居心地

相棒のワンコとの暮らしの風景
他愛ない日常のあれやこれ

家、家にあらず

2008年10月23日 | 
著者 松井今朝子

時は江戸中期

北町奉行所の同心 笹岡の娘 瑞江は
大名家の奥御殿へ奉公に上がる事を父から聞かされる

幼い頃より年に一度の割合で笹岡家を訪ねてくる
「おば様」と呼んでいた女性は
母を亡くした瑞江を手元で預かりたいと申し出る

「おば様」は大名家 砥部藩御殿女中として
お年寄りの地位まで出世しており名を「浦尾」と言う

浦尾は縁者でありながら瑞江を側に置く事をせず
お末と呼ばれる底辺の仕事をあてがい
名前も「うめ」と呼びつける

「うめ」となった瑞江は女の園にありがちな
陰湿ないじめにも果敢に耐えていた中
なにやら不穏な事件が奥御殿で起こっている気配を感じるのである...

御殿の外では同心の父も又、一つの事件を追っていた
父と娘の事件は果たして繋がっているのか?

そして浦尾とは何者なのか?


将軍家の大奥は余りにも有名だが
大名家にも奥御殿があるとは知らなかった

さながらミニ大奥でもやはりお世継ぎに絡み
女の情念と怨念が燻り出される

女、三界に家無しと言われていた時代
女が女自身として生きて行く事は望めないのか?

自分の居場所を定め、流されずに足を踏ん張る...
そんな女達の姿勢は現代にあっても通ずるのである。

コメント (6)
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