軽井沢文学散歩
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11月18日に“幸福の谷”をデンマンさんと一緒に歩くことができて本当に良かったと思いますわ。
小百合さんに、そう言ってもらえると僕もうれしいですよう。
デンマンさんが“幸福の谷”を話題にしてから1年ぶりですものね。。。でも、三男坊の順一郎が一緒だったから、デンマンさんは心のどこかでウザイ思いをしていたのではないのォ~?(苦笑)
そんな事はありませんよう。僕は小百合さんと一緒に幸福の谷を歩いて十分にロマンチックな気分になりましたよう。
そうでしょうか?(微笑)順一郎は5才ですけれど、あの子はハイパーテンションで、とにかく、じっとしていないで動き回るし、静かにしているのが苦手な子だから。。。
うん、うん、うん。。。でも、元気で陽気で愉快で、僕には好感の持てる良い子ですよう。子供の反応を見ていると僕が小百合さんにどのように受け止められているのかが良~くわかりましたよう。
そうですか?
そう言うものですよう。小百合さんの僕に対する思いは子供にも伝わるものです。僕は順ちゃんに去年、一度会ったきりだけれど、僕を覚えていましたよね。。。と言うより小百合さんが僕のことを順ちゃんに折に触れて話していたようだと感じ取れました。順ちゃんは僕に対して“良いおじさん”だと言う印象を持っていたようですしね。。。僕は内心ホッとしていましたよ。
そうでしたの?そんな事まで感じ取っていたの。。。?知りませんでしたわ。
順ちゃんは居たけれど、“幸福の谷”に入ってから万平ホテルのカフェテラスに戻るまで小百合さんと二人でしたからね、上の写真のように十分にロマンを味わいましたよう。うしししし。。。
デンマンさんと去年(2007年)の11月に行田市の大長寺で会った時には、軽井沢に別荘を持つ前だったから、“幸福の谷”を一緒に歩くなんて考えてもいませんでしたわ。
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うん、うん、うん。。。そうかもね。。。だから軽井沢の“幸福の谷”を一緒に歩いたことはマジで感慨無量でしたよう。
。。。で、なぜ“幸福の小徑(こみち)”じゃなくて“幸福の谷”なのか?デンマンさんには判(わか)りました?
判りましたよう。僕が質問した時に、小百合さんはその場で答えてくれなかったけれど、歩いてみてすぐに判りましたよう。
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写真で見ると“幸福の小徑(こみち)”なのですよう。“幸福の谷”と言うイメージは上の写真からは全く想像がつかない。実際に自分の足で歩いてみればすぐに谷だと分かる。
デンマンさんも初めてだったの?
実は、初めてだったのですよう。名前は聞いていたのです。でも、実際に“幸福の谷”を歩いたのは初めてだった。
■ 『軽井沢と小百合さん(2007年12月4日)』
去年の12月4日に書いたのが多分、僕のブログで“幸福の谷”が出てくる初めだと思うのですよう。それからほぼ1年ぶりに小百合さんと一緒に歩いたと言うわけですよね。。。
デンマンさんにも楽しい思い出になりました?
懐かしい思い出になりましたよう。僕は初め、全く違う場所が“幸福の谷”だと思い込んでいたのですよう。
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ガイドブックを読んだら万平ホテルの駐車場に向かって右手の小道を進んでゆくようなことが書いてあって。。。(実際には左手に進む!同志社シーモアハウスのすぐ北の道が本当の“幸福の谷”)。。。だから、カフェテラスから見た庭の後ろの方に“幸福の谷”があるとばっかり思い込んでしまった。それで、上の地図にもそのように書き込んだのですよう。実際に地図の場所を歩いてみると“幸福の谷”と名前をつけたくなるような場所は無いのです。小百合さんが案内してくれた場所は、間違いなく“幸福の谷”でした。写真と見比べて間違いないです。
意外に有名な場所ではないようですね。
“知る人ぞ知る”--- そのような場所かもしれませんよ。だから、ガイドブックの中には、場所を確かめずに、いい加減な事を書いてあるモノもあるのでしょうね。おそらく文学に関心があって川端康成が軽井沢に別荘を持ったエピソードなどを読んでいれば、行ってみようと思うのでしょう。そうでもなければ、つまらない所ですよう。実際、何も知らずに歩いてみれば、とりわけ印象に残るような場所ではないものねぇ。。。何の変哲も無い石畳の道・・・ただそれだけの印象ですよう。
デンマンさんは、あまり良い場所だとは思わなかったの?
