性と愛の至福
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至福の悦び
2006/06/10
あなたとわたしが結ばれるには
このベッドは小さすぎる
甘い蓮華の花が咲く
広くて果てしないお花畑が
あなたとわたしが愛し合うベッド
ぬけるように青い空が
あなたとわたしが愛し合うベッドの天蓋
天までとどく白い大きな4つのポストが
青空を支えるようにそびえている
蓮華の花びらが敷き詰められた
肌ざわりのいいシーツと
柔らかなダウンがいっぱい詰まっている
大きなまくら
朝から晩まで
あたなとわたしはベッドの中にいて
いっぱいキスして過ごす
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ふたりはずっとわらっている
わたしはしあわせすぎて
時々泣いたりする
あなたはわたしの涙を
優しい唇で拭ってくれる
あなた...
いとしい人...
今のわたしの涙は嬉し涙
しあわせなメロディーが
この胸の中にとまらなくて
あなたの胸へと伝わってゆく
そしてわたしは
あなたのくちびるが
わたしのくちびるに
かさなる瞬間まで
じっと見つめている
まぶたをとじて
じっくりと味わう
わたしの愛を
あなたのくちびるに差しだす
あなたは舌でからめとる
わたしの愛が
甘く透きとおって
あなたの舌のうえで
ゆっくりととけてゆく
あなたの愛は
キラキラ光って
あなたのくちびると
同じ味がする
わたしは全ての感覚で
あなたを愛しているから
わたしの全てが
あなたを恋しく思う
あなた...
いとしい人...
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もうすぐわたしは生まれかわる
この手で殻を破り
あなたの女になって...
あなたの愛がこの身体に
一直線の光となって
さし込んで来るまで
わたしはもがき続ける
あなただけの女に生まれるために
わたしは苦悩する
そして強くなる
次の殻を破るための
力を手に入れる
何度も何度も
わたしは生まれかわる
あなたのために
あなた...
いとしい人...
あなたの全てがいとおしい
あなたのまぶたをくちびるで愛撫する
くちびるから全身にしびれるような
熱い波がひろがってゆく
狂おしいまでに
わたしはあなたの腕に抱きしめられて身悶える
あなたがわたしをつつむやすらぎの光
おだやかな時がいつまでも流れてゆく
あなたにやっと出会い
そして愛し合う
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こんなに強く抱きしめた腕
ふたりは確かに結ばれて
身も心もとけあう
あなた ・ ・ ・
いとしい人 ・ ・ ・
あなただけが与えてくれる
この至福
あなただけが教えてくれる
この悦び
あなただけが癒してくれる
この寂しさ
あなただけが満たしてくれる
この虚しさ
あなた ・ ・ ・
いとしい人 ・ ・ ・
初めての出会いから
分かっていた
夕べのしじまの中で
あなたと交わした愛が
とこしえに続くことを
愛している
今朝はすべてが澄み切って
誰にもじゃまはできない
あなたとわたしは確かに結ばれて
身も心もとけあう
あなた ・ ・ ・
いとしい人 ・ ・ ・
by レンゲ
『至福の悦び』より
レンゲさん。。。、なんだか。。。すっご~♪~い詩を作ってしまいましたねぇ~♪~
うふふふふ。。。。
レンゲさんがこれまでに作った詩の中では一番長いんじゃないですかぁ?
たぶん。。。
それにしても、こんなすごい詩をレンゲさんが書こうとは思ってもみませんでしたよ。。。なんだか。。。これって、もう。。。叙事詩ですよねぇ~。
デンマンさんはオーバーですわぁ~
それで、この上の詩の中の“あなた”って、一体誰ですかぁ~?
デンマンさん。。。、(殺すような目つきでデンマンを睨んでいます)。。。そういう質問ってないでしょう。。。? 結局あたしを、またコケにするのですかぁ~?。。。あたし。。。、あたし。。。、デンマンさんがマジであたしの作った詩をほめてくださったのだとばかり思っていましたわ。
もちろん、すばらしい詩だと思いますよ。
でも、あたしがイイ気持ちでいるのに、あたしの気持ちを傷つけるような事をわざとおっしゃるのですわねぇ~~いけすかないわぁ~ふんとにィ、んも~~
。。。いや。。。何と言うかぁ、冗談ですよ。。。冗談ですよ。
いいえ、冗談ではありませんわ。。。いつものようにあたしを突き放す頃になると、デンマンさんは冷たくなるのですわ。
ちょっと言葉の使い方が厳しくなっていませんか?僕はレンゲさんを突き放そうとしているのではありませんよ。
いいえ、デンマンさんは、いつだって、あたしを送り出す頃には冷たくなるんです。
だってね、いつまでも夢を見ているわけにはゆきませんよ。
。。。夢。。。? 夢だったとおっしゃるのですかぁ~?
そういうつもりで言った訳では。。。
では、どのようなつもりで。。。?
