読む日々

テーマばらばらの読書日記

廃墟のとき

2011-12-07 | 
明野照葉「廃墟のとき」





 人生に疲れた39歳の美砂は10ケ月後の「自滅式」を決め、それまで、自分を飾り立てて、羨ましがられ、綺麗に死ぬ事を目標に新しい生活を始める。そして結果は・・・


いやあ、怖い怖い。怖いよ~。
美砂の絶望とか、そういうのはただのうつ病だったのに、本人は「虚無」だと思いこんでいたんだね。
死ぬために飾り立てた人生を送るうちに、だんだん「生」に執着していく様子がじわじわと感じ取れ、死ぬのやめてハッピーエンドなのかなあ、と思いきや、ドンデン返しというか何というか。

人はまっ当に生きなきゃダメなのね、と平凡な人生を喜びたくなる心境になりました。

ただ、面白さという面では文句なしです
なので満足度は100