いや。。。やっぱり行って良かったと思いますよう。季節外れの“幸福の谷”--- 小百合さんと僕と順ちゃんだけ。。。他の人には誰一人会いませんでしたからね。。。夏場のシーズンでは考えられないでしょう。。。何度となく“幸福の谷”の事を書いただけに小百合さんと一緒に歩いて幸せな気分になったのですよう。。。うしししし。。。
マジで。。。?
もちろんですよう。でも、小百合さんは“幸福の谷”よりも室生犀星の旧居の方に惹かれたようですね?
ええ。。。私は、目下コケにハマッているので、どうしてもコケのたくさん生えている場所の方に惹かれるのォ・・・
うん、うん、うん。。。そう言われてみれば小百合さんの別荘の中庭のコケは見事ですねぇ~
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スギゴケがビッシリと生えている様子は、まるで緑の絨毯が敷き詰められたようで贅沢で豪華な感じですよう。たぶん、小百合さんは祗王寺(ぎおうじ)の苔庭をイメージしているのではないのか?僕は、そう思いましたよう。
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デンマンさんも祗王寺(ぎおうじ)の苔庭が気に入っているの?
僕は、しっとりと落ち着いて、こじんまりとした感じが好きですよう。小百合さんが案内してくれた室生犀星の別荘ねぇ。。。意外に庶民的でこじんまりとした造りになっていたので、犀星らしいと思って僕は好感を持ちましたよう。彼の生い立ちを読んでみて、なるほどォ~、これならば室生犀星が家の中に居ても似合うなぁ~、という印象を持ちました。
デンマンさんは派手なもの。。。豪華なもの。。。そういうものは嫌いなの?
そうだね。。。目立たない庶民的な方が僕の性(しょう)に合ってますよう。
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上の写真の“二手橋”を渡って室生犀星の文学碑を見たけれど、ずいぶん意外な所に意外な碑を建てたものだと。。。考えてみたら室生犀星はお寺育ちだったんだよね。。。あの文学碑とそばに並んで建っている二つの墓石のような石像を見ると、犀星がお寺で少年時代を過ごした事がなんとなく分かるような気がしましたよう。
ちょっと陰気でしたぁ?
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いや。。。すぐそばを流れている矢ヶ崎川のせせらぎの音が陰気なモノを打ち消しているようで清らかな印象を受けました。小百合さんと一緒にせせらぎの音を聞けて良かったですよう。できたら、朝早く“ささやきの小徑”を小百合さんと二人で歩きたかったですよう。
それは、またの機会に楽しみに取っておきますわ。
『幸福の谷 (2008年11月20日)』より
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この会話って、本当にデンマンさんと小百合さんが交わした会話なのでござ~♪~ますか?
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そうですよう。卑弥子さんには信じられないのですか?
だってぇ~。。。デンマンさんと小百合さんは、なんとなく当たり障りのないことばっかり話しておりますわぁ。
つまり、卑弥子さんは、僕が創作した会話だと思っているのですか?
せっかく“幸福の谷”を歩いているのですもの。。。もっと萌え萌えになって、ワクワクするような会話があるはずですわ。
あのねぇ~。。。現実には萌え萌えになってワクワクするような会話なんて無いものなんですよう。
でも、“幸福の谷”でしょう?。。。もっと幸福に振舞うべきでござ~♪~ますわ。
僕は小百合さんと念願の“幸福の谷”を散策しただけで充分に幸せな気分でしたよう。
態度に表れていませんわ。
態度に表さなくても小百合さんと僕は、充分に幸せな気持ちを共有していたのですよう。
それでは、読む人には分かりませんわ。上の対話だけではつまりませんわ。一目見ただけでも幸福感がにじみ出るような行動に出て欲しいのですわ。
一目見ただけでも幸福感がにじみ出るような行動。。。?
そうですわ。
卑弥子さんは、一体、どのような行動を期待していたのですか?