だから、遠足はもう終わりになりますからね、レンゲさんは帰りの準備をしなければならないんですよ。帰りの飛行機が飛び立つまであと3時間しかないんですよ。そろそろ出かける用意をしないとね。。。
今日じゃありません。。。明日ですわ。
またそうやって駄々をこねるのですかぁ~? 2泊3日の休暇なんですよ。でしょう? きのうの夜がレンゲさんがバンクーバーに着いてから2度目の夜なんですよ。。。それで、こうして朝を迎えた。だから、レンゲさんは今から帰る用意をしなければならないんですよ。
明日ですってばあああ~。。。
この航空券を見てくださいよ。これを。。。! ほらぁ~~、バンクーバー発11日の午後零時50分。。。ちゃんと書いあるでしょう?今日は11日ですよ。今9時半をちょっとすぎたところですよ。朝食はエアポートで食べましょうね。シャワーを浴びるなら、今すぐに。。。
デンマンさん、あたし明日に延期してもらいますわ。
ダメですよ。
でも、デンマンさんは夕べ、ベッドの中でおっしゃいましたわ。また明日話しようねって。。。
だから、今話をしているでしょう。
そうじゃなくて、デンマンさんは今晩という意味で言ったのですわ。
それはレンゲさんが勝手にそう解釈したまでですよ。僕が言ったのは“明日の晩”じゃなくて“明日の朝”という意味ですよ。
そういう意味だったら、あたしはデンマンさんに、もう少しお話しを聞いてもらいました。デンマンさんは、あたしをせかせていたんです。あたしはまだ話を聴いてもらいたかったのに、デンマンさんは、また明日の晩にしようねって。。。そう言ってあたしの口をふさいでしまったんです。。。それで、あたしもその気になって。。。それで、デンマンさんはあたしを眠らせてしまったんです。。。でしょう?
あの時すでに真夜中を過ぎていたんですよ。話を続けていたら、今日の出発の時間に差しさわりが出てくるから、僕は切り上げたんですよ。
とにかく、あたし電話して明日に延ばしてもらいますわ。
ダメですよ。僕は夕べ直美に約束したんですから。。。そう言えば。。。、直美から電話がかかってきた時にレンゲさんはバスルームに逃げ込んだんですよね。直美と話をしたくなかったからでしょう?。。。つまり、あの時すでに、もう一晩泊まるつもりだったんですね?。。。そうでしょう?
だって、おしっこが今にも。。。あたしは別に奥様とお話しをするのを避けたわけではありませんでしたわ。
でも、レンゲさんは、そのあと出てこないで、そのまま風呂に入ってしまいましたよね。それも長風呂ですよ。。。2時間。。。
とにかくあたし、どうしてもデンマンさんに聞いて欲しいお話があるんです。
分かりました。車の中で聴きますよ。そろそろ出かけましょう。
3時間以上かかるお話ですわ。
じゃあ、車の中と待合の時間で2時間にちじめて話せば充分に間に合いますよ。レンゲさん、もう出ましょう。
あたし、これからシャワーを浴びて。。。それで、お化粧して。。。それで。。。
ダメですよ。レンゲさんの話を聴いていたらキリがないんだから。。。
デンマンさんは、どうして。。。、どうして、そんな風に冷たくなれるのですか?ベッドの中ではとっても優しかったのに。。。
僕はレンゲさんをお客さんとして充分にもてなしましたよ。だから、レンゲさんも主人の言う事に素直に従って欲しいのですよ。お願いしますよ。
イヤだと言ったら。。。?
僕は心を鬼にしてレンゲさんをエアポートに連れて行くまでですよ。
デンマンさんは、そんな。。。そんな、つれないことをしませんよね。。。? でしょう?
レンゲさん。。。、また、そういう甘えるような目つきで僕を見ないでくださいよね。。。もともと、2泊3日でバンクーバーにやってくる事が常識はずれなんですよ。。。でも、そのことはやって来る前にレンゲさんにだって充分に分かっていたはずですよ。。。ですよね?
ええ。。。反省していますわ。
じゃあ、出かけましょう。。。
あたし、デンマンさんにぜひ聞いて欲しいお話がまだあるんですのォ~。
だから、車の中で。。。
車の中ではできませんわ。
レンゲさんは、最後の最後まで僕をテコズラせるのですかぁ?
だって。。。あたしデンマンさんにぜひ聞いて欲しいんですものォ~。
ゥゥゥゥ。。。。そういう話なら、どうして。。。どうして、もっと前に話さなかったのですか?話す機会なら、いくらでもあったでしょう?
でも。。。、でも。。。お話にも順序というものがあるでしょう?
レンゲさんの場合には、どうでも良い話が長いんですよ。それほど大切な話なら、どうして夕べそう言わなかったのですか?
だって。。。デンマンさんがせかせたから。。。
せかせたからって、それほど重要な話なら、今のように僕に絡(から)んででも言えた筈でしょう。。。? レンゲさん、あなたわねぇ、こうして駄々をこねて、もう一日引き延ばしたいだけなんですよ。。。さあ。。。行きましょう。
でも、。。。ちょっと。。。あのォ。。。あたし、おしっこ。。。
ダメですよ。今、トイレに入ったら、2時間出てこないかもしれないんだから。。。さあ。。。出かけましょう。
。。。ちょっと。。。デンマンさん、。。。そんなに強く引っ張らないでくださいな。。。あたし、まだお化粧していないんですねん。。。
そのままで充分に見られますよ。
だって。。。女のたしなみですから。。。
こうして駄々をこねる事の方が、女のたしなみとしてなっていないでしょう?
デンマンさんは。。。、デンマンさんは、最後の最後にあたしの気持ちを落ち込ませるような事をおっしゃるのですかぁ~? バンクーバーで楽しい思い出をいっぱい作ってねって。。。そう言ってくれたのはデンマンさんでした。。。
それはそうだけれど。。。、こうして帰るときになって、僕をテコズラせる。。。いつもの事だけれど、いい加減にしてくださいよォ~。
でも、あたし。。。あたし。。。デンマンさんに本当に聞いて欲しいお話があるんですの。。。
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デンマンさんは、本当にあたしが阿部定さんのような女だと思っているのですか?
レンゲさんも定さんも境界性人格障害を患っていますよ。こうして衝動的に事を進めるところなど、まさに定さんのようですよ。