最近ひとりで本を読んでいることが多いわしを見て、teruteruばあさんが、「これを読んでみろ」と机の上に置いていった一冊。
柳美里は初めて読みますよ。
こちらが裏表紙に書いてある内容紹介。
筆者の柳美里は震災後に南相馬に移転し、地元ラジオに出演したり、本屋フルハウスを開店したりと復興に尽くされている作家です。こないだ毎日新聞でフルハウスのことが書かれた記事を読み、柳美里の作品を読みたいと思っていたところだったので、ちょうど良かったです。
高度成長期には家族のために上野で出稼ぎをし、家族を無くしてからは居場所を捨ててホームレスを選んだ主人公の物語で、死に別れのシーンも多く、内容は重いです。
こちら、帯の売り文句。
たいていの本やレコードの帯がそうであるよう、これもまた下品です。しかし、この下品さがまた良いです。この本は私が買ったわけではないけれど、本やレコードの帯には、ついつい帯買いしてしまう悲しい性を子どもの頃から刺激されています。
さて、あとがきで作者は今話題の東京オリンピックについても触れています(2014年=招致が決まった翌年)。「多くの人々が希望のレンズを通して6年後の東京オリンピックを見ているからこそ、わたしはそのレンズではピントが合わないものを見てしまいます」という一文が印象的です。
しかしながら、2014年当時には予想もしなかったコロナ禍のせいで、現在、多くの人々は希望のレンズではなく、様々なことにピントを合わせられるレンズを手に入れることができたと思います。
それは、自公政権、都知事他首長、IOC、JOCの体質や、利権構造、中抜き企業、非科学的、非論理的な政策、政体、などなど。
オリンピックはなにがなんでも強行されそうな状況ですが、やったもん勝ちという雰囲気に目をくらまされることなく、将来に大切なものにしっかりピントを合わせて物事を見ていきたいものです。
p.s. 外食が入った割にはまずまず。
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