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このような萌え萌えの行動ですわ。
あのねぇ~。。。小百合さんと僕は映画になるようなラブラブのシーンを求めて幸福の谷に行ったわけじゃないのですよう。
。。。んで、何のために行ったのでござ~♪~ますか?
だから、これまでに何度も言っているでしょう。。。文学散歩ですよう。
文学散歩だと萌え萌えにならないのでござ~♪~ますか?
なりません。僕と小百合さんの会話をじっくりとたどれば、萌え萌えになれない理由があるのですよう。
どのような理由でござ~♪~ますか?
“ささやきの小徑”ですよう。“サナトリウムレーン”とも“恋人たちの小徑”とも呼ばれている小道です。
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“恋人たちの小徑”であるならば、萌え萌えになれるではござ~♪~ませんかア!
あのねぇ~。。。“恋人たち”という言葉だけを捕らえると卑弥子さんのような短絡的な印象を持つかもしれないけれど、“軽井沢文学散歩”と結び合わせて考えると、卑弥子さんが考えるようなルンルン気分で熱い接吻をするような気分になれないのですよう。
それは。。。それって。。。どう言う訳でござ~♪~ますか?
だから、軽井沢について、ほとんど知らない、一度も訪ねたこともない関西人と話すのは疲れるんですよう。んもお~~
デンマンさんが疲れきらないうちに、どう言う訳なのか教えてくださいましなぁ~。
実はねぇ、卑弥子さんは“幸福の谷”と堀辰雄のことについて調べた事があるのですよう。
あたくしがですか?
そうですよう。ところが記憶力の良いはずの卑弥子さんが、なぜか忘れているのですよう。
忘れているって、何をでござ~♪~ますか?
やっぱり、机の上だけで調べても現地に行った事のない人には、鮮明に記憶に残らないのでしょうね。
もったいぶらないで、あたくしが調べた事というのを教えてくださいましな。
分かりましたよう。かつて僕と卑弥子さんが対話した部分を書き出しますから、じっくりと読んでみてくださいね。
堀辰雄と“死のかげの谷”
堀辰雄にとって「幸福の谷」は、幸せそうには見えなかったのですわ。
。。。で、どのように見えたのですか?
夏は確かに観光客がやって来て、多少は賑(にぎ)わうのですけれど、冬になると人影もなく寂しい谷になってしまうのでござ~♪~ますわ。それで「死のかげの谷」と呼んだ方がよさそうだ、と書いているのでござ~♪~ます。
ほおォ~。。。そうですか?
デンマンさんだって、「風立ちぬ」をお読みになったのでしょう?
読んだけれど、僕にとって、それ程思い出に残るような作品ではなかったのですよう。
どうしてでござ~♪~ますか?デンマンさんが気に入るような夢とロマンのお話でござ~♪~ますわ。
でもねぇ、主人公の男の妻は死んでいるのですよう。ロマンチックと言うよりも、悲しみが小説の底流に滲(にじ)んでいる。僕は20代の頃に読んだのだけれど、ルンルン気分の恋愛に惹かれる若い男には、実に悲しい、やるせない話と思えて、あまり好きになれなかった。卑弥子さんは、そういう悲しい話が好きなのですか?
あたくしは悲しいお話だとは思いませんでしたわ。むしろ男性に、それほどまでに思われている女性がうらやましいと思えましたわ。だから、あたくしもデンマンさんに、いつまでもいつまでも懐かしく思い出されるような女にならねばならないと努力しているのでござ~♪~ますわァ~。ォほほほほ。。。
(半分白けながら。。。) うん、うん、うん。。。見上げた心がけですよう。そんな事よりは「幸福の谷」の話ですよう。
んも~~。。。デンマンさんには、繊細な女心が全くお分かりにはならないのでござ~♪~ますわね?
あのねぇ~、脇道にそれると、この記事がまた長くなるのですよう。「幸福の谷」がテーマなのだから、余計な事はなるべく言わないでくださいよね。
分かりましたわ。「幸福の谷」に戻ればよろしいのでしょう。。。確かに夏は木漏れ日が漏れて、それなりに避暑地らしい雰囲気があるようでござ~♪~ますわ。でも、冬は人影もなく本当に寂しい厳寒の谷になるのでござ~♪~ます。しかも、堀辰雄が小説を書いていた当時は、冬になると水道もとまり、木造の建物は防寒対策もほとんどとられていなかったと言う事です。
ほおォ~。。。卑弥子さんは、そこまで調べたのですか?
