窓から見えた遥かに見える海の景色は、
いつも私に、午後の退屈な授業に小さな安らぎをもたらした。
ホームルームが3時過ぎには終わり、それぞれの部活が始まる。
部活も半ばになると空もオレンジに染まりはじめる。合間の休憩時間に、
熱気でむんむんした空気の体育館を逃れ、出口付近の通路で
流れる汗をタオルで拭きながら、風に吹かれ黄昏ゆく空の色を眺めていた。
高校のいたるところで、体育館やいろいろなグランド、吹奏楽の音楽室、
軽音部の部室、美術室、みんなが放課後の時間を、何かそれぞれの思いを巡らせて
10代の思い出の時間を作っていた。
それは、いつになっても、いくつになっても変わらないかもしれない。
何かに心を傾けて考え、費やした時間はすべてが輝きを持った時間になる。
そう思う。だから、その時の空間の空気や、音、体育館のバスケなら、
バッシューがキュキュと滑り、ボールがリズミカルにバウンドする音、
その時に感じた、色やにおいまでもちゃんと記憶の中にある。
記憶はそうやって作られていくのかもしれない。
ならば、心を込めた思い出になるように記憶させたいな。
1つ1つ大切に。
たぶん、これからも・・・明日は輝き続けていくものなのだ。
それぞれの時間に合ったように。
止まるな!考えよ!そう記憶が教えてくれた。
もう朝から、5時間も・・・
窓側の席。何故か席替えがあっても窓側の席になることが多い。
片肘をついて、日よけ用のクリーム色のカーテンの隙間から
窓の外の景色に目をやる。
学校は、埋め立ての進んだ土地開発の中の計画と伴に出来た学園。
校門の向こうに新しい鉄道の高架が見える。その先が海だ。
たっぷりの土地に建てた学校は敷地が広い。
野球のグランド、サッカーグランド、陸上トラック、テニスコート3面。
第二体育館に剣道場、その脇は弓道の道場だ。
私はバスケット部に所属していた。
担任は体育の専任教諭。!!入学したての頃は、これから学園ドラマでも始まる??
なんて思いもしたが・・・そんなはずもなく。担任はつつがなく、爽やかに
毎日を副担の女性教師と1年のそのクラスを進めていった。
冬にもなれば、その広い敷地の外周1.2キロをマラソンだ。
タイムなど計ったりして。「よし!!みんな5分で帰ってこいよ」「え~!」
そういいつつも、ここは素直な1年生。みんな結構、頑張る。
味を占めた担任は、今度の全校マラソン大会で、
「体育部に所属の者は50番以内に入ること!」と、体育教師の意地で賜った。
そして、オレのために頑張れと!そこだけ青春ドラマ!
いざ、大会が来ると、クラブ活動で、コートを占領して練習する先輩をシリ目?!に?
ひたすら、コートの回りをランニグが多い1年生は強かった。
担任の望み通り、ほぼ体育系のクラブの子達は50位以内に入った。
担任はかなり誇らしげ。私はと言えば、48位で辛うじてひかかった。
!!でもさ。全校だよ、すごくない?女子だけでも600人以上いる。
ふう。まったく。望みが高い。クラスの女子2人は1、2位を争っていた。
1人は私の中学からの友達。まったく、なんで?全員の中で一番になりたいって・・・
私には思いもよらない。志が高いのか?極度の負けず嫌いか?
二人とも、普段はそんな雰囲気ではない子なので、志が高いんだ。
!!そういえば、1位の子は担任が好きだと公言してた。そっか!納得。
愛の力??私にはやっぱりわからない。
この担任とは。2年生になっても自分の担任だった。
1年の始め抱いた、理想の高校生活は勿論、担任などは関係なく。静かに進んだ。
後日談で卒業後。かなりしてから、その担任は1年の時のクラスの1番かわいい女子と
結婚していたから驚きである。風のうわさでは、彼女の弟がその担任が顧問の
バレー部だったとか。卒業後付き合いはじめ結婚に至ったとのことだった。
本当に人の縁はわからないものだ。
あの日、教室の窓から見えた遥かに見える海の景色は、
いつも私に、午後の退屈な授業に小さな安らぎをもたらした。
ホームルームが3時過ぎには終わり、それぞれの部活が始まる。
部活も半ばになると空もオレンジに染まりはじめる。合間の休憩時間に、
熱気でむんむんした空気の体育館を逃れ、出口付近の通路で
流れる汗をタオルで拭きながら、風に吹かれ黄昏ゆく空の色を眺めていた。
高校のいたるところで、体育館やいろいろなグランド、吹奏楽の音楽室、
軽音部の部室、美術室、みんなが放課後の時間を、何かそれぞれの思いを巡らせて
10代の思い出の時間を作っていた。
それは、いつになっても、いくつになっても変わらないかもしれない。
何かに心を傾けて考え、費やした時間はすべてが輝きを持った時間になる。
そう思う。だから、その時の空間の空気や、音、体育館のバスケなら、
バッシューがキュキュと滑り、ボールがリズミカルにバウンドする音、
その時に感じた、色やにおいまでもちゃんと記憶の中にある。
記憶はそうやって作られていくのかもしれない。
ならば、心を込めた思い出になるように記憶させたいな。
1つ1つ大切に。
たぶん、これからも・・・明日は輝き続けていくものなのだ。
それぞれの時間に合ったように。
止まるな!考えよ!そう記憶が教えてくれた。
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