そうでござ~♪~ますわ。あたくしも、いつの日にかデンマンさんと二人で「幸福の谷」を訪れるのでござ~♪~ますもの。。。おほほほほ。。。
ほらァ~。。。また、卑弥子さんは余計な事を言うのですよう。。。でもねぇ、言っておきますが、今年の秋ではないですよう。来年の秋ね。
分かっておりますわア。
それで、堀辰雄がどうしたと言うのですか?
「風立ちぬ」を書き上げた堀辰雄は、初めの予定では「幸福の谷」と書くつもりだったそうでござ~♪~ますわ。でも、冬の厳しい谷の様子を見て、最終章の題を「死のかげの谷」としたのでござ~♪~ますう。
ほおォ~。。。さすがは京都の女子大学で「日本文化と源氏物語」を講義している卑弥子・准教授だけの事はありますよねぇ~。読みが深いですよう。僕は、改めて卑弥子さんの文学的な才能を見直しましたよう。
このぐらいの事は、その辺で遊んでいるミーちゃんハーちゃんでも分かりますわよう。
つまり、卑弥子さんは、冬は「幸福の谷」ではなく「死のかげの谷」だと言いたいのですね?
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【デンマン注】 地図の中の“幸福の谷”は誤って記載されています。
実際は「同志社シーモアハウス」のすぐ上(北)の道です。
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そうでござ~♪~ますわ。しかも夏場だって、それ程、幸せそうではないのでござ~♪~ますわ。
それはどう言う訳ですか?
だいたい、あの近辺にある別荘の庭はコケで覆われているのでござ~♪~ますわ。あの谷の付近だけではござ~♪~ませんわ。軽井沢って、どこもかしこも苔で覆われていますわよう。住むには湿気との戦いなんだそうですわ。
ほォ~。。。卑弥子さんは、そんなことまで調べたのですか?
だってぇ~。。。いつの日には、あたくしとデンマンさんと二人して「幸福の谷」に行くのですものォ~、うふふふふ。。。だから、しっかりと下調べをしておこうと思い立ったのでござ~♪~ますわ。
なるほどォ~。。。ごもっともな事ですよう。。。で、卑弥子さんが調べる限り、思ったほど幸せそうじゃないので、僕と一緒に「幸福の谷」に行くのを断念した。。。そう言う訳ですね?
もちろん、デンマンさんとご一緒に行きますわよう。
でも、卑弥子さんにとって「幸福の谷」は「死のかげの谷」なのでしょう?
だから、あたくしはデンマンさんが「死のかげの谷」を一人でお散歩している間、すぐそばの万平ホテルのカフェテリアでお待ちしていますわ。
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【デンマン注】 実は、この写真はジョン・レノンではなく、アラン・ドロン
キャア~!すてきィ~。。。そいでぇ、ジョン・レノンがお気に入りだったと言うローヤルミルクティーを飲みながら、デンマンさんがぜひ食べたいと言っていた木の実のタルトをあたくしもいただくのでござ~♪~ますわ。
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つまり、花より団子ですね?
いいえ、団子だけではござ~♪~ませんわ。あたくしはホテルの中を散策したいのでござ~♪~ますわ。レトロな雰囲気に満ち満ちていてシックで素敵なのでござ~♪~ますう。
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こういう時代がかった雰囲気が卑弥子さんは好きなのですか?
そうでござ~♪~ますわ。「大正デモクラシー」の頃の自由でのびのびとしていて、それでいて古風な感じがメチャいいのでござ~♪~ますわ。
そういうところは京都生まれの京都育ちの影響でしょうね。
。。。んで、「幸福の谷」のあと、どこへ行くのでござ~♪~ますか?
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小百合さんの別荘がある近くに「ささやきの小径(こみち)」と呼ばれている散歩道があるのですよう。
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これがその小径でござ~♪~ますか?
そうですよう。中央を流れている“せせらぎ”は矢ケ崎川です。堀辰雄の小説「美しい村」にも登場する小径ですよ。
ずいぶん狭い散歩道ですわね?
左右には別荘や木立が続き、小鳥のさえずりが聞こえてきます。なんとなくロマンチックな感じがするでしょう?ここを小百合さんと二人で散歩したいのですよう。うしししし。。。
あたくしとは。。。?
来年の秋ですよ。だから、今年の秋には邪魔をしないでくださいね?
どうして「ささやきの小径」なのでござ~♪~ますか?
実は、他にも呼び名があるのですよう。「アカシアの小径」、「恋人たちの小径」。。。なんとなく分かるでしょう?愛する人と甘くささやき合いながら散歩する小道ですよう。
つまりデンマンさんは、この小径を小百合さんと夢とロマンをささやきながら散歩するのでござ~♪~ますか?
そうですよう。いけませんか?
。。。んで、あたくしとは。。。?
来年の秋ね。だから、今年の秋は邪魔をしないでね。
んも~~、いちいち余計な事を言わないでくださいましなァ。。。んで、どうしてこの小径が特別なのでござ~♪~ますか?
実は、この小径にも英語の名前があるのですよう。サナトリウム・レーンと言うのですよう。
なぜ、そういう名前が付いているのでござ~♪~ますか?
大正10年に軽井沢避暑団、現在の軽井沢会、の要請で療養所が造られた。この療養所が「軽井沢サナトリウム」と呼ばれるようになったのですよう。
その療養所が「ささやきの小径」のそばにあったのでござ~♪~ますか?
そうなのですよう。イギリス人のニール・ゴードン・マンロー博士が病院長だった。だから、この人の名前を取って「マンロー病院」とも呼ばれたのです。このマンロー博士は、人類学者としても有名で、アイヌ研究の第一人者として日本では良く知られていた。
日本人もその療養所で治療を受けたのでござ~♪~ますか?
そうですよう。特に肺結核治療が得意と言われ、堀辰雄や土井晩翠なども通院して治療を受けたのです。堀辰雄の小説「美しい村」でも、このサナトリウムはたびたび登場しています。小説の中で「レイノルズ先生」として登場するのが、実はこのマンロー博士なのですよう。
。。。んで、今でもその療養所はあるのでござ~♪~ますか?
残念ながら建物は取り壊されてしまった。だから、もう見ることはできません。雲場池(くもばいけ、別名、スワンレイク)の近くにある外人墓地ではマンロー博士が今も静かに眠っていますよう。
「ささやきの小径」には、何かロマンチックなエピソードでもあるのでござ~♪~ますか?
堀辰雄の小説「美しい村」では、実際の婚約者だった矢野綾子との想い出が綴られているのですよう。なかでも、サナトリウムのあった道を2人で腕を組んで散歩するシーンは幻想的に書かれています。堀辰雄はこの道に沿って並ぶアカシア並木を愛したと言うことですよ。
それで別名「アカシアの小径」でござ~♪~ますか?
たぶんね。。。堀が「美しい村」を書いた当時、そのアカシアは背丈ほどだったらしい。現在は、上の写真でも分かるようにアカシアが成長してアーチのようになっていますよう。
。。。んで、デンマンさんも堀辰雄と矢野綾子の真似をして、恋人同士のように小百合さんと「ささやきの小径」を甘くささやきながら散歩するのでござ~♪~ますか?
そうですよう。いけませんか?
。。。んで、あたくしとは。。。?
来年の秋ね。だから、今年の秋は邪魔をしないでね。
『ロマン@軽井沢 (2008年8月14日)』より
でも、こうしてデンマンさんだって、恋人同士のように小百合さんと「ささやきの小径」を甘くささやきながら散歩する、と言っていますやんかぁ~
しかし、卑弥子さんが劇的に、過激に想像するようなアツアツの接吻を小百合さんと交わすようなシーンはなかったのですよう。それは卑弥子さんの妄想です。上の文章を読めば、そのような雰囲気が無い事が分かるでしょう?
そうでしょうか?あたくしの想像力は過激なのでござ~♪~ましょうか?
その通りですよう。平均的な日本人と比べると卑弥子さんの想像力は極めて過激だと思います。
そうでしょうか?
あのねぇ~。。。軽井沢文学散歩と言うのは、穏やかで物静かなものですよう。
つまり、ワクワクするようなアツアツの接吻はないのでござ~♪~ますか?
ありません。
どうして、そのように断定してしまうのでござ~♪~ますか?
あまりにも低俗になってしまったら、軽井沢で文学散歩する意味がないでしょう?
アツアツの接吻は、低俗なのでござ~♪~ましょうか?
低俗とまでは言わないけれど、軽井沢文学散歩にはふさわしくありませんよう。卑弥子さんは、どうしてもアツアツの接吻にこだわるのですか?
うふふふふ。。。いけませんか?
分かりました。。。それを期待したいのであれば、ニューヨーク文学散歩だとか、パリ文学散歩にでかけてくださいね。
初出: 2008年12月12日
【卑弥子の独り言】
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ですってぇ~。。。
でも、あたくしは、なんとなくデンマンさんに肩透かしを喰らわされているような気がするのでござ~♪~ますわ。
デンマンさんは、何か隠しているような気がするのです。
秘め事や隠し事の1つや2つは必ずあるものなのでござ~♪~ますわ。
あなただって、そう思うでしょう?
そう言えば、あたくしは思い出したことがありますわ。
デンマンさんは軽井沢で小百合さんに“愛のプレゼント”を贈るはずだったのですわ。
そのプレゼントは、一体どうなってしまったのでしょうか?
最後に残った一つだとおっしゃっていたのですわ。
楽しみにしていたのに、その事については何一つ書いていないのですわよう。
あたくしは、とっても気になるのですわア。
最後に残った一つをあたくしにではなく、小百合さんに上げてしまったのでしょうか?
あたくしは、もう5年近くもデンマンさんのために一生懸命にお手伝いしてきたのに、
デンマンさんは、最後に残ったモノをあたくしに下さらないのですわ。
嗚呼!何ということでござ~♪~ましょう!
あたくしの気持ちがお分かりでしょうか?
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もう、こうなっているのですわよう。んもお~~。
デンマンさんが小百合さんに上げたのならば、それは一体、何だったのでござ~♪~ましょうか?
とにかく、あさって、まだ面白いお話が続くと思います。
あなたも、どうか、読みに戻って来てくださいましね。
じゃあね。。。
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ィ~ハァ~♪~!
メチャ面白い、
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(30june.jpg)
■ 『ちょっと変わった 新しい古代日本史』
■ 『面白くて楽しいレンゲ物語』
(karumik2.jpg)
■ 『カナダのバーナビーと軽井沢に
別荘を持つことを夢見る小百合さんの物語』
■ 『今すぐに役立つホットな情報』
■ 『 ○ 笑う者には福が来る ○ 』
(chiwawa5.gif)
こんにちは。ジューンです。
わたしもデンマンさんに言われたので
さっそく次のリンクをクリックして
『美しい村』を読み始めたのですわ。
■ 堀辰雄 『美しい村』 (青空文庫)
ビックリしました。
なんと、レイモン・ラディゲの事が1ページに出てくるのです。
その部分を書き出してみますわ。
僕の机の上には、マダム・ド・ラファイエットの「クレエヴ公爵(こうしゃく)夫人」が読みかけのまんま頁(ページ)をひらいています。
(cleves3.jpg)
はじめてこのフランスの古い小説をしみじみ読んでいますが、そのお蔭(かげ)でだいぶ僕も今日このごろの自分の妙(みょう)に切迫(せっぱく)した気持から救われているような気がしています。この小説についてはあなたに一番その読後感をお書きしたいし、また黙ってもいたい。二三年前、あなたに無理矢理にお読ませした、ラジイゲの「舞踏会(ぶとうかい)」は、この小説をお手本にしたと言われている位ですから、まあ、あれに大へん似ています。
このラジイゲの「舞踏会(ぶとうかい)」と言うのは
レイモン・ラディゲの遺作となった
『ドルジュル伯の舞踏会』のことです。
デンマンさんがレイモン・ラディゲについて
何度も書いていたので
もしかすると、「美しい村」を読んで
関心を持ったのではないかしら?
そう思ったのでした。
ところで、卑弥子さんが面白い記事をまとめました。
寒さを笑って吹き飛ばしたかったら
ぜひ読んでみてくださいね。
■ 『笑って幸せな気分になれるサイト』
(laugh16.gif)
では、今日も一日楽しく愉快に
ネットサーフィンしましょうね。
じゃあね。
(girlxx.gif)
(hi23.gif